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2024.08.22
猫の口内炎、注意するべきポイントと役立つ成分[獣医師コラム]
急に猫が食事を食べなくなってしまった…。そんな時、もしかすると原因は口内炎にあるかもしれません。人間でも口の中の違和感が気になったり、物を食べるとしみたり。できてしまうと、ブルーな気分になるという方も多いのではないでしょうか。
猫の口内炎は、人間のそれ以上に厄介な存在と言えます。
猫たちの口内炎は深刻な病気に結び付く可能性があるのです。
そこで今回は、猫の口内炎に注目。
口内炎に悩む猫たちのケアや、注意すべきポイントをまとめました。
また、口内炎の症状を和らげるために役立つサプリメントとその成分についても紹介します。
猫の口内炎に関するよくある質問とその回答もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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tamaの獣医さん 菱沼獣医師
獣医学部を卒業後、動物病院での臨床・栄養指導を経験した後に公的機関で獣医師として勤務。現在はtamaのアドバイザー、商品開発などに携わる。中型犬、小型犬と一緒に暮らしていますが、猫のことも大好きです
猫の口内炎とは?その原因と症状
口内炎とは、口の中の粘膜などのやわらかい部分に起こる炎症です。
猫の場合は歯肉(歯ぐき)にも炎症が起こるため、歯肉口内炎と呼ばれることもあります。
口内炎、と聞くと「ちょっと体調が悪い時にできる」とか「偏食が原因でなってしまった」という身近なトラブルというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
ところが、猫が口内炎になるメカニズムは、まだ完全には解明されていません。
猫の口内炎はがくっと食欲を失わせてしまうだけではなく、よだれが止まらなくなったり、出血が見られる、口臭がきつくなるなどのさまざまな症状が見られます。
酷い時には他の病気の合併症として見られているケースもあり、人間と同じように「ちょっと様子をみれば良くなるかも」とはいかないケースもあります。
歯垢や歯石にかかわる口の中の細菌、猫カリシウイルス、猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスなどのウイルス感染、そして、猫の個体ごとの免疫力の程度などが口内炎の発症に関係していると考えられています。
健康的な猫では、口の中は外界からの微生物や細菌が侵入しやすい条件のため、免疫機能がこれを防御しています。しかし、その免疫機能がうまく働かなかったり、機能が落ちているときに口の中に炎症や潰瘍ができやすいとされています。
ウイルス性感染症や細菌感染症の猫では多く見られる病気のひとつになっています。
■ 猫の口内炎の症状
猫が口内炎になると、唾液の量が多くなり、激しい口臭が出るようになります。
また、口内の痛みによって食欲不振に陥ることも多いです。お気に入りの食事でも口をつけなかったり、柔らかいものしか食べなくなることもサインといわれています。
食欲が急激に低下した状態が続くと、体力も低下しやすくなります。ウイルス性の感染症などと闘病している猫たちにとっては、体力の低下はなるべく避けたいもの。猫の口元が塗れていたり、食欲が低下する、口臭が強くなるなどの異変を感じたら速やかに動物病院を受診することをオススメします。
獣医師が教える!猫の口内炎に注意するべきポイント
猫の口内炎は、人間のものよりも厄介で、ウイルスと関係があることも多く、治療には時間がかかります。再発する可能性が高いため、一度はよくなったと思ってもまたぶり返してしまうことも少なくありません。
また、感染症や免疫系の疾患が原因となっている場合はそちらの治療と合わせて治療を進めていく必要がありますので、やはり治療には時間が必要です。
繰り返しになってしまいますが、猫の口内炎の原因と深く関係しているのが、細菌やウイルスと戦う免疫系の健康維持と、口腔内に存在している細菌のバランスを健康的な状態に維持することの2つです。
口内炎にかかったことがある猫に、再発を予防する目的でも、口内炎が心配な猫への今後の備えとしても、免疫系と口腔内環境の両方をサポートしていくことがとても重要になってきます。
猫の口内炎にも役立つサプリメント
■グロビゲンPG
グロピゲンPGに含まれる「γ-リベチン」という成分が、口腔内で繁殖した一部の菌が分泌する毒素を無毒化することによって炎症を抑える働きがあるといわれています。おもに歯周病対策として用いられる成分ではありますが、炎症を抑える働きは歯周病だけではなく口内炎にも役立ちます。
口腔内の細菌のバランスを維持し、健康的な状態を維持したい時にはラクトフェリン、グロビゲンPGをどちらもバランスよく取り入れていくことがオススメです。
口内の最近バランスを整え、健康的な免疫機能の維持にも役立ちます
tama たまサプリ デンタルケア
●原材料
グロビゲンPG(卵黄由来) ラクトバチルス・クリスパタス(乳酸菌類) ラクトフェリン γ-PGA(ポリペプチド類) ポリフェノール(緑茶、甜茶) ビタミンC 天然香味料(チキン、ポーク) デキストリン ステアリン酸カルシウム
●分析値
タンパク質 2%以上 脂質 3%以上 粗繊維 0.5%以下 灰分 1%以下 水分 8%以下
○代謝カロリー 300kcal/100g
●原産国:日本
口内炎に関するよくある質問とその回答
Q:猫の口内炎は他の猫にうつりますか?
A:猫の口内炎自体は感染しませんが、口内炎の原因となるウイルスや細菌は他の猫にうつる可能性があります。
特に多頭飼いの場合は、感染予防のために注意が必要です。
ウイルス性の口内炎や感染症になっている猫と、ほかの猫はなるべく接触機会を減らし、どちらも免疫系のサポートを行っていくことが重要です。
Q:猫の口内炎を予防する方法はありますか?
A:予防には、定期的な歯磨きや口腔ケアによって口内の免疫機能を維持することが効果的です。
健康的な食事やサプリメントの使用も口内炎の予防に役立ちます。
また、猫エイズウイルスなどの感染が分かっている猫の場合は、体力が低下する前に異変に気が付いてケアを行っていくことが重要です。
そのほかにも、猫がストレスを過剰にためないように配慮する、体力が落ちやすい季節の変わり目の体調には気を付けることなども効果的です。
Q:猫の口内炎が治らない場合はどうすればいいですか?
A:口内炎が治らない場合は、獣医師に相談してさらなる検査や治療を受けることが必要です。
口内炎は歯周病とも関連があるといわれていますので、そういったアプローチが効果的な場合もあります。
おわりに
猫の口内炎は、猫にとって非常に辛い症状であり、飼い主としても心配な問題です。しかし、適切なケアと予防策を講じることで、猫の健康を守ることができます。定期的な口腔ケアや健康的な食事、サプリメントの使用は、口内炎の予防に大いに役立ちます。また、異変を感じたら早めに獣医師に相談することが重要です。猫の健康を第一に考え、日々のケアを怠らないようにしましょう。この記事が、猫の口内炎に関する理解を深め、適切な対策を講じる一助となれば幸いです。