• コラム
  • スタッフコラム

2020.10.08

猫のコロコロウンチは便秘?原因や便秘対策法をご紹介【ペット栄養管理士監修】

猫のコロコロウンチは便秘?原因や便秘対策法をご紹介【ペット栄養管理士監修】

猫のウンチのお悩みというと、下痢や軟便と同じように多いのが便秘です。なかなか出ないというのはやはり猫にとっても苦しいもの。
人間の便秘との違いや、猫の便秘で注意したいポイント、そして私たち家族にできることなどを実際に猫と一緒に暮らすペット栄養管理士がご紹介します。

猫の便秘の判断基準とは?


猫が何日以上ウンチをしなかったら便秘、というようなはっきりとした基準は存在しません。

健康の基本は、やはり「おいしく食べて良いウンチ」です。毎日、形の良いウンチをしてくれれば健康のバロメーターとしても安心です。しかし、そこは生き物ですから個体差があります。

ここで注目したいのは普段の排便サイクル。たとえば、毎日ウンチをする猫であれば、1日以上ウンチが出ないとやはり便秘が疑われます。
一方で、元々2日に1度というサイクルでウンチの回数が安定している猫もいます。こういった場合は、直前のウンチの周期から次のウンチの周期までが普段の倍の日数(この場合、前回のウンチから2日+2日)以上かかっているようであれば便秘を疑う人が多いようです。

便秘の定義は明確には決まっておらず、「〇日ウンチをしなかったら便秘」と言い切ることは難しいのが現実です。
しかし、ウンチが出ない状態が続き、行動や食欲などに変化が見られた場合は動物病院で相談するようにしてくださいね。

便秘の猫の症状とサイン

猫の便秘に見られる症状と、便秘気味の猫に見られるサインにはどんなものがあるのでしょうか?

◆ウンチが固くなる

まず、本格的にウンチが出なくなる便秘状態になる前に猫のウンチが固くなっているかをチェックしてみてください。健康的な猫のウンチは、排便の直後はほのかに湿っているのが通常です。
また、ウンチがまとまらず、細かくコロコロとした固い鹿のウンチのような状態の場合も便秘の前兆の場合があります。
ウンチが出ても、表面に赤い血のようなものが付いていることがあります。これはウンチが固くなっていたために、肛門が切れていわゆる「切れ痔」の状態になっていることで見られる現象です。

◆ウンチのポーズをしてもなかなか出てこない、諦めてしまう

猫が便秘になると、猫がトイレに行ってウンチをするようなそぶりを見せても何も出ないという状態になります。トイレに何度も行くのに、ウンチが出ていない様子であれば注意が必要です。

◆お腹が固く、張ってくる

どんなに筋肉質な猫でも、健康的な猫のお腹は柔らかいのが通常です。しかし便秘気味の猫の場合は、腸にウンチやガスが溜まり、お腹が固く張ってくることがあります。

◆食欲が低下する

ウンチが出ないことで食欲が低下し、普段食べている食事にも口を付けなくなります。

猫の便秘の原因は?

猫の便秘が起こる原因として、考えられるものをご紹介します。

◆腸内環境の乱れ

やはり、便秘の原因として代表的なものとしては腸内環境の乱れがあります。
猫の腸内には無数の微生物が暮らしていて、それぞれがバランスを保って暮らしています。この腸内細菌たちのバランスが崩れ、特定の菌だけが増えてしまったり、逆に減ってしまうなどで腸の運動が低下したり、消化吸収に時間がかかることで、腸の中に便が留まる時間が長くなり、便秘につながることがあります。

腸内環境は、食べ物の変化などによっても影響を受けます。特に腸内細菌たちのうち、嬉しい働きをしてくれる有用菌たちは水溶性食物繊維を餌として繁殖します。この水溶性食物繊維が不足すると、有用菌が減ってしまい腸内環境の乱れにつながることがあります。

また、食事だけではなく抗生物質などの薬の影響を受けて一部の腸内細菌の数が減り、腸内環境が乱れることも。

◆ストレスによるもの

家族が増えたり、引っ越し、トイレを変えたりするなどの急な環境の変化によって猫がストレスを感じて便秘になることもあります。
猫が安心してウンチができるようなトイレでない場合も、トイレに行かなくなり便秘になるケースもあるので、トイレの周辺の環境をチェックするのも大切です。
動物にとって、ウンチをしている間というのはとても無防備になり、危険を感じる瞬間のようですので、猫がリラックスできる環境を意識してみてください。

◆運動不足、加齢によるもの

運動不足や加齢によって、ウンチをするために必要な筋肉が衰えてしまうこともあります。特にハイシニア猫の場合は、寝ている時間が多くなり、全身の筋力が低下します。運動ができるようであれば、適度に遊びなどを取り入れたりするのも便秘の予防に効果的です。

◆水分不足によるもの

猫が十分に水分を摂取できていない場合、ウンチが固くなりがちです。
猫の水飲み場は十分に設置されているか、清潔な水を飲めているかを確認し、必要であればウェットフードを取り入れるなどして、自然な形で水分摂取量を増やす工夫を取り入れてみるのもいいですね。
水分量が多いスープやゴートミルクをオヤツとして与えてみるのもおすすめです。

◆誤飲やヘアボールによるもの

猫がオモチャなどを誤飲してしまったり、毛玉を上手く排出できずに腸の中で固まったりすることもあります。これらの場合は、動物病院で適切な処置が必要になります。
猫が誤飲する可能性があるオモチャは使わないといった意識を持つほか、ヘアボールの予防として定期的なブラッシングをするといったことが予防になります。

猫の便秘は病気やケガのリスクも

猫が便秘を引き起こすと、下記のようにさまざまな病気やケガを発症してしまう可能性があります。

・消化器官の働きが低下し、さまざまな病気にかかる
猫がウンチを排出しないということは、胃や腸といった消化器官に何らかの問題が発生していることが考えられます。
そのまま放置すると炎症や脱肛、腸内に腫瘍やポリープが発生するなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

・過去の損傷個所に影響
猫は骨盤や足を骨折してしまうと、ウンチを出すときに痛みが走るため、ウンチを我慢することで、慢性的な便秘につながることも。

出したいのに出せない状態が続くと便秘になってしまい、骨折箇所が変形したり、新たな損傷が発生したりするかもしれません。

・肥満
便秘がちな猫は、運動不足で腸の動きが悪くなったり、体が重くなったりすることによって太っていることが多い傾向にあります。

猫の肥満は便秘だけではなく、さまざまな病気の原因となるため、普段からこまめに体調管理や体重をチェックしましょう。

・脱水
便秘に陥ってしまうと、猫によっては嘔吐や何らかの病気が原因で水分不足に陥ってしまう可能性があります。
少しでも水分を補給できるように、ぬるま湯を用意したり、ウェットフードを用意したりしましょう。

猫の便秘の対処法

猫が便秘に陥ってしまったときは、下記の対処法を実践してみましょう。

◆病院に連れて行く

先述の通り、猫が便秘になってしまう理由はさまざまであり、判断が難しいことがあります。
誤った判断をしてしまうと便秘が解消されないだけではなく、猫の症状が悪化してしまうことが考えられます。
長期間放置すると巨大結腸症になってしまい、便の掻き出しや手術などが必要になります。
猫の便秘が続いているときは、病院に連れて行って診察を受けるようにしましょう。

◆水分の摂取量を増やす

猫が便秘になってしまう理由のひとつとして、猫があまり水分を摂取しなくなることによる脱水が挙げられます。
猫は私たちが思っている以上にデリケートな生き物であり、新鮮でキレイな水を好む傾向にあります。
猫の水分摂取量を増やすためには、飲み水をこまめに入れ替えたり、水入れを置く場所を増やしたりすることがおすすめです。
それでも水分をあまり摂取しなかった場合は、飲み水だけではなく猫用のスープなどほかの方法での水分摂取も検討しましょう。

◆トイレの環境を整える

先述の通り、猫はデリケートな生き物であることから、トイレの環境が悪いと便秘に陥ってしまう可能性があります。
猫が便意を我慢しているときは、汚れを取り除いたり、猫砂を替えたりしてトイレの環境を整えてみましょう。
また、うるさい場所だとトイレがしにくい猫の場合は、静かな場所にトイレを移動してみるのもおすすめです。
なお、トイレのサイズは猫の1.5倍、トイレの数は猫の数+1を目安に用意しておきましょう。

◆フードを見直す

食事を経由して猫の水分を補給するためには、ウェットフードを要したりドライフードを水でふやかしたりしましょう。
毛玉が詰まったことが原因の便秘は、猫草や繊維が多く含まれているキャットフードなどが有効です。
ただし、キャットフードを変えることは猫にとってストレスになってしまうことが考えられます。
そのため、原因の究明とあわせて、まずは病院に相談してみることをおすすめします。

◆ブラッシングする

ブラッシングは猫の毛を整えるだけではなく、不要な毛を減らしたり、リラックス効果を与えたりします。
飲み込んでしまう毛の量を減らすことで、毛玉による便秘を防ぐことができます。
また、猫にリラックスしてもらうことで心身の健康が促進され、結果として便秘が解消されることも考えられます。
猫とのコミュニケーションや体調管理とあわせて、普段からこまめにブラッシングはしておきましょう。

猫のお腹の健康維持にオススメのアイテム

tamaでは猫の便秘に嬉しい成分を含むサプリメントもご紹介しています。ベンスルーは、たくさんの便秘に悩む猫たちのウンチをサポートしてきたロングセラー。

水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の両方をバランス良く含み、腸内環境を整えて形の良いウンチを作るサポートをします。猫が大好きなお魚とビール酵母の香りで嗜好性も高く、猫の食欲を邪魔しません。

パウダータイプなので、ウェットフードやスープ、ドライフードに混ぜて与えるほか、ピューレタイプのオヤツに混ぜて食べさせるのもおすすめです。

レビューにはたくさんの猫たちの便秘解消の声が届いています!
便秘気味かも、と感じたときにいつもの食事にさっとプラス。おいしく食べて良いウンチのお手伝いにお試しください。

また、tamaのレトルト、とろっとシリーズもおすすめです。水溶性食物繊維を含むマンナンペーストを使用し、腸内環境を整えながら水分補給もできるおいしいレトルト。
サプリメントを使うほどじゃないけど、お腹の調子を整えたい…という猫におすすめです。

お腹の健康維持に活躍ロングセラー

お腹の健康維持に活躍ロングセラー

POCHI ベンスルー レギュラー(猫用)

●原産国:日本

●原材料:セルロース、ポテトファイバー、イヌリン、ラクチュロース、トレハロース、ビール酵母、スピルリナ、フィッシュペプチド、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カラギーナン

●保証成分:粗タンパク質2%以上、粗脂肪3%以上、粗繊維25%以下、粗灰分24%、水分5%以下
○カロリー:169kcal/100g

〔給与方法〕
・毎日の食事に混ぜて与えてください。新鮮な水を積極的に多く飲ませるようにすると効果的です。
・体重1kg当たり0.5gを1日 2~3回に分けて与えます
◎添付スプーン2cc 1杯で1gです

対象商品を見る

水溶性食物繊維たっぷりのレトルトもオススメ

おわりに

本日は、猫の便秘のサインや原因、そして対処法についてご紹介しました。猫にとっても便秘はつらいもの。
猫の様子を観察して、ウンチの周期のズレを感じたら食事やトイレの環境などを見直していくことが大切です。
便秘気味の状態が長く続くようであれば、サプリメントやレトルトに頼ってみるのもひとつの方法です。