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2019.07.11
猫に起こるおしっこトラブル!尿路結石の予防方法とフードの選び方
猫はもともと水をあまり飲まない体質のため、泌尿器系の病気にかかりやすい動物です。
中でも尿路結石は、成猫に非常に多く発症する病気で、症状が進むと重症になるケースもあるため、早めに気がついてあげることが大切です。
今回は、猫がかかりやすい尿路結石の原因や予防方法、その後のフードの選び方についてご紹介します。
猫の尿路結石について
猫がかかりやすいとされる「下部尿路疾患(FLUTD)」の中でも特に発症が多い病気が、尿路結石症です。
尿路結石症は、腎臓から尿道へとつながる管に結石ができる病気で、尿道が狭くて長いオス猫に起こりやすく、特に去勢後の成猫は肥満になりやすいことから尿路結石のリスクも高くなる傾向があります。
また、水をあまり飲まない猫や、肥満気味のメス猫も尿路結石にかかりやすいため注意が必要です。
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ゴロー
ややっ。去勢した雄に多いとなると注意しないといけないでありますね!
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ランラン先生
雄猫以外でも起こりうる、猫では比較的よく見られる病気です。だからといって放置しておくと大変なことになりますから、きちんと基本的な原因と対策を理解して、猫に適した方法で防いでいくようにしましょう。
尿路結石の症状
猫が尿路結石症になると、以下のような症状が現れます。
・トイレに行く回数が増える
・尿の量が少なくなる
・排尿時に痛そうにしている(鳴き声をあげる)
・トイレ以外の場所で排尿してしまう
・血尿が出る
・ダルそうにしてあまり動かなくなる
・嘔吐
その他、尿と一緒に砂状の結晶や結石が出ることがあり、その場合はトイレ砂がキラキラと光って見えます。
早期発見のためにも、トイレ砂を片付ける際は量や色、砂がキラキラしていないかなど、しっかりとチェックしましょう。
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王子
僕が使っているシステムトイレだと、オシッコを吸収するトイレシーツでオシッコの色や様子をチェックすることができて便利なのだ。
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ランラン先生
そのほかにも、オシッコの色の変化がわかりやすいような色がついていない猫砂なども販売されていますよ。
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ムー
基本的にはトイレは清潔で使いやすいようなものにしておいて欲しいわね。そうじゃないと行きたくなくなって我慢することがあるかも。
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ランラン先生
そうですね。トイレの場所を急に変更したり、トイレそのものを突然変えたりしてしまうことでトイレに行けなくなることもありますので、トイレや砂を変える時には以前のものも併用しながらをオススメします。
原因や予防方法
■尿路結石になる原因とは?
尿路結石は猫の尿中のマグネシウムやカルシウム、リンなどのミネラルバランスや、pHバランスが崩れることで発生するといわれています。
猫のおしっこはもともと濃く、あまり水を飲まずに少ない回数でさらに濃度の高くなると、結石ができやすくなります。
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王子
膀胱炎などでオシッコをする度に傷みを感じたりするようになり、膀胱の中に尿がたまったまま長時間が経過してしまうと、結石ができやすくなるそうなのだ。僕みたいに膀胱炎になりやすい猫は注意!なのだ。
■尿路結石の予防方法とは?
尿路結石の予防方法として効果的なのは、水分摂取量を増やしてあげることと、ミネラルバランスの良い食事を与えることです。
個体にもよりますが本来水分たっぷりの獲物を食べていた猫たちは、あまり水分をとらない傾向があります。特に冬は水を飲む量が減りやすく、脂肪も燃焼にしにくくなるため、代謝によって体内で作られる水分量も減ってしまいます。そのため、十分に水分を与えるための工夫が必要となります。
猫があまり水を飲まない場合は、積極的にウェットフードをあげたり、お水をこまめに換えてあげたりするのも効果的です。猫は新鮮で安全な水を本能的に好みます。そのため、水道などから流れている水が好きな猫も多くいます。水はできる限り新鮮なものを与えてあげるようにしましょう。
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ゴロー
おいしいおいしいウェットフードは水分補給にもなるであります。食欲がないときでもこれなら美味しく食べられて一石二鳥であります!
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ランラン先生
新鮮なお水も忘れずにお願いしますね。あと、スープタイプのウェットフードであればたっぷりの水分を飲めますし、結石や結晶対策としてもオススメです。その際はリンとカルシウムなどの栄養のバランスを整えたものを選んでもらえるとより効果的ですよ。
■尿路結石発症後のフードの選び方
尿路結石を発症してしまったら、まずはキャットフードの見直しを行いましょう。
猫の尿路結石で最も多いとされるマグネシウム由来の「ストルバイト尿石」の場合は、マグネシウムやカルシウム、リンなどのミネラル成分量を健康に害の無い範囲で軽減してある「療養食」が効果的です。
発症後しばらくは「下部尿路疾患(FLUTD)」または「低カルシウム・低リン・低マグネシウム」と記載されているフードを選ぶようにしましょう。
ただし、猫の尿路結石にはいくつかの種類があるため、食事療法を行う際は、必ず医師に確認してから行うようにしてくださいね。
おわりに
今回は、猫がかかりやすい尿路結石の原因から予防方法、その後のフードの選び方についてご紹介しました。
尿路結石は1歳以降の成猫からシニア猫まで患うことが多い病気です。万が一、症状が進んでしまうと他の内臓疾患を誘発したり、慢性化してしまうとぼうこう炎や尿毒症といった深刻な病気を引き起こしてしまったりするケースもあります。
水分の与え方を工夫したり、食事を見直したりなどの予防対策をとるほか、発症後に早期発見してあげるためにも、トイレをはじめ、普段からしっかりと猫の様子を観察するようにしましょう。