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2024.09.26
猫のストレスケアをフードでできる?有効成分とされる「カゼイン」を調べてみました
マイペースに過ごしているイメージがある猫ですが、さまざまなストレスが体調に大きく影響することが分かっています。
環境の変化や生活のリズムの変化、そのほかにもさまざまなことが猫の健康を脅かすストレスとなるため、ストレスケアに悩む方は多いのでは。
猫の健康管理、中でもストレスケアの面で近年注目されているのが、「カゼイン」という成分です。
改めて猫のストレスケアに活用されているカゼインという成分、そしてどのような場面で役立てられることが期待されているのかについて探ってみましょう。
猫のストレスケア、してますか?
猫はどんなことにストレスを感じていると思いますか?
構われすぎるとストレスを感じる子もいれば、家族と一緒に過ごせないことにストレスを感じる子もいる…といったように、猫がどんなことにストレスを感じるかは「猫それぞれ」。
例えば、猫が感じるとされる一般的なストレスの例には以下のようなものがあります。
・引っ越し、家族の増減など環境の変化
・来客の存在
・新入り猫やペットの存在
・家族の離別など
家族がしっかりと見守り、猫の暮らしの中のストレスの原因を見極めていくことが大切です。
猫がリラックスできる環境作りと合わせて、最近人気が高まりつつあるのが「猫のストレスケア成分」を含むといわれるキャットフードやサプリメントです。
ストレスがどんな風に体調に影響するの?
猫のストレスケアが注目されるようになった背景には、猫に多い「膀胱炎」の原因の一つとしてストレスの存在が無視できない、と考える獣医さんが増えたことがあるようです。
以前は、猫の膀胱炎は、膀胱の中で長時間尿がとどまり、雑菌が繁殖したことで起こる"細菌性膀胱炎"や尿石症による膀胱炎が多いと考えられていました。
しかし少し前から、実際に膀胱炎になった一部の猫の中には、細菌を原因としない"特発性膀胱炎"を発症している子がいることが指摘されるようになりました。
この特発性膀胱炎を起こしやすい猫に、ストレスケアを意識して特定の成分を含む食事を継続的に与えたところ、ストレスの軽減によって改善に向かった…という報告を、とあるフードメーカーが発表しました。
ただし、この結果は、猫のストレスを軽減するために環境を整え、猫とのコミュニケーションの取り方などのアドバイスを具体的に行ったうえで、ストレスケア成分を含むフードを与えた結果、とのことですので、フードだけで改善されたというわけではないことは、注意が必要です。
猫が快適にトイレができたり、しっかりと水分を補給して、リラックスできるような環境づくりを行った上での結果ですから、環境整備とフードの両方を合わせて対策していくのが良いのかもしれません。
ストレスケアに役立つ、カゼインとは?
近年注目されているストレスケア成分の代表格が、「カゼイン」です。
カゼインはヨーグルトを水切りした際に残った固形に含まれるタンパク質。(ヨーグルトは乳酸菌がつくった乳酸によってカゼインが固まったものです。)
発酵食品であるヨーグルトやチーズなどにカゼインが多く含まれています。
カゼインは複数種類のタンパク質の混合物で、必須アミノ酸をすべて含む高栄養な成分としても知られています。
猫にとって重要なさまざまなタンパク質をバランスよく含むカゼインですが、単なる栄養補給に役立つだけではない、そんな一面が注目されています。
カゼインは、神経系の健康維持にも役立つ神経伝達物質、セロトニンを作る際に必要となる「トリプトファン」というアミノ酸を豊富に含むため、神経系の健康維持を意識するため使用されるようになっています。
ストレスや精神的な不安定さが原因で発生する問題行動への対策として、薬の成分として使用されることも増えてきました。
猫が無理なく適切な量、そして形でトリプトファンを摂取できるようにさまざまな工夫がされるようになってきています。中には猫の消化吸収を考えて、カゼインを加水分解した「カゼイン酸加水分解物」としてフードに加えているメーカーもあるそうです。
猫のストレスサインを知ろう
猫がストレスを感じていると、行動などに変化がみられるケースも少なくありません。実際に体調を崩してしまう前に行動の変化という形で予兆が見られるケースでは、どんなことがストレスサインとして見られることが多いのかをご紹介いたします。
■食欲不振
私たち人間と同じように、猫もストレスが原因で食欲不振を起こすことがあります。
普段よりも食欲がなかったり、水を飲む回数が減ったりした場合は、猫がストレスを感じているサインかもしれません。
■トイレ以外での排泄
通常、猫は決まった場所で排泄をしますが、ストレスが原因となって粗相をすることがあります。
■過度なグルーミング
猫が安心したい時にも見られるグルーミング。適度であれば問題はありませんが、体毛が抜けるほど執拗に舐める場合は、強いストレスを感じている可能性があります。
手足やしっぽを血が出るほど噛むなど、グルーミングに自傷行為を伴う場合には要注意です。
■引きこもって出てこなくなる
もともと半日以上は寝て過ごす猫ですが、自分の安心できる場所などからほぼ1日中引きこもって出てこないような時には、強いストレスを感じている可能性も。
■飼い主や他の猫に攻撃する
威嚇や噛みつき、ひっかきなど、家族に対する攻撃行動はストレスサインです。
猫は本能的に争いを避ける生き物なので、攻撃的になっているようなら恐怖や不安のほか、強いストレスがあるケースも。
また、来客への恐怖から近くにいて信頼している飼い主に噛みつくなど、八つ当たりとして現れる場合もあります。
おわりに
今回は、猫のストレスとそのケアに役立つ成分についてご紹介いたしました。猫がどんなものやことにストレスを感じているかは、猫それぞれ。実際に猫が話をしてくれれば良いのですが、そういうわけにはいきませんので、行動などからある程度家族が読み取ってあげる必要があります。
実際に猫の体調に影響が出てしまう前に、そのサインに気が付いたらカゼインなどを取り入れてうまくストレスコントロールができればベスト。最近では動物病院でもストレスに配慮した食事のアドバイスや、暮らしの中の工夫について相談できる機会も増えているそうなのでぜひ活用してみてください。