- コラム
- スタッフコラム
2023.11.16
猫にとって歯磨きは健康寿命を延ばす重要ケア!長く続けるのにオススメのアイテムまとめました
私たちが日常的にしている「歯磨き」は、猫にとっても健康寿命を延ばすために重要なケア。猫たちの健康維持と歯磨きにはどのような関係があるのか、改めてまとめてみました。
また、猫の歯磨きは一回やったら良いというものではなく、継続して続けていくことが大切。このことを踏まえて、オススメのアイテムをピックアップしましたので、ぜひ猫の健康維持にお役立てください。
猫の歯磨きと健康寿命
猫の健康寿命に歯磨きが関係する大きな理由は、猫の歯周病にあります。
猫の歯周病は、歯の根元を覆う歯肉(歯ぐき)や周辺の組織の炎症を中心として、それに関連するさまざまなトラブルのこと。
最初は歯とその周囲だけだった症状が、徐々に全身に影響がみられるようになっていくのが特徴です。一見、関係がなさそうな病気でも、実は歯周病が原因になっていた…ということも良くあります。
歯周病が関係する病気には、以下のようなものがあります。
・歯の根元、顎に膿が溜まり痛みが出る(歯根膿瘍)
・顎の骨の骨折
・心臓病、腎臓病など
心臓病や腎臓病などは、歯周病の原因となる菌が作る毒素が血液に入り込み、これらの臓器まで回ってしまうことで発生するリスクが高くなることが分かっています。
猫は高齢になると腎臓の機能が低下することが多いので、高齢猫にとっては歯周病が腎臓の負担を大きくしていることも考えられます。
もちろん、歯周病そのものの症状で、歯や口の中の痛みや違和感などで食欲が低下することもよくあるので、体力の低下にもつながります。
■歯周病を予防する歯磨き
厄介な歯周病を予防するための方法は、やはりこまめな歯磨き。
食後、猫の歯にこびりついた食べかすをエサに、細菌が塊になります。これを歯垢と呼びますが、これが唾液に含まれるミネラル分などと結合して固い歯石を作ります。
この歯石を放置しておくと、口内細菌が歯垢をエサとして毒素を分泌するようになり、さまざまな症状を起こすようになります。
基本的に、歯石はほとんどの猫についていると考えて良いと思いますが、動物病院で除去することも可能です。
ただし、歯石のついている度合いによっては、動物病院で全身麻酔をしての処置が必要になることもあり、重症の場合には抜歯が必要なケースもあります。
特に高齢の猫や持病がある猫は、麻酔そのもののリスクも考慮して治療が難しくなることも多いので、なるべく歯石がつかないよう、歯磨き習慣をつけていくことが大切です。
猫の歯周病を防ぐことができれば、猫がどれだけ長く元気で過ごすことができるか=健康寿命を延ばすことに確実につながっていきます。
猫の歯磨きを成功させるコツ&ポイント
とはいえ、猫に歯磨きをさせるというのは一筋縄ではいかないことが多いと思います。
猫にとって口の中に指や物を入れられるというのは怖いことです。だから、練習が必要になると思います。
無理やり押さえつけて口の中に歯ブラシを入れるようなことはなるべくせず、少しずつ猫の恐怖心を和らげていくようなイメージで少しずつ慣れさせていきましょう。
■【ステップ1】口周りを触られることに慣らす
感覚器であるヒゲが密集している口周りは、猫にとってできるだけ触ってほしくない場所です。そのため、まずは顔や口周りを触られることに慣らすことから始めましょう。
寝起きやひなたぼっこ中など、猫がリラックスしている時に、頬をマッサージするように優しく撫で、少しずつ口元に手を近づけていきます。
■【ステップ2】口の中に指を入れる
口周りをなでることに慣れてきたら、口の横側からそっと指を入れ、奥歯や歯茎に触れてみましょう。
もし少しでも嫌がるそぶりがあれば、ペースト状のおやつなどを指に塗って口の中を触るのも効果的です。
■【ステップ3】歯磨き効果のあるサプリメントを指で塗る
口の中を触られることに慣れてきたら、猫用の歯磨きサプリ面とを指に取り、猫の歯に塗ってみます。猫用のものなら、猫が好きな風味のものが多いためそれほど抵抗しないはずです。
■【ステップ4】歯ブラシに慣れさせる
まずは歯ブラシに対する警戒心を解いてもらうことが大切です。
ペースト状のおやつや缶詰の汁などを歯ブラシにつけて、そっと猫に近づけてみましょう。抵抗がないようなら、何日かかけて徐々に歯ブラシを猫の口の中へ入れていきます。
口をなかなか開けてくれない場合は、口の横側の隙間から歯ブラシを差し込んでみてください。奥歯を磨いているうちに歯ブラシに慣れ、そのうち口を開けてくれるようになります。
■ 歯磨きする際の注意点
どんな猫でも最初は歯磨きを嫌がることが多いです。比較的若い猫なら順応も早いのですが、大人の猫、特に高齢の猫に歯磨きをしようとしても、苦労することが多いです。
やはり若いうちから慣れさせておくことができればベストなのですが、お迎えのタイミングなどでそれができなかった場合は、歯ブラシを使わなくてもできる「デンタルケアアイテム」で代用するのがオススメです。
口の中を見ることができなかったり、気になる部分の歯垢を落とすなどできないかわりに、猫のストレスを軽減することができるので、柔軟に使い分けてみてください。
デンタルケアを続けるのに役立つアイテムピックアップ
猫のデンタルケアには、サプリメントを使う方法もあります。猫の性格や特徴によって合っているものはそれぞれ異なります。
使い方色々!パウダータイプ
tama たまサプリ デンタルケア
●原材料
グロビゲンPG(卵黄由来) ラクトバチルス・クリスパタス(乳酸菌類) ラクトフェリン γ-PGA(ポリペプチド類) ポリフェノール(緑茶、甜茶) ビタミンC 天然香味料(チキン、ポーク) デキストリン ステアリン酸カルシウム
●分析値
タンパク質 2%以上 脂質 3%以上 粗繊維 0.5%以下 灰分 1%以下 水分 8%以下
○代謝カロリー 300kcal/100g
●原産国:日本
たまサプリ デンタルケアは、その名の通りのデンタルケアサプリメント。歯周病菌の出す毒素を中和できるグロビゲンPGをはじめとして、乳酸菌類、ラクトフェリン、ポリフェノールなど、デンタルケアの有用成分をたっぷり配合。いずれも天然由来の成分の組み合わせで作っています。
こちらの特長はパウダータイプなので、色々な使い方ができること。
猫の普段の食事にサラサラッと振りかけたり、少し水を加えてペースト状にして歯磨き粉のように使ったり。猫も嫌がらない風味なので、無理なく続けられます。
実際に保護猫出身の猫や、高齢の猫には食事に振りかけて与えているという方のレビューも多く届いています。
スプレー&スポイト、選べる使い方
次にご紹介するのは、液体タイプのデンタルケア。
歯ブラシが苦手な子にオススメの液体歯磨きサプリメントです。
使い方はとっても簡単。猫の口の中や歯の表面にシュッとスプレーorスポイトで垂らすだけ。
無味無臭なので不快感もありません。
歯ブラシや歯ブラシシートを使う前にシュッとするのはもちろん、指に出して歯茎マッサージする際にも使えます。
ちょっとお得な詰め替えボトル(スプレーノズル、スポイトが付属していません)も発売中で、続けやすさがアップしました。
猫にも使える、柔らか歯ブラシ
360°ハブラシ シグワン
●原産国:日本
●素材:柄=PET樹脂 毛=ナイロン
●サイズ
M:全長約17cm(ブラシ部分約1.5cm) ブラシ直径約12.7mm
S:全長14.5cm(ブラシ部分 約1.2cm) ブラシ直径11.7mm
XS:全長14.0cm(ブラシ部分 約1.2cm) ブラシ直径10.7mm
◇毛のかたさ:やわらかめ
◇耐熱温度:60度
犬用の歯ブラシですが、猫にも使用できます。オススメのサイズはXSサイズ。口が小さめの子でも使いやすいやわらかな360°ブラシヘッドの歯ブラシです。
猫は繊細な子が多いので、柔らかめの歯ブラシがオススメです。
■ 歯磨きオヤツは歯磨きの代わり?
最近は猫用のデンタルケアオヤツも種類が豊富になりました。これらのデンタルオヤツは歯磨きの代わりになるのか、という質問をいただくことがあります。
効果だけを言うなら、やはり猫の口の中に歯ブラシを入れて、汚れ具合や炎症の有無などを確認しながら行う歯ブラシの方が圧倒的で、次にサプリメントなどの使用です。オヤツは歯磨きの代わりにはなれないと思います。
ですが、デンタルケアオヤツ、歯磨きオヤツに全く効果がないという訳ではありません。中には口内環境を整えるのに役立つ成分を配合したものや、唾液の分泌量を増やし、健康的な口内環境を維持するサポートにつながるものなどもあります。
考え方としては、猫の口内環境の健康維持のサポートとしてなら、こういったオヤツは与える意味があります。デンタルケアオヤツ、歯磨きオヤツと呼ばれるものを選ぶなら、どのような成分が使用されているのかをチェックしてみてください。
それに、さまざまな理由で歯磨きが難しい子の場合は、こういったオヤツを与えることが歯周病などの予防策になります。
おわりに
今回は猫のデンタルケア、歯磨きの大切さとオススメアイテムについてご紹介しました。猫にとっても、歯磨きはとても大切なこと。継続していくことで、猫が健やかで元気に過ごす期間を示す「健康寿命」を大きく伸ばすことにつながります。
慣れてくれるまでは本当に大変だと思いますが、なるべくコツコツと続けていくことで、猫の健康維持に結び付きます。
なかなかうまくできない時は、食事に振りかけるタイプや飲み水に入れるタイプのケアアイテムなども取り入れながら、継続できそうな形を模索してみてください。