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2024.07.11

猫の健康と気温の関係。夏の体調管理で気になることをまとめました

猫の健康と気温の関係。夏の体調管理で気になることをまとめました

猫の健康と気温には深い関係があります。
気温によって、さまざまな体調の変化が見られる猫たちですが、今回は夏の間に猫の体で起こる変化に注目して記事をお届けします。
夏の暑さが猫に与える影響とその仕組み、暑い時期にとくに注意したいポイントをまとめてみました。

猫は季節ごとに食欲に変化が出ます

猫にとってもやはり夏は涼しい場所で過ごしたくなるもののようで、家族との距離も開きがちかもしれません。
一緒に過ごしている間、少し離れた涼しい場所で猫がのんびりとくつろいでいる姿を見かけることも多いはず。

そんな行動の変化以外にも、猫の体内では気温によってさまざまな変化が起こっています。
まず、夏になると食欲が落ち込むという猫が多いと思いますが、これも気温の影響による部分もあります。

寒い時期には、猫たちも体温を維持するためにより多くのエネルギーが必要になりますが、気温が高く体温との差が小さくなると、体温を維持するのに必要なエネルギー量が小さくなります。
そのため、夏の間とそれ以外の季節を比較したとき、食欲が減少していたとしても自然なことと言えます。

それから、暑さのために運動量が低下しやすいのも夏の間によく見られる変化ですので、こういった要素も加わることで食欲が落ち込みやすい傾向にあるようです。

夏になって食が細くなってしまった、と心配される方も多いですが、ある程度は自然な反応と言えます。急激に痩せてしまい、ぐったりしていたり、嘔吐が見られるなどのほかにも気になることが出てきたら、動物病院で相談してみてくださいね。

 

異例の暑さ猫の熱中症には注意を!

今年も猛烈な暑さが日本列島を襲うという見込みになっているそうです。これからの時期、注意が必要なのがやはり「熱中症」です。

熱中症は、高温多湿な環境に長時間晒されることで体温が上昇し、高体温及び脱水によって起こる病気です。
また、体温を発散する機能が低下している場合や、過度な運動によっても起こりうる全身に症状が現れます。

熱中症の恐ろしいところは、家族が「おかしい」と感じたときにはすでに熱中症による影響が進行していて、手遅れになってしまうこともあるところ。
また、一度の治療ですぐに回復するようなものではなく、治療や特別な処置が継続的に必要になるというケースもあります。

猫も人間同様に高温になった室内で長時間過ごすと熱中症になります。猫が快適に過ごせる室温の目安は25℃前後といわれていますが、室温管理にはちょっとしたコツがあります。
それは、猫は自分の快適な温度や過ごしやすい場所を自ら見つけることができる動物だということを踏まえて、温度を設定することです。

暑いな、と感じたら少しでも涼しい場所を探しますし、寒いと感じたら日の当たる窓辺で過ごすなどしています。
猫だって、ずっとエアコンの効いた部屋で過ごすと体が冷えてしまいますから、時々日なたで体を温めたりして体温を調整する必要があります。

複数の部屋がある家なら、一つの部屋に冷房をつけたら、ほかの部屋は冷房を切るなどして、猫が自由に涼しい場所とそうでない場所を行き来できれば、猫もストレスなく過ごせるはずです。

 

季節に合わせて食事を変えるべき?

では、夏に合わせてキャットフードを変更する必要はあるのでしょうか?
これは、猫の体調を見て判断する必要があると思います。

食事を残すようになったり、食が細くなったとしても、猫が元気に過ごしているようであれば、基本的には食事の内容を変更したり量を増やす必要はないと思います。
ただ、体重が減ってしまっていたり、まったく食事に口を付けないような状態が続いているようであれば、少しでも興味を持ってくれそうなウェットフードを試してみるのも良いと思います。

夏の期間は暑さのために運動量が減る猫も多いので、涼しい部屋で意識的に遊びを取り入れたり、キャットタワーなどで運動をさせてみることで、お腹が減り、食べるようになる子もいます。

おわりに

暑い夏は猫の体にもさまざまな影響を与えます。
気温が上昇すると食欲が減少し、運動量も低下する傾向がありますが、これはある意味自然なこと。
注意が必要なのは、食欲が落ち込む以外にも気になることがないかという点になるかと思います。
また、命にかかわる熱中症を防ぐために室温管理を適切に行い、猫が快適に過ごせる環境を整えましょう。
また、食事の変化に注意を払い、必要に応じてウェットフードを試すなどの工夫を取り入れると良いでしょう。猫の健康を守るために、夏の特有の体調変化に注意を払い、適切な対応を心がけてください。