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2023.03.09
猫の換毛期がやって来る。知っておきたい換毛期に役立つ栄養素
暖かくなり、過ごしやすい季節がやってきますね。
季節の変わり目になると、増えてくるのが猫の抜け毛。季節に合わせて猫たちも衣替えのように換毛期に入ります。
猫たちの全身の毛が少しずつ入れ替わる換毛期には、私たち家族はどんなことを気を付けてあげるべきなのでしょうか?ブラッシングや皮膚や被毛のチェック以外にも、食事面で猫の体調管理を意識してフード選びなどを行うために、知っておきたい栄養素を改めてまとめてみました。
換毛期の猫に多くなるトラブルを見てみよう
換毛期に入った猫たちには、以下のようなトラブルが多く見られるようになります。
■お腹の中に抜け毛(老廃毛)が固まるヘアボール(毛玉)
換毛期に入った猫たちは、抜け毛の量が多くなります。猫たち自身はキレイ好きなので自分の体を舐めて抜けた毛を取り除く、グルーミングを行いますが、その際に抜け毛を飲み込みます。
健康的な猫であれば、飲み込んでしまった毛はウンチと一緒に排出されたり、猫自身が毛玉として吐き出すことで定期的に排出されています。しかし、換毛期となると普段より多くの毛が抜けることになります。
ウンチを排出する力が衰えた高齢の猫や長毛種の猫では、大量の抜け毛がお腹の中で固まってしまうことも。お腹に違和感があるために、食欲が低下したりウンチが出にくくなることで気が付くことが多いようです。
酷いケースでは手術が必要になることもあるようですので、注意したいトラブルのひとつになります。
■被毛が抜ける、パサパサになる
一度にたくさんの毛が抜け変わる換毛期。そのタイミングで被毛が抜けたりパサつくようになるなど、被毛に異常が出るケースもあります。
猫の被毛はケラチンと呼ばれるタンパク質でできていますが、そのケラチンを合成することが十分にできていなかったりすると、被毛トラブルにつながることも。
そんな時には被毛を美しく維持するのに必要な栄養素をバランスよくとれているかを確認してみてください。(被毛の維持に関する栄養素についてはこれから詳しくご紹介いたします)
普段の食事はきちんと食べられているか、オヤツばかりを食べて偏った食事になっていないかなどもチェックポイントです。
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猫の皮膚や被毛などのトラブルは、ブラッシングをしているうちに気が付くことが多いです。抜け毛を取り除く目的だけではなく、猫の健康チェックもするつもりで触れたり、毛を掻き分けて状態を確認していきましょう。
ブラッシングは猫とのコミュニケーションでもありますから、猫が嫌がる素振りを見せたらいったん休憩。少しずつでも構いませんので、こまめにチェックをしてみてくださいね。
食物繊維でヘアボール対策を始めよう
換毛期にたくさんの毛が抜けた猫は、お腹の中で毛が固まってしまうヘアボールができてしまうことがあります。ヘアボールができたことで起こるさまざまな体調不良は、毛球症(もうきゅうしょう)と呼ばれることもあります。
このヘアボールができてしまう原因の一つになっているのが、猫の便秘です。消化器の動きが悪くなり、お腹の中で老廃毛をウンチとして排出できなくなってしまうと、ヘアボールがよりできやすくなってしまいます。また、逆にヘアボールが原因で便秘を起こすこともあり、便秘とヘアボールは切っても切れない関係にあるのです。
そこで、意識したい栄養素が食物繊維。食物繊維のなかには、腸を刺激したり、抜け毛を絡め取りウンチとしてまとめてくれる「不溶性食物繊維」のほか、腸内環境を整えてしっかりウンチを出させる「水溶性食物繊維」があります。
換毛期の時期には、この両方をバランスよくと入り入れて、抜け毛をウンチとして排出させるサポートを行うことができるヘアボール対策用フードを取り入れる方も多いです。
■ こちらもオススメ「猫草」
体を舐めた時に胃たまっていく毛玉(ヘアボール)を、上手に吐き出すために猫は草を食べたがることがあります。そんな時に役立つのが、猫草!
猫草を猫が食べてしばらくすると、毛玉を吐き出していることもしばしば…。
どうやら、胃がムカムかした時などにも本能的に口にするようです。
特に抜け毛の多い換毛期には、たくさんの毛が胃にたまりがち。猫たちも違和感を感じて猫草を食べたくなるようですから、季節の変わり目に猫草を用意してみてはいかがでしょうか?
美しい被毛を保つために良質なタンパク質+αを摂取しよう
換毛期に被毛が抜けすぎたり、パサつきが気になるようであれば、栄養バランスを再チェック。
猫の被毛に関係する栄養の中では、以下の成分が被毛や皮膚の健康に関係しているといわれます。
・アミノ酸
・脂質
・ビタミン類
・ミネラル類
細胞の基本的な材料となるアミノ酸、被毛にツヤを出し皮膚のバリア機能の維持に必要な脂質、被毛を維持するのに必要な亜鉛などの栄養がとくに重要。
総合栄養食を食べていれば、不足することはあまりないのですが、食が細い猫や体調を崩している猫、高齢猫は十分な食事の量を食べられているか、確認してみてください。
また、オヤツや間食などが多くなり、主食となるキャットフードを食べなくなっている場合も栄養バランスが崩れていることも。
手作り食などでは、栄養バランスの調整が難しいことも多いので、亜鉛などが不足しやすい傾向にあります。必要であれば、サプリメントなどを活用して栄養バランスを整えてみてくださいね。
スムーズな排便&皮膚の健康維持に役立つオイルを取り入れよう
オイルも換毛期にぜひ意識したい栄養のひとつ。脂質は被毛や皮膚の保護に必須の栄養素です。不足すると皮膚のバリア機能が低下し、僅かな刺激であってもかゆみや脱毛などが発生しやすくなります。
皮膚や被毛の健康維持にとくにオススメなのがオメガ3脂肪酸の中のEPAです。EPAには抗炎症作用があり、皮膚のかゆみや赤みなどが気になる時にぜひ取り入れたい栄養素。適量を取り入れることで被毛のツヤにもつながります。
それから、適度に脂質を取り入れることはスムーズな排便のサポートにもなります。ウンチをつるんと排出しやすくしてくれますから、便秘気味の猫にもオススメです。
■ ブラッシングはこまめに。
猫と一緒に暮らしていると、どうしても出てくる抜け毛問題。
猫の抜け毛が増える季節の変わり目は、いつもよりブラッシングの頻度を多くしてなるべく抜け毛を取り除いてあげてください。
ヘアボールなどのトラブルの対策として、やはり大切なのはブラッシング。猫が飲み込んでしまう前に家族が取り除くことができれば、猫の負担を小さくすることが可能です。
長毛猫の場合、一般的なスリッカーブラシやラバーブラシで抜け毛を取り除く前に、コームなどで毛玉ができやすいわきの下、首回り、後ろ脚の付け根などの毛のもつれを梳かしてから行うと効果的です。
抜け毛が多いこの時期は、掃除機もいつもより念入りに。猫の抜け毛をそのままにしておくと、ハウスダストを引き寄せてしまうかもしれません。
家族も猫も快適に過ごすために季節に合わせたケアやお手入れを意識していくのがオススメです。
おわりに
今回は猫の換毛期と、そして猫の換毛期に気を付けたい栄養素についてご紹介しました。
換毛期が始まるタイミングや抜け毛の量などは個体差があります。
完全室内飼育の猫の中には換毛期自体がないということもあります。(1年中同じペースで毛が抜け続ける)
基本的には猫が元気で過ごしているようであれば、換毛期だからと言っても特別な対策は必要ありませんが、ヘアボールによる毛球症などのトラブルなど、猫の異変にはなるべく早く気が付きたいですね。
「最近抜け毛が多いな」と感じたら、ブラッシングをこまめにおこなうほか、換毛期を意識したヘアボール対策用のキャットフードを取り入れたり、猫の嘔吐やウンチの状態をチェックするようにして快適な暮らしをサポートしていきましょう。