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2025.03.27
猫の顎ニキビはなぜできる?原因や症状、自宅でできるケア方法を解説

ニキビは毛穴の角質が厚くなったり、皮脂が過剰分泌されたりすることで引き起こされる皮膚の病気です。毛穴の出口が詰まってしまうと皮脂がたまってしまい、アクネ菌が毛穴で増殖することでニキビとなります。人にしか見られないと思われがちなニキビですが、実は猫にもニキビが見られることがあるのです。
今回は、猫の顎ニキビができる原因や症状、自宅でできるケア方法について解説します。
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【獣医師】菱沼 篤子
獣医学部を卒業後、動物病院での臨床・栄養指導を経験した後に公的機関で獣医師として勤務。現在はtamaのアドバイザー、商品開発などに携わる。中型犬、小型犬と一緒に暮らしていますが、猫のことも大好きです
猫の顎ニキビとは?
顎は皮脂腺からの分泌物が多く、毛づくろいが難しいことから、ニキビができやすい場所になります。ほかにも唇や口角などもニキビができやすい場所であり、上を向いているときに確認することができます。顎ニキビは軽度・中度・重度に分けることができ、それぞれ下記のような症状が現れます。
・軽度な症状
軽度のニキビは黒いブツブツで、触ると少しざらつきを感じますが、猫はかゆがる様子を見せません。無症状で腫れやかゆみがほとんどないことから、上を向いているときに目視するまで気付かないことがあります。
・中度な症状
軽度から進行して中度になると黒いブツブツが目立つようになり、炎症が進行すると赤く腫れあがることがあります。猫もかゆみを感じるようになり、顎を引っかいたり壁に擦り付けたりするようにします。
・重度な症状
症状が進行して重度になるとかゆみや赤みが強くなるほか、細菌が感染することにより化膿してしまいます。頻繁に強く引っかいたり壁に擦り付けたりするようになることから、脱毛が起こって症状が悪化する可能性があります。
猫の顎ニキビの原因とその要因

こちらでは、猫の顎にニキビができる原因をご紹介します。
・ストレスによる影響
猫は引っ越しや新しい猫を迎え入れるなど、自分を取り巻く環境が変わったときにストレスを感じることが多いとされています。ストレスを感じてしまうと食欲の低下や元気がなくなるだけではなく、ホルモンバランスが崩れたり、皮膚のバリア機能が低下するなどの変化が起こり、顎ニキビができてしまうことがあります。
・衛生状態と食器の素材
猫のニキビは顎の下や唇など、口周りにできることから、衛生状態と食器の素材によって発生することがあります。プラスチック製など、表面にキズや凸凹ができやすい食器を使用すると、隙間にカビや細菌が繁殖してしまいます。細菌によるニキビを防ぐために、キレイな衛生状態を維持し、キズが付きにくい食器を選びましょう。
また、猫ではまれですが、ニキビダニ症(毛包虫症)という感染症によって顎ニキビができる場合も。健康な猫や、人間、犬に感染することはありません。環境を清潔に保つことで感染の拡大を防ぐことができます。
猫の顎ニキビの予防方法
猫の顎ニキビ対策として、下記の方法があります。
・食器の選び方と清掃方法
先述の通り、キズが付きやすい素材でできている食器は、カビや細菌が発生しやすい傾向にあります。掃除の際には洗剤で隅々まで洗うだけではなく、熱による消毒も行うことで、顎ニキビの原因にもなる雑菌の発生を抑えられます。こまめに食器を洗い、キレイな衛生環境を維持することが顎ニキビ予防になります。
・ストレスを減らす環境作り
猫はストレスを感じやすく、過剰なストレスは顎ニキビをはじめとしたさまざまな症状を発症することがあります。引っ越しや新しい猫を迎え入れたときなどはストレスを感じやすい状況ですが、慣れてもらうしかないこともあるものです。
また、食事を急に変えたときもストレスを感じる可能性があるため、配分を徐々に増やして切り替えるようにしましょう。
猫がストレスを感じているときは落ち着いて過ごせる場所を作ったり、一緒に遊んだりしてあげると発散できる場合も。
猫の顎ニキビをケアする方法
では、猫に顎ニキビができてしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。こちらでは、猫の顎ニキビをケアする方法をご紹介します。
・獣医での診断と治療
顎ニキビが発生した場合、症状の進行や悪化を防ぐために、早めに獣医による診断と治療をおすすめします。個人判断による治療は症状が緩和されないだけではなく、症状が悪化・広がってしまう可能性があるため注意しましょう。
・自宅でできるケア方法
獣医の診療を受ける前に、軽度な症状の場合はぬるま湯で濡らした清潔なコットンガーゼで患部をやさしくふきましょう。顎ニキビができたときは清潔にすることが重要であり、患部をキズ付けないようにケアすることが重要です。
猫の顎ニキビが悪化するリスクと注意点

猫の顎ニキビが悪化するリスク
顎ニキビが発生した際、症状を悪化させてはいけないため、下記は行わないように注意しましょう。
・人用のニキビ薬を使わない
・患部を刺激しない
・無理に顎ニキビを取ろうとしない
これらは患部を傷つけてしまったり、症状を悪化させたりする可能性があるため、行うべきではありません。
おわりに
今回は、猫の顎ニキビができる原因や症状などについて解説しました。顎は皮脂腺からの分泌物が多く、毛づくろいが難しいことから、猫のニキビが最もできやすい場所になります。ストレスによる影響や衛生状態と食器の素材などの影響によって顎ニキビができてしまう可能性があるため、これらの緩和、および衛生管理が重要です。顎ニキビができたときは自宅でのケアだけではなく、顎ニキビの原因に適した対策をとるためにも、早めに獣医師の診断をおすすめします。