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2024.07.18

猫のサプリメントと薬の違いは?目的・使い方について知ろう[#猫研究所]!

猫のサプリメントと薬の違いは?目的・使い方について知ろう[#猫研究所]!

猫の健康維持に役立つアイテムとして、「サプリメント」がありますよね。ランナップが豊富で、不足しがちな栄養や役立つ成分を取り入れる際などに使用されます。

同じように猫の健康上の悩みに合わせて選ぶものに「薬」がありますが、サプリメントと薬にはどんな違いがあるのでしょうか?
なんとなく、違いがあることは分かるけれど、薬に使用されている成分が含まれているサプリメントも存在していたりして、混乱しやすいのも事実です。

そこで今回は、猫のサプリメントと薬の違いをまとめ、それぞれの目的と使い方についてご紹介します。
サプリメントの選び方や薬との違いを知ることで、「こんな時はサプリメント?病院で相談?」と悩んだ時の助けになるかもしれません。

猫のサプリメントと薬の違いとは?基本を押さえよう

■薬について知ろう

薬(医薬品)は、病気の治療や予防を目的とし、効果や安全性が科学的に証明されているものを指します。
医薬品に使用される成分については厚生労働省によってリスト(医薬品成分リスト)が作成されていて、それに基づき厳格に管理されており、動物用の医薬品の製造・販売には農水省の承認が必要です。

医薬品成分リストに掲載されているものは、解熱鎮痛消炎剤、ホルモン、抗生物質、消化酵素など、もっぱら医薬品として使用されてきたもののほかに、毒性が強いもの、麻薬等の作用があるもの、要指示医薬品相当成分などが含まれます。
病気の症状の解消や緩和が目的となっています。
原則としてこれらの成分は、一般的に獣医師のみが入手できるよう流通ルートに制限がかかっていることがほとんどです。

ただし、このリストに載っている成分であっても特定の条件下で薬理作用が認められない場合は、量を規制したうえで食品添加物として使用されることもあります。

 

■サプリメントってどんなもの?

サプリメントは、栄養補助食品や健康補助食品と呼ばれることも多いです。
健康の維持や栄養補給を目的とする食品の一種とされていて、一般に、ビタミンやミネラル、アミノ酸などが含まれており、健康をサポートするために使用されます。
基本的にはサプリメントはあくまで食事を補助する目的で用いられるもので、医薬品のような「〇〇に効果がある」といった表記や「こんな症状の緩和に」と言った形の表記はできません。
基本的には、サプリメントは厚生労働省や農水省による認可は必要ありませんが、ペットフード安全法に準じ、効果効能が実証された成分が含まれているものもあります。

 

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

サプリメントはいわゆるキャットフードと同じグループなのでありますか!?

ランラン先生

ランラン先生

むしろ、薬として使用される成分が農水省の法律などのルールで特別に管理されているという考え方の方が近いと思います。

ゴロー

ゴロー

目的や購入経路が全く違うのでありますね~。これも安全のためであります!

薬は基本的に動物病院で処方されるもの

薬は原則獣医師だけが処方することができるもので、病気や症状を改善する目的で使用されるものです。
また、成分によっては強い副作用を持つものや、正しい使い方をしなければ体調を崩してしまうものも少なくありません。
そのため、動物病院で処方される薬は獣医師が猫の体調や体質、体重などをチェックしたうえで成分の量などを指定して処方しています。(だから同じ症状が出たからと言ってほかの猫の薬をそのまま与えたりすることはできません)

基本的に、動物病院で指導された通りの使い方を守ることが大前提となります。
処方された薬は基本的に、しっかりと使い切ることが想定されています。

DOG's TALK

ムー

ムー

ムーも動物病院で定期的にお薬をもらっているんだけど、定期的に検査を受けているのはこういった理由があったのね。

ランラン先生

ランラン先生

そうですね、体調の変化や体重などの変化に合わせて薬の量や種類を変える必要があるケースも少なくないので、何かしらの理由で投薬をやめたり、別の薬を使用する際には動物病院で相談するようにしてください。

サプリメントのメリットと注意点

サプリメントの最大のメリットは、猫の健康維持に役立つ成分を手軽に取り入れることができること。
動物病院での処方が必要となる薬と違い、サプリメントはペットショップなどでも手に入れることができます。
もちろん、サプリメントは健康的な状態の維持を目的として自主的に与える「食品」の一種であり、病気や怪我の治療の目的では使用されることは想定されていません。

しかし、サプリメントの中には医薬品に使用されるものと変わらない成分が含まれることもあります。
「それなら薬の代わりに使用することもできるのでは?」と考えてしまいがちですが、サプリメントは、その効果や作用が保証されていませんから、薬と同じような使い方はできません。

 

DOG's TALK

ナナ

ナナ

サプリメントは治療目的じゃないなら、どういう時に選ぶのが良いの~?

ランラン先生

ランラン先生

そうですね、現在健康的な猫が、これからも元気でいるために栄養を取り入れたいときなどが対象になるでしょうか。具体的にはシニアに備えたり、寒い時期に増えるおしっこトラブルに備える、引っ越しが控えていてストレスがかかる場面に備えるなど……いろいろなパターンがあると思います。

猫にサプリメントを与える前に!チェックポイント

■ 猫にサプリメントを与える前のチェックポイント

・健康上のお悩みは何ですか?
…気になるお悩みはどんなものですか?複数気になっていることがある場合は、優先順位を決めておくのがオススメです。



・治療中の病気はありませんか?
…投薬中の猫にサプリメントを与える際には注意が必要です。動物病院で与える前に相談すると安心です。また、療法食を与えている場合もサプリメントが影響する可能性があるので、注意が必要です。



・健康維持を目的に続けることができますか?
…サプリメントは健康維持を目的に使用します。医薬品とは異なり、特定の症状などがすぐに改善されるようなものではありません。継続的にしようすることで健康維持を目的にしています。

薬は効き目が強く、サプリメントは働きが緩やか、といわれることがありますが、必ずしもそうとは限りません。
サプリメントを使用する際には薬のような処方箋が必要なく、手軽に買えてしまうからこそ、正しい使用法を守ることが大切です。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

サプリメントを使う時は、猫の現在の体調をしっかり把握することが大切です。判断が難しかったり、気になることがある場合は、動物病院で相談するのが一番です。

おわりに

猫の健康を守るためには、サプリメントと薬の違いを理解し、適切に使い分けることが重要です。薬は病気の治療や予防を目的とし、効果や安全性が科学的に証明されています。
基本的に獣医師によって処方され、使用方法や量が厳格に管理されます。

一方、サプリメントは健康維持や栄養補給を目的とした栄養補助食品です。
サプリメントは手軽に購入できる反面、使用の目的は健康維持がメインで、薬効などは保証されていません。
サプリメントを使用する際は、過剰摂取や誤った使用を避け、必要に応じて獣医師に相談しましょう。薬とサプリメントを適切に使い分け、猫の健康をサポートしてください。