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2020.09.24
換毛期はいつから始まる?季節ごとの猫の被毛のケアについて
猫を撫でただけなのに、ごっそりと毛が抜けたり、部屋中の至る所に舞う猫の毛…。季節の変わり目になると、猫の抜け毛が増えて「換毛期かな?」と意識する方も多いのではないでしょうか。
猫と暮らしていると季節の風物詩のようにも感じる換毛期ですが、中には「うちの猫は一年中毛が抜けてる…」というお声も。これってなぜなのでしょうか?
今回は、猫の換毛期についての基礎情報と、換毛期に気を付けたい猫の健康管理のポイントについてスタッフ猫たちがまとめてみました。
猫の換毛期ってどんなもの?
ふわふわの被毛に覆われている猫。触っているだけで私たちをとても幸せな気持ちにしてくれます。
多くの猫の被毛はダブルコートと呼ばれる二層構造をしています。体温調整を行うふわふわとした柔らかいアンダーコートと、太くしっかりとした長い毛足のオーバーコートで構成されていて、季節に合わせて毛の密度を変えているといわれています。
暑い夏と寒い冬では気温も大きく変わるので、体温調整のために全身の被毛の毛を入れ替える必要が出ます。
季節の変わり目には、気温の変化に対応するために大量の毛が抜け代わり、このことを換毛期と呼びます。
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ランラン先生
人間は体温調整のために夏服・冬服を変えるそうで、これを衣替えと呼ぶそうですよ。私たち猫と同じですね。
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ゴロー
ほえー。なんだか服を出したりしまったり、大変そうでありますね。ボクちんたちは勝手に毛が抜けるであります。人間も気温に合わせて自動で衣替えできるようになればいいでありますねー。
猫の換毛期っていつから始まるの?
猫の換毛期は季節の変わり目である秋、そして春に起こることが多いと言われています。もちろん個体差があり、同じ家で暮らしている猫であってもタイミングがまちまちになることもあります。
また、室内で暮らす猫の場合、室温の変化があまりなく、一定の温度で保たれている環境で過ごすことも多くなります。すると目立った換毛期がなく、ゆるやかに毛が生え変わったり、換毛期自体がなくなるというケースもあるようです。
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ランラン先生
不思議なもので私たち猫は、外に出なくても季節の移り変わりを感じることができます。一説によると、日の出ている時間の長さなども影響しているともいわれています。
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クリ
クリもねー、最近いっぱい毛が抜けるなーって思ってたら季節が変わってたことがあったよー。おうちの中にいると気付かないけど、窓の外見たら葉っぱが赤とか黄色になってたもん。
換毛期の猫にはこんなケアを。
猫の換毛期は猫が快適に暮らすために必要なとても大切な現象です。
基本的には、猫自身が普段と変わらず元気に過ごしているようであれば、とくに心配はいりません。ただ、猫の被毛をより美しく、そして健康的に猫に過ごしてもらうためにどのようなことを気を付けるべきなのでしょうか。
ここでは、簡単なポイントをいくつかご紹介します。
point毛球症を予防しよう
猫は本来毛づくろいをすることで自ら死毛(しもう)を取り除くことができます。猫の舌は細かい突起がたくさんついていて、ブラシのように抜け毛を取り除くことができるのです。しかし、猫は毛づくろいで舐めとった毛をそのまま飲み込んでしまい、お腹の中にどんどん溜めてしまいます。
多くの場合、ごはんなどと一緒に腸に運ばれてウンチとして排出されるのですが、溜め込みすぎてしまうとヘアボール(毛玉)として吐き出すことがあります。
抜け毛が多くなる換毛期には猫の毛玉の吐き戻しの頻度が増えたり、ウンチに含まれる毛の量が増える傾向にあります。
上記のようにウンチや毛玉として排出できていればいいのですが、腸の中で毛玉が詰まってしまい、便秘になったり食欲不振につながることがあります。お腹の中に毛玉が溜まっていることで起こるトラブルを毛球症と呼びます。
対策としては、猫が飲み込む死毛の量を減らすためのブラッシング、きちんとウンチとして毛を排出するために腸内環境を整えること、そしてウンチを柔らかくするために水分補給をしっかり行うことなどがあります。
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王子
毛球症やヘアボール対策のためのキャットフードもあるようなのだ。あれはどんなフードなのだ?
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ランラン先生
毛球症やヘアボール対策として、繊維質を多く含み腸を刺激したり、腸内環境を整えてしっかりウンチを出させるタイプのものが多いようです。そのほかには油分を摂取することでウンチが柔らかくなり、排出を促すものもあるようですよ。
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pointブラッシングのポイント
毎日大量の被毛が抜ける換毛期の猫。抜けてしまった死毛はブラッシングでこまめに取り除くことがオススメです。死毛をそのままにしてしまうと静電気を帯びてホコリなどを吸い寄せてしまい、毛玉などができやすくなります。
長毛猫の場合、一般的なスリッカーブラシやラバーブラシで死毛を取り除く前に、コームなどで毛玉ができやすいわきの下、首回り、後ろ脚の付け根などの毛のもつれを梳かしてから行うと効果的です。
猫の中にはブラッシングなどが好きではない猫もいますから、嫌がるようであればほどほどにして、短時間(3分程度)でもこまめにブラッシングを行うようにしたいですね。
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ナナ
あたち長毛だけど首の周りって毛づくろいできなくて、ボサボサ~ってなっちゃうの。どうして~?
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ランラン先生
猫の体は柔らかいのですが、たしかに毛づくろいが出来ない場所もあるんです。首回り、あごの下などは特に苦手な猫も多いようですよ。
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ナナ
あ、あたちがトクベツへたっぴなワケじゃなかったんだ。安心~。
point被毛ケアのための栄養が足りているか確認する
換毛期の猫はたくさんの被毛が抜けますが、それに伴って新しい毛を作る必要があります。栄養が不足している場合には、新しい毛を上手く作ることが出来ず被毛がパサついたりしてしまうことも。
そんな時には被毛を美しく維持するのに嬉しい栄養素をバランスよくとれているかを確認してみてください。
被毛に限らず、細胞の基本的な材料となるアミノ酸、被毛にツヤを出し皮膚のバリア機能の維持に必要な脂質、被毛を維持するのに必要な亜鉛などの栄養が被毛の健康維持に関係しています。
食欲が低下して十分な量を食べることができているか、オヤツや間食などが多くなり、主食となるキャットフードを食べなくなっていないかなどを確認してみてください。
手作り食などでは、栄養バランスの調整が難しいことも多いので、亜鉛などが不足しやすい傾向にあります。必要であれば、サプリメントなどで栄養を補ってみてはいかがでしょうか。
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ムー
ムーの類まれなる美貌を保つためには栄養バランスが整った食事が大切なのは、ムーも知ってるわ。…とはいえオヤツがおいしいのよね。
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ランラン先生
栄養バランスを崩さないようにオヤツを与えるのであれば、主食となるキャットフードをオヤツ代わりに与えるというのもオススメですよ。
おわりに
今回は猫の換毛期について、そして猫の換毛期に気を付けたいポイントについてご紹介しました。換毛期が始まるタイミングや抜け毛の量などは個体差があり、中には換毛期自体がないということもあります。基本的には猫が元気で過ごしているようであれば、換毛期だからと言っても特別な対策は必要ありませんが、毛球症などのトラブルには気を配りたいところです。
「最近抜け毛が多いな」と感じたら、ブラッシングをこまめにおこなうほか、換毛期を意識したヘアボール対策用のキャットフードを取り入れたり、猫の嘔吐やウンチの状態をチェックするようにして快適な暮らしをサポートしていきましょう。