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- 猫研究所
2021.07.08
猫の元気がない...これって猫の熱中症のサイン?知っておきたい猫の熱中症のこと
夏の暑さもいよいよ本番。昨今の日本の夏は猛暑となることが多く、猫を残して外出しなければならないときなど、心配になる方も多いと思います。
室内で暮らす猫たちの健康管理を意識するときに、夏にとくに注意したいのが猫の熱中症ですよね。
そこで、「猫の熱中症とは?」「猫が熱中症になってしまったら?」など、気になることをスタッフ猫たちと一緒に学んでいきましょう。
猫の熱中症とは?
熱中症とは、夏の暑さなどによって体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、生命維持に必要な体温の調節機能が上手く働かなくなったりしまうことで起こるさまざまな症状のことです。
人間の場合は、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの症状が見られ、重症のものでは意識を失ったりすることもあります。
猫の場合も人間とほぼ同じような症状がみられますが、体温の上昇や頭痛などを上手く表現することができないので、熱中症のサインに気が付かずにいると重症化してしまうこともあるようです。
様子がおかしい、と家族が感じた時には重症化してしまっていて、命に係わる状況になるケースもあるようですので、まずは猫が熱中症になってしまうような環境を作らないこと、そして猫の熱中症のサインを見落とさないことが大切です。
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ゴロー
ひょえー!!なんだかますます怖くなってきたであります!
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ランラン先生
でも、重度の熱中症になってしまう前に熱中症のサインに気が付くことができれば、事故を防ぐことはできます。そしてなにより、熱中症をおこさないような環境づくりを行うようにしてください。
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ゴロー
ボクちんたちに適した夏の室温管理についての記事を要チェックであります!
猫に適した夏の室温についてもっと詳しく。
猫の熱中症のサイン
猫の熱中症を防ぐために、意識したいのは、なるべく早い段階で熱中症に繋がる症状に気が付くこと。暑い日、元気がなくぐったりしている様子の時、「もしかして熱中症?」と心配になってしまうことがあると思います。
暑さを感じている時のサインにもなるポイントには以下のものがあります。
・息が荒くよだれを垂らす
・鼻や目、口の粘膜が赤くなる
・食欲がない
・心拍数の増加
・舌を出す(短頭種の場合)
・動きや反応が鈍くなる
猫が暑さを感じている時、これらの変化が見られるようになります。これらの状態になっているようであれば、速やかに涼しい場所に連れていって落ち着くのを待ちましょう。
私たち人間と暮らす猫は気温の変化にうまく対応できず、体調を崩してしまうこともあります。暑い日には様子をこまめにチェックしてこれらのサインが見られないかを確認していくことが大切です。
■ 重度の熱中症のサイン
さらに熱中症の症状が進んでしまっている場合には、以下の症状がみられることがあります。
熱中症の疑いがあるのであれば、速やかに動物病院での処置が必要です。
・嘔吐
・下痢
・震え
・ふらつき、上手く歩けない
・意識が混濁しており反応がない
・けいれんなどが見られる
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ランラン先生
本来、猫は自分で快適な場所を探すことができますから、暑いと感じたら涼しい場所へ自発的に移動します。時間帯によって居場所を変える、というのもよく見られる行動です。
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ムー
ムーたち、猫は寒すぎるのも苦手なの。暖かいところと涼しい場所、それぞれを自由に移動できるようにしてもらえると嬉しいわ。
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ランラン先生
それから、高齢の猫では自発的に移動することが困難なケースや、そもそも室温の変化に鈍感になってしまうこともあるので注意が必要です。
猫が熱中症かも!?応急処置としてできることは?
猫の熱中症のサインに気が付いたら、どのような対策ができるのでしょうか。
- 涼しい場所に連れていく
まずは猫をエアコンなどがきいている涼しい部屋に連れていくことが大切です。しばらく様子を見て、呼吸が落ち着くのを待ちましょう。
- 保冷剤などを使い体を冷やす
食品などに使用する保冷剤をタオルで包み、首の回りに巻いてあげることも効果的です。
また、保冷剤が手元にない時には、濡らしたタオルをかけてあげることで代用できます。
- 呼吸が落ち着いたら水分を摂取させる
猫の呼吸が落ち着いたようであれば、無理のない範囲で水分を摂取させましょう。水分量が多いウェットフードやスープ、ミルクなどを飲ませるのもオススメです。
■ 肥満体形の猫は熱中症になりやすいって本当?
熱中症は体内の熱を上手く放出できないことが原因のひとつです。肥満体形の猫は、皮下脂肪が分厚く、その分体温を下げることが苦手なことが多いようです。
肥満体形の猫の場合、少しの運動でも体温が上がってしまうため、ダイエット目的で夏場に運動をさせたい時には室温に注意してあげてくださいね。
また、ペルシャ、チンチラ、エキゾチックショートヘアなどの鼻が潰れた短頭種の猫も熱中症を起こす可能性が高いといわれていますので、注意が必要です。
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ムー
……おにいちゃん、痩せないとね。
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ゴロー
な、ななな!何の話でありますか!?
おわりに
本日は夏に注意したい猫の熱中症のサインと症状についてご紹介しました。基本的に猫は暑さに対してある程度耐性がある生き物だといわれています。室内で過ごす猫たちのために、室温管理を行う家庭がほとんどだと思いますので、あまり熱中症のリスクはないと思いますが、猫の様子をチェックして今回ご紹介したような熱中症のサインが見られたら、すみやかに動物病院に連れていくなどしていきましょう。
猫が熱中症になってしまうリスクをなるべく排除することが基本ですが、予期せぬ形で暑い中で過ごすことになったりしたときには細心の注意を払うようにしたいですね。
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