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2021.09.09
猫にオヤツは必要?メリットを知って判断しよう
猫にオヤツを与えたいと考える人は多いと思います。最近では様々な種類のオヤツが登場し、選ぶ楽しみも大きくなってきています。猫もオヤツを食べている時、嬉しそうに見えるものですよね。
多くの方が猫にオヤツを与えることを楽しみにしていると思いますが、与える時の注意点などはないのでしょうか?
また、うまく猫の体調管理を行いながらオヤツを与えるための工夫はできないのでしょうか?気になる猫のオヤツについての情報をご紹介します。
猫にとってのオヤツを与えるメリット
猫にオヤツを与えるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?代表的な猫にオヤツを与えるメリット、そして猫に与える時の注意点をご紹介します。
【猫にオヤツを与えるメリット】
・猫とのコミュニケーションになる
・猫の食の好みが分かる
・猫の食欲を刺激する
・不足しがちな栄養を補うことができる
猫にオヤツを与えることで得られるもっとも大きなメリットは、猫との大切なコミュニケーションの時間になるということではないでしょうか。猫との絆を作っていくうえでオヤツは非常に大きな役割を担ってくれます。
猫にとっては、信頼できる家族から美味しいものをもらえるとても幸せな時間、家族にとっては猫の満足そうな表情が見られるかけがえのない時間になります。やはり猫が美味しそうに食べている様子を見られたり、嬉しそうにしている様子を見ると私たちは幸せな気分になれますよね。
また、さまざまなオヤツを与えることで猫の食事の好みが分かることがあります。猫は食事の好みがはっきりしている子が多く、好きなものはよく食べる一方で、好みではない食事は全く食べないということもしばしばです。
最近では猫のオヤツも種類が豊富になってきていて、人気のペースト(ピューレ)タイプやフリーズドライ、カリッとしたビスケットのような食感のもの、スープタイプなどもあります。どういった食事スタイルが好みなのか、お肉系が好きなのか、お魚が好きなのかなど、オヤツには猫の食事の好みを知るヒントが隠れていることも多いです。
さらに、オヤツを栄養補給に使用することもできます。総合栄養食タイプのキャットフードを十分な量食べている猫であれば、栄養不足になってしまうということは基本的にありません。
しかし偏食や小食、食欲低下などによって十分な量を食べられない猫は、栄養をオヤツで補う方法をとることがあります。
オヤツの中には機能性成分を含むものもあるので、猫の体調や意識したいポイントに合わせてオヤツを選ぶこともできます。
また、猫はさまざまな理由で食欲が低下してしまうことがありますが、大好きなオヤツを家族からもらうことで食欲が刺激され、食欲が少しずつ復活するきっかけになることも。
猫にオヤツを与えることには様々なメリットがあります。ただし適量を与えることが前提です。
猫にオヤツを与える時の注意点
猫にオヤツを与えることにはさまざまなメリットがありますが、注意したいポイントもあります。
【猫にオヤツを与える時の注意点】
・肥満のリスクが高くなる
・猫がオヤツばかりを食べるようになることがある
・栄養バランスが崩れることがある
猫にオヤツを与える時に多くの方が気にするのが肥満のリスクではないでしょうか。
体重管理が必要な猫の中には、主食となるキャットフード以外にもオヤツを食べ過ぎているケースもあるようです。
人間では「オヤツは別腹」という言葉もありますが、猫にとってはオヤツも食事の一部です。主食と合わせてカロリーや量の調整を行うことが必要です。とくに体重管理が必要な猫には可愛いおねだりをする猫に負けないように、しっかりと家族が管理をしていく意識を持つことが大切です。
また、猫がオヤツを気に入るとそればかりを食べたがってしまうことも。欲しがるだけ食べさせてしまうと主食を食べなくなってしまったり、食の好みが激しくなってしまう場合も多いです。
病気の治療や症状を抑えるために特別に栄養バランスを調整されている療法食。この療法食を与えている猫は、オヤツを与えることで栄養バランスが崩れてしまいます。
療法食はそれぞれの症状に合わせて特定の成分を制限したり、多めに配合したりしています。そのバランスがオヤツを与えることで崩れてしまうと、病気の治療の妨げになるだけではなく体調を崩してしまうこともあります。療法食を与えている間は、栄養管理のためと心を決めてオヤツをなるべく与えないようにするか、主食でもある療法食を減らして療法食を間食のような形で与えるなどの1日に食べさせる量の範囲内に収まる工夫をしましょう。
猫にオヤツを与えるべき?迷ったら
猫にオヤツを与えることにはメリットがある一方、注意が必要な場合もあります。
うちの子にオヤツを与えて良いのか、これからも与え続けても良いのかを迷った時は、以下のポイントをチェックしてみましょう。
【猫のオヤツを与える前に、チェックポイント】
・病気の治療中、療法食を与えていないか
・体重管理が必要かどうか
・家族全員で主食、オヤツを合わせた食事全体の管理を意識する
病気の治療や獣医師の指導で療法食を与えているとき、猫にオヤツを与えることはオススメしません。どうしても与えたい、猫がオヤツ以外の食事をどうしても食べてくれないという場合には、担当の獣医師に相談の上でオヤツを検討してみてください。
体重管理が必要ではないのであれば、猫にオヤツを与えて楽しい時間を作ることをオススメしています。一般的には主食を10%前後減らし、その分をオヤツで補うことが推奨されています。この時、厳密に管理を行うのであれば、1食分の主食のカロリーの10%を上限として、オヤツのカロリーを計算して与えるようにしてください。ただし、この計算通りの量を与えてしまうとその量の多さに驚く方も多いと思います。そのときには、猫の体重と人間の体重の比率をもとに量を見直すのがオススメです。
猫の肥満が気になる時、まずオススメするのは猫のオヤツを減らす、なくすことです。多くの場合、肥満気味の猫はオヤツを与えすぎています。猫の体重管理を行う際には、毅然とした態度で猫のおねだりに負けない気持ちで接しましょう。
この時、家族全員の協力が必要です。誰かが一生懸命オヤツを与えることを我慢しても、他の家族が与えていたのでは意味がありません。家族みんなで猫の健康のための体重管理を行う、ということが何よりも大切です。
■ オヤツの量を計算するときの例
100gあたりのカロリーが330kcalのキャットフードを主食として与えている場合、1日あたりの給与量の目安が約90gとすると、1日あたり総合栄養食から摂取できるカロリーは以下となります。
330(100gあたりのカロリー)×0.9(90gは100gの0.9倍)=297kcal
このうち、10%に該当するカロリーは29.7kcalとなります。
主食となるキャットフードを減らし、1日あたり29.7kcal分までのオヤツを与えることができる、ということになります。
オヤツのカロリーをこの量に当てはめると思いのほか量が多くなってしまい、「こんなに与えても良いの?」と心配になるほど。
(キットキャット パーピューレであれば約6~7本分)
もっとわかりやすいのが、猫の体重と自分の体重を比較して、その倍率で量を計算してみること。
例えば、5kgの猫が10粒ビスケットタイプのオヤツを食べたとしたら、それを人間(体重50~60kg)で体重の比率で換算して考えると、だいたい100粒~120粒のビスケットを食べたということになります。
なんだかこう考えると「これくらいなら大丈夫かな」「食べ過ぎかも…」の判断がしやすいのではないでしょうか。
ただし、この方法は一例であり、必ずこの通りに与えなくてはいけないというものではありません。
おわりに
本日は猫にオヤツを与えるべきかどうか、判断に迷った時のチェックポイントについてご紹介しました。
猫との信頼関係を作っていくうえで猫にオヤツを与えることは非常に効果的です。また、そのほかにも様々なメリットがあります。なにより、猫がかわいらしいおねだりをしてくる姿はとても嬉しいもの。美味しいオヤツで家族との絆をもっと深めていければいいですよね。
ただし、猫の体調や健康状態によってはオヤツを減らしたり、与えないことが最適なケースもあります。とくに病気の治療中で療法食を与えているときは食事管理が非常に大切になるので、基本的にオヤツを与えることはできません。
猫の体調や必要な健康管理をしっかり意識しながら、うまくオヤツを使って猫と楽しい時間を作っていきましょう。
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