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2021.11.11
なぜ猫はマタタビが好き?どんな植物なの?マタタビについて調べてみました[#調査隊レポート]
猫が好きなものと言えば皆さまはどんなものを思い浮かべますか?美味しいごはんやオヤツ、猫によっては特に大好物がある子もいますよね。それから、忘れてはいけない遊びも猫の好きなものとして挙げられるかもしれません。
さて、猫の好きなものといわれるものには「マタタビ」もあります。実際に与えている方も、与えたことがない方もいると思いますが、このマタタビって一体どんなものなのでしょうか?
ちょっと気になったので、tamaのスタッフが全力で調査してみました。
猫が大好き、マタタビってどんな植物?
猫にマタタビ、という言葉は慣用句にもなっています。その意味はずばり、「大好物を与えた時に大喜びするときのたとえ」です。(さらに「女郎に小判、泣く子に飴」と続けることもあるのだとか。なかなかキレのある慣用句です)
多くの日本人にとって、猫が大好きなものとして認知されているマタタビですが、いったいどんな植物なのでしょうか?まずは植物としてのマタタビについてご紹介します。
■マタタビという植物について
マタタビはマタタビ科マタタビ属に含まれる樹木で、つるのように他の木に絡まりながら成長することも多いそうです。
白くてかわいらしい花は梅の花にも似ていて、夏梅という別名もあるのだとか。花が咲くと徐々に葉の表面が白っぽくなっていく特長があり、夏でもまるで霜が降りたような姿になることもあります。
日本全国、朝鮮半島では昔から自生していた植物で、とくに山林でよく見かける植物ですし、自宅での栽培も簡単なのだそうです。
■日本人とマタタビ
かつて、日本では伝統的な工芸品としてマタタビ細工が行われたそうです。
マタタビのつるは水切れが良いことに加え、水分を含んだ材料はしなやかで手に優しく、扱いやすいことからザルやカゴなどの生活用品がマタタビを使って作られました。
編みたてのザルの中にちゃっかり猫が入り込んでゴロゴロ言っている…という光景も、きっと身近なものだったのでしょうね。
猫がマタタビに反応する様子もとても身近だったようで、江戸時代に作られた「猫鼠合戦(ねこねずみがっせん)」という読本では、猫とネズミの合戦の最中でもマタタビが使用されています。
ネズミ軍の謀略で仕掛けられたマタタビによって、勇猛な猫軍の諸将がゴロゴロニャーンと泥酔してしまい、一時撤退を余儀なくされるという一幕もコミカルに描かれています。
また、ゴロゴロニャーンとなってしまう猫たちの幸せそうな様子は江戸時代に「マタタビ踊り」としてダンスの題材としても登場。たくさんの江戸市民たちが猫になりきってダンスを踊ったともいわれています。なんとも楽しそうなダンスです。
■マタタビの実
マタタビの木とキウイフルーツは親戚関係にあり、マタタビもキウイによく似た小さな実を付けます。しかしマタタビの実に卵を産み付けるハエがいて、このハエが卵を産み付けた実は通常の実とは異なり大きくこぶのように成長します。このこぶのようになった実は、漢方薬では貴重な生薬として活用されていました。(ちなみに、猫の治療にも使われたそうですよ)
生のマタタビの実は食用にもなるそうですが、不思議と辛みを感じるそうです。生で食べたりおひたしにしたり、和え物や油いためなどさまざまな食べ方があるのだとか。ただし、食べ過ぎには要注意。喉が少々いがらっぽくなることもあるそうです。
猫はマタタビで酔うって本当?
さて、猫がマタタビに酔っぱらう、といわれますが実際には猫はマタタビにどのような反応を示しているのでしょうか?人間がお酒に酔っぱらうのと同じような陶酔状態になってしまうのでしょうか?
この猫のゴロゴロニャーン現象は、太古の昔から長らく多くの猫好きの謎でしたが、ついに2021年に入り究明が進められました。
■猫はマタタビのニオイで幸せを感じている
猫はマタタビに反応している時、確かに幸せな気分を感じていることが証明されました。なんと、マタタビでゴロゴロニャーンとなっているときの猫は「βエンドルフィン」という神経伝達物質の濃度がググっと上昇していることが分かったのです。
このβエンドルフィンは、濃度が高くなると非常に幸せな気持ちになるという物質。βエンドルフィンの濃度が高いということは、猫が非常にハッピーな気持ちになっているということになります。
ちなみに、このβエンドルフィンの反応を阻害する薬を与えた時は、マタタビを与えてもゴロゴロニャーンとはならなかったそうです。
ゴロゴロニャーンとなっている間の猫は「あーなんだかとっても幸せ…」という気持ちになっているわけです。
■猫が幸せを感じる成分の正体が判明!
さて、そんな猫たちをハッピーな気持ちにさせる成分の名前は、ネペタラクトールといいます。
ネペタラクトールは、マタタビと親戚関係にある植物からも同じように出ているようで、キウイの木の枝や実にスリスリする猫も多いのはこのネペタラクトールの影響のようです。
ちなみに、西洋マタタビと呼ばれ、マタタビと同じように猫がスリスリしてしまう植物、キャットニップに含まれている成分はネペタラクトンといい、ネペタラクトールとはちょっと異なる成分なのだそうです。このことが、マタタビには強く反応するのにキャットニップには反応しない猫がいたり、猫の酔い方に微妙な違いを与える理由になっているのかもしれません。
マタタビが持っている役立つ成分
今年明らかになったことには、もうひとつ、猫がメロメロになってしまう成分、ネペタラクトールが「虫よけ効果」を持っているらしいということもあります。
調べてみたところ、ネペタラクトールのニオイを体にこすりつけた猫には蚊が寄り付かなくなった…というのです。猫は幸せそうにスリスリ、ゴロゴロしているだけのようですが、蚊よけ効果もあるなんてびっくりですね。
猫がマタタビにスリスリしてしまう理由やその経緯はいまだに謎のままですが、今後猫の生態や歴史についての研究が進んでいくことで、明らかになっていくのかもしれません。
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tamaでは、国産の天然またたびの若葉を乾燥させた「またたびリーフ」を発売開始いたします!
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猫が退屈そうに見える時のストレス解消や飽きてしまったおもちゃへの興味を復活させるときにご活用ください。
季節限定品の国産またたびリーフ
おわりに
本日は、猫がマタタビを好きだといわれる理由について、最新研究の結果を交えてご紹介しました。
皆さまの家では猫にマタタビを与えることはありますか?「猫が酔っぱらう」という表現を受けて、お酒などのように「あまりよくないものなのでは?」と感じた方もいたかもしれませんが、マタタビを与えたことで中毒症状になるなどの報告は、現在までに報告されていないようです。
猫にとってマタタビは幸せな気持ちになり、ストレス解消になる便利なアイテムとなります。猫は人間よりも敏感な生き物ですので、思わぬことがストレスとなるケースもあります。猫のストレスは膀胱炎や脱毛など、トラブルの原因となるケースもありますので、適度にマタタビなどのストレス解消となるアイテムを活用して、健康維持に役立てていければ良いですね。