- コラム
- スタッフコラム
2023.07.06
猫の目元が汚れている、これって涙焼け?原因を調べてみました。
ふと気が付くと、猫の目の周りに茶色っぽかったり、赤っぽい汚れやシミが出ていることがあるかもしれません。白っぽい被毛の子だと汚れが目立ち、気になっていたという方がいるかもしれませんね。
猫の目元の汚れは、「涙焼け」の可能性があります。
猫に涙焼けができる仕組みや、対処法についても調べてみました。猫の目元が気になっていた、という方はぜひ一度チェックしてみてください。
猫の涙焼けとは?
猫の涙やけは、目から過剰に分泌された涙が溢れて、雑菌が繁殖してしまうことで引き起こされています。実は涙には水分だけではなく、タンパク質やミネラルなど、雑菌の栄養となる成分がたくさん含まれています。これらの成分をエサとして、繁殖した雑菌が分泌した成分が、赤黒い汚れや茶色っぽい汚れとして見えるようになるのです。
そのため、猫の涙が流れても雑菌が繁殖する前に猫がグルーミングで拭き取ったり、乾いてしまえば涙焼けになることはありません。
普段から猫の目元が濡れていることが多かったりするようであれば、要注意。雑菌が繁殖して目元の色を変えてしまうかもしれません。
■なぜ猫の涙があふれるの?
猫は感動したり悲しいときに涙を流す生き物ではありません。
生理的に猫の大きな目を保護したり、表面についた汚れなどを落とすために猫は涙を流しています。適量の涙は猫の健康維持のために必要なものなのです。
猫は涙を排出するために、鼻に向かって涙を流す鼻涙管という細い管を持っています。涙が本来必要な量より余分に分泌されたり、鼻涙管がつまってしまうと、この鼻涙管で流すことが出来る限界を超えて、目から溢れます。
猫の涙があふれてしまう理由
・目の中に被毛が入っている
長毛の猫などの場合は、伸びた毛が目の中に入ってしまい、刺激によって過剰に涙が出ている可能性があります。また、逆さまつげなどによって涙が出やすくなっているケースもあります。
・短頭種の猫の場合
短頭種の猫は鼻が低く、大きな目をしているので、まつげや被毛が目に入りやすいだけではなく、遺伝的に鼻涙管で排出することができる涙の量が少ない傾向にあります。鼻が低い(マズルが短い)タイプの猫(ペルシャ、エキゾチックショートヘアなど)と暮らしている方は目元の状態をチェックしてみることがお勧めです。
・目や目元の外傷
猫は大きな目を持っていますが、それだけにぶつかったりほかの猫との争いの中で目や目元を怪我してしまうリスクも抱えています。
とくに同居猫がいる場合は、猫の目元が濡れていたら目元のケガの可能性がありますので、よく観察してあげてください。
・その他の体質的な問題
涙が多く出てしまう猫の場合、体質的なものが原因となっている場合が多く、涙の量を減らすことはなかなか難しい面があります。ハウスダストや花粉などが原因で涙の量が増えている場合は、掃除をこまめに行い、衛生環境を整えることで軽くなることがあります。
猫の涙焼けは食事が原因って本当?
フードを変えたら涙焼けが良くなった、という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。実際のところ、猫の食事と涙焼けに関係があるのかというと「関係ある場合も、関係ない場合もある」ので、断言は難しいです。
キャットフードが原因と指摘される際に、食物アレルギーの可能性を指摘するメディアも多いのですが、猫の食物アレルギーでは涙が増えるよりも下痢や軟便といった形で症状が出ることの方が多いようです。
一方、食事の栄養バランスがその子には合っておらず、涙に含まれる成分に変化をもたらした結果、同じ量の涙が出ても雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまう、ということはあるようです。
実際、tamaのスタッフ猫の中にはひどい涙焼けに悩んでいた子もいるのですが、フードを変更したことで涙焼けが落ち着いたという事例がありました。
特定の食品に対してアレルギーがあるという子ではありませんので、おそらくはその子の涙に含まれる成分に何かしらの変化が見られたのだと思います。
ちなみに、同じ食事を食べていた兄弟猫、同居猫たちに涙の量が増えたり、涙焼けが見られたりといった様子は見られず、やはり適したキャットフードは猫それぞれ…というよりなさそうです。
もしかしたら感染症かも 白~黄色っぽい涙
人間では、目の感染症がありますよね。代表的なものだとプールの時期などに流行しやすい結膜炎などがありますが、猫にも結膜炎などの感染症が存在しています。
結膜炎になった猫は、白~黄色がかった目ヤニが多く出るようになったり、涙が止まらなくなるといったこともあり、顔周りに汚れがみられるようになります。
また、猫の結膜炎は子猫に多く見られる「猫風邪」の症状としても見られることがあります。猫風邪は免疫系の低下が原因の一つとなっていますが、結膜炎も同様に免疫機能が低下しているとかかりやすくなります。
人間と同じく、しっかりと栄養のある食事を食べて、安心できるストレスのない環境で過ごすことが大切です。
症状が出た場合は、動物病院で診断を受けて、処方された目薬や抗生物質などを続けるようにしましょう。
猫の結膜炎は移ってしまうことがあるので、他の猫との接触を避ける必要があります。多頭飼育をしている家族では、特に注意が必要です。猫の目に変化が見られたら速やかに動物病院に相談してみてください。
おわりに
猫に時々見られる涙焼けについてご紹介いたしました。
tamaのスタッフ同士でも話題になったのですが、やはり白っぽい被毛の子だと人相(猫相?)も違って見えるなど、気になることが多い一方、茶色や黒系の被毛の猫だと目元の汚れに気が付きにくいケースが多いです。
普段から目元だけに限らず、猫の体のさまざまな部分をチェックしてみるのが大切。猫の健康維持のためにも、日ごろのコミュニケーションを重視していきたいですね。