• コラム
  • スタッフコラム

2024.08.15

マタタビは猫に危険?キャットニップとの違いは?メリット/デメリットをまとめました

マタタビは猫に危険?キャットニップとの違いは?メリット/デメリットをまとめました

皆様の家の猫の大好きなものって、なんでしょうか?
美味しいごはん?大好物のオヤツ?大興奮で遊ぶおもちゃのほか、日向ぼっこや段ボール箱…。猫たちが好むもの、喜ぶものも猫それぞれ。
しかし、多くの猫を魅了するといわれているアイテムも存在しています。

その一つが「マタタビ」そして「キャットニップ」です。
これらは猫をメロメロにすることで知られていますが、なぜ猫はマタタビやキャットニップに夢中になってしまうのか、リスクはないのかなど気になることを調べてみました。

「マタタビ」「キャットニップ」これってどんな植物?

■マタタビとは?

マタタビはマタタビ科マタタビ属に含まれる樹木で、つるのように他の木に絡まりながら成長します。
とても丈夫な植物で、家庭での栽培もできるそう。
白くてかわいらしい花は梅の花にも似ていて、花が咲くと徐々に葉の表面が白っぽくなっていく特長があり、夏でもまるで霜が降りたような姿になることもあるそうです。
日本全国、朝鮮半島では昔から自生していた植物です。

 

■マタタビとどう違うの?キャットニップについて

キャットニップは、マタタビとは全く異なる種類の植物です。
シソ科の多年草でユーラシア大陸原産のハーブですが、こちらも比較的家庭での栽培は容易です。日本を中心に自生していたマタタビとは異なり、主にヨーロッパで料理などのハーブとして使用されていました。
5月から8月に白色または青紫色のかわいらしい花を咲かせます。
日本では「イヌハッカ」または「キャットミント」「西洋マタタビ」などと呼ばれています。

なぜ猫はマタタビが好きなの?

■猫を夢心地にさせる成分「ネペタラクトール」

猫たちは、またたびにスリスリしたり、舐めたりするとまるで人間が酔っぱらってしまった時のような「酩酊」によく似た反応を見せます。
これは、またたびに含まれるネペタラクトールと呼ばれる成分の影響です。
この成分を取り込むことで、猫の体の中では「βエンドルフィン」という神経伝達物質の濃度が一気に上昇します。
このβエンドルフィンは、濃度が高くなると非常に幸せな気持ちになる物質。βエンドルフィンの濃度が高いということは、猫が非常にハッピーな気持ちになっているということです。

ちなみに、西洋マタタビと呼ばれ、マタタビと同じように猫がスリスリしてしまう植物、キャットニップに含まれている成分はネペタラクトンといいます。名前の通り、マタタビに含まれるネペタラクトールとは「よく似てるけどちょっと違う」成分です。
マタタビに反応する猫とキャットニップに反応する猫、それぞれいるようなので、「うちの子はマタタビ(キャットニップ)はいまいち…」というようなら、もう一方を試してみると別の反応が見られるかもしれません。

 

■なぜ猫はマタタビやキャットニップにスリスリするの?

猫がマタタビやキャットニップにうっとりしながらスリスリしてしまう理由については、長らく謎とされていました。しかし、近年の研究により、その理由が少しずつ解明されつつあります。

現在有力とされている説は、猫がメロメロになってしまう成分、ネペタラクトールが「虫よけ効果」を持っているから、という説。
研究グループによると、ネペタラクトールのニオイを体にこすりつけた猫には蚊が寄り付かなくなった…というのです。
猫は幸せそうにスリスリ、ゴロゴロしているだけのようですが、蚊よけ効果もあるなんてびっくりですね。

とはいえ、まだこの説はあくまで「可能性」の域を出ません。
今後猫の生態や歴史についての研究が進んでいくことで、明らかになっていくのが楽しみですね。

 

マタタビやキャットニップを与えるメリットとは

まず挙げられるのは、マタタビやキャットニップを与えることで猫にリラックス効果があることです。
ネペタラクトールやネペタラクトンを取り込んだ猫の体内では、βエンドルフィンの濃度が上昇しますが、この時に緊張状態やストレスなどを解消すると考えられています。
この働きは緊張しやすかったり、神経質なタイプの猫のストレス管理や、新しく家族に迎えた猫の緊張をほぐす目的などで活用できます。
ストレスによって脱毛や軟便が見られるなど、体調を崩しやすい猫の場合は、ストレスの原因になること(引っ越し、来客、雷や動物病院など)があった後に使うのがオススメです。
特に、猫がマタタビ(キャットニップ)の木や葉などを嚙むことでその効果は増大することも分かっています。

そのほかにも、猫によってはリラックスすることによって食欲が増進されたり、運動意欲が刺激されて運動不足の解消につながることも。
とはいえ、マタタビを楽しんだ後の反応は猫それぞれですので、(まったく興味を示さない子もいます)猫たちの様子を見ながら与えるのがベストです。

マタタビ・キャットニップを使用するリスク

マタタビやキャットニップを与えると猫が中毒になる、という情報を見かけることがあります。
でも、最新の研究では猫がマタタビやキャットニップを与えることで中毒症状を見せることや、体調に悪い影響があるというデータはありません。猫にとって安全な成分と考えられています。

注意点を挙げるとすれば、マタタビやキャットニップを与えられた猫の中にはテンションが上がってしまう猫も一定数いることがあります。テンションが上がった猫は、何の前触れもなく走り出したり、家族に対しても攻撃的になることがあります。
興奮状態になってしまっている猫に不用意に触れようとすると、普段は大人しい猫でも家族が怪我してしまう可能性はゼロではありませんので、注意が必要です。また、多頭飼育の場合はマタタビを使用することで興奮状態になった猫同士がケンカになってしまうケースや、脱走につながってしまうもあるようですので、注意して見守るようにしてくださいね。

 

おわりに

今回は、改めて知りたいマタタビとキャットニップについてご紹介いたしました。猫たちをメロメロにしてしまうこれらのアイテムに対して、なんとなく「危険なもの」という印象を抱く方もいるそうですが、最新研究では安全性が保障されているものですのでご安心ください。
ただ、人間の中にも様々な酔っぱらい方をする人がいるように、猫のマタタビに対する反応もさまざま。中には普段とは違う一面を見せるようになる猫もいます。
マタタビを与えることで、思わぬトラブルにつながってしまうこともあるので、与えるときは注意深く見守り、適量を意識するようにしてくださいね。