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2024.10.17

猫のフケ、これって病気?気になる皮膚トラブルと乾燥

猫のフケ、これって病気?気になる皮膚トラブルと乾燥

猫を撫でていると、被毛にちょんちょん、と白いフケが出ていることに気が付くことがあります。
猫にフケが見られると、何かトラブルが起きているのではないかと心配になってしまう方も多いのではないでしょうか?フケは猫の健康状態を示す一つのサインであり、特に皮膚トラブルの初期症状として現れることがあります。今回は、猫のフケが示す健康状態や皮膚トラブルの初期症状についてご紹介します。

猫の皮膚について知り、適切な対策を講じることで猫の皮膚トラブルを予防することが可能です。具体的な乾燥対策や日常ケアのポイントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
フケが気になる場合に獣医師に相談すべきタイミングや、日常的なケア方法についてもご紹介します。

猫のフケ、これって病気のサインなの?

猫のフケは人間と同じく、皮膚の一番上の層である角質の細胞が剥がれ落ちたものです。角質の細胞はその役割を終えて寿命を迎えると、自然と剥がれ落ちて新しい細胞に入れ替わります。これ自体は皮膚を健康的な状態に維持するために必要なことで、自然なことです。
猫の場合、こまめに毛づくろいをしていますので、フケが出ても毛づくろいによって取り除かれることも多く、また目には見えないほど小さなフケとして出ていることもあります。
そのため、健康的な猫ではフケがあまり気にならない傾向にあるようです。

たとえ、フケがみられても多少出ている、という程度であればあまり心配はいりません。空気の乾燥や静電気の刺激が原因でかゆみが生じ、体を掻いている時に少しフケが出てしまう、ということもあります。

一方、私たちが目で見ることができるほど大きなフケがたくさん猫の体に出ているようなケースでは、猫の皮膚に何かしらのトラブルが起きているかもしれません。

フケが出ていたら、まずはチェックを

猫のフケが気になる時は、毛を掻き分けて周囲の皮膚の状態もチェックしてみてください。
猫がかゆがっている様子がみられたり、皮膚が赤みがかっているようであれば、皮膚トラブルによってフケが出ている可能性があります。
皮膚のトラブルが起きている猫では、耳の中や目の周りなど毛が薄くなっているところが赤っぽくなることが多いので、そういった部分をまずはチェックしてくださいね。

猫の皮膚トラブルというと、アレルギーによるもの(アトピー、食物アレルギー)を心配される方も多いですが、それは考えられる理由のひとつです。アレルギーが原因になっているかどうかの判断には、専門知識とそれなりの時間が必要になることも。
そのほかにも、免疫系疾患、細菌による感染症、真菌(カビ)感染、寄生虫(ノミ・ダニ)など、さまざまな原因が考えられますので、かゆみやフケが長引く時には動物病院で相談してみてください。

猫の皮膚トラブルと乾燥の関係

冬に向けて徐々に空気が乾燥するようになってきます。この乾燥がフケや猫の皮膚トラブルの原因となることはあるのでしょうか?
答えとしては乾燥だけが原因になることはありませんが、乾燥と他の要因が重なることでかゆみやフケを起こすことはあるようです。

たとえば、皮膚のバリア機能が低下しているときなどは、空気の乾燥が引き金となって皮膚トラブルを引き起こすことがあります。

角質は本来、皮膚の表面を保護するために皮脂や天然の保湿成分、セラミドによって守られています。これを皮膚のバリア機能と呼ぶことがあります。しかし皮脂の分泌バランスが乱れたり、セラミドを十分に体内で合成することができないと、角質の細胞が刺激を受けて剥がれ落ちやすくなります。
そうなると、特に皮膚のトラブルがなくても空気の乾燥や静電気やハウスダスト、化学物質などが刺激となり、フケを出しやすくなる可能性があります。

猫のフケ対策:日常ケアのポイント

皮脂が適切に分泌され、セラミドも十分に作ることができる状態が理想的ですが、そのためには食事を見直すことが大切です。健康的な皮膚を維持するためには適度なタンパク質、そして脂質が必要になります。
猫の食事の内容をチェックしてみて、オヤツを与えすぎているために栄養バランスの取れたキャットフードをあまり食べていなかったり、手作り食を与えている期間が長くなったりしていないでしょうか。
偏った食事内容を続けていると、タンパク質や脂質が不足してしまい、皮膚のトラブルがみられることもあります。
継続的に栄養バランスがとれた食事を意識していきたいですね。

また、軽度のフケは乾燥によるものが多く、定期的に保湿剤を使用することで改善されるようになることもあります。
ただし、猫は自分の体をグルーミングする習性がありますので、猫が舐めてしまっても安全な成分だけを使用しているものを選ぶようにしてください。
動物病院で処方されているものがある場合は、必ず使用方法を守って使うようにしてくださいね。

おわりに

猫のフケは、必ずしも深刻な皮膚トラブルのサインとは限りませんが、健康状態を示す一つの指標として注意を払うことが大切です。
フケが少量であれば、空気の乾燥や静電気などの一時的な要因によるものである可能性が高く、過度に心配する必要はありません。しかし、大量のフケやかゆみ、皮膚の赤みが見られる場合は、何らかの皮膚トラブルとや体調不良が原因となっている可能性があります。

ほかにも気になる変化がみられるようであれば、動物病院で相談するのがベスト。トラブルの早期発見につながるかもしれません。
これからの季節は、乾燥が引き金となる場合もあるため、保湿対策や栄養バランスの取れた食事が重要です。