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2021.06.24
猫の健康維持に役立つ脂肪酸の種類と違いについて調べてみました。[#調査隊レポート]
猫の健康維持に役立つ成分にはいくつか種類がありますが、その中のひとつが脂肪酸です。脂肪、と聞くと「太りやすくなるのでは」と心配される方もいるかもしれませんが、脂肪を構成する成分である脂肪酸はエネルギー源として活用されるほかさまざまな役割がある大切な栄養素のひとつ。
本日は猫と脂肪酸の関係について、そしてエネルギー補給に適した脂肪酸の種類について調べてみました。
脂肪酸ってどんなもの?
脂肪酸とは、猫にとっての必須栄養素のひとつです。食事に含まれている「脂肪」を構成するのが脂肪酸で、脂肪酸の種類によって脂肪の性質も変わります。
脂肪酸は、少ない量であってもたくさんのエネルギーを生み出すことができる栄養素で、エネルギー源として活用されるものがほとんどです。肉食動物である猫のエネルギー源としては、タンパク質から分解されるアミノ酸をイメージする方が多いようですが、脂肪酸もエネルギー源として重要な栄養なのです。
猫の健康管理に役立つサプリメントの中には、病気の療養中の猫や食欲が低下してしまい、速やかにエネルギー補給が必要な猫に与えることがオススメのアイテムもあります。
それらのアイテムの原材料や使用されている成分をチェックしてみると、「中鎖脂肪酸」という脂肪酸の1種が含まれていることが多いです。
中鎖脂肪酸は、とくに速やかなエネルギー補給が必要な猫にとって有用な特長を持っていて、ガンなどの特定の病気と闘病している猫の食事でも大切なポイントになっています。
また、脂肪酸の中にはオメガ3脂肪酸に代表されるように、猫の健康維持に役立つことで人気のある成分も含まれます。EPAは炎症などを抑える働きがあるといわれていますし、DHAは神経系の健康的な発達に必要不可欠といわれています。
このように、脂肪酸と一言で言っても、種類によってさまざまな働きや特長を持っています。
それぞれ異なった働きをもつ脂肪酸について、そして病気の療養中の猫に役立つ中鎖脂肪酸のメリットについて深堀りしつつ調べてみました。
脂肪酸の種類について
脂肪酸には複数の種類があります。それぞれの分類と特長について、以下で詳しくご紹介します。
■脂肪酸の長さによる分類
エネルギー源として活用される脂肪酸を細かく分類していくと、原子の結びつきの長さによって、「長鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」「短鎖脂肪酸」の3つに分けられます。
長鎖脂肪酸は、脂肪酸を構成する炭素の数が12個以上連なっている脂肪酸を指します。動物の肉などに含まれる脂肪に長鎖脂肪酸に多く含まれます。
中鎖脂肪酸は、炭素の数が8~10個ほど連なっている脂肪酸を指します。ヤシの油やパームオイル、ココナッツオイルなどに中鎖脂肪酸は多く含まれます。
短鎖脂肪酸は、炭素の数が6個以下の数連なっている脂肪酸のことで、バターやチーズに含まれる酪酸や酢の酸っぱさの元である酢酸がここに含まれます。
脂肪酸の長さは、消化吸収や代謝のプロセスに要する時間の長さに影響します。
猫のエネルギー補給に使うなら、中鎖脂肪酸がオススメ
一般的に、体内で利用される栄養素は、タンパク質をアミノ酸に分解してから使用されるのと同じように、分子を小さく分解してから活用されます。
中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸と比較して鎖が短い分、分解のプロセスが短くなります。小腸で吸収された中鎖脂肪酸は糖などと一緒に直接肝臓に運ばれ、エネルギー源として代謝されます。
一方で鎖の長い長鎖脂肪酸は小腸から吸収された後も様々な組織を経由する長い道のりを経てようやく肝臓に運ばれて使用されます。
中鎖脂肪酸も長鎖脂肪酸もどちらも同じように肝臓で分解され、エネルギーへと変えられるのですが、エネルギーに変えられるまでの時間が大きく異なります。
病気の治療中の猫や、食欲が低下している猫など、速やかな栄養補給が必要な猫の場合は、中鎖脂肪酸を取り入れるのがオススメです。
また、肝臓でも速やかにエネルギーに変えられるので肝臓にかかる負担も少なくなります。肝臓の数値が気になるようになった猫の健康維持に役立つサプリメントなどでも、中鎖脂肪酸が活用されています。
とはいえ、中鎖脂肪酸だけを与えておけば良いというものではありません。使用量の目安と猫の体調をこまめに確認しつつ使用してみてくださいね。
中鎖脂肪酸を含むサプリメント
- 詳細を見る POCHI リカバリーZ (猫用) 中鎖脂肪酸、ペプチド4種を配合し、緊急時の強制給与で速やかな栄養補給が可能です。
- 詳細を見る POCHI KDヘルス(猫用) 腎臓の健康維持に役立つ機能性成分を多数配合したサプリメントです。
- 詳細を見る POCHI レバーZ (猫用) 肝臓・膵臓の健康維持に役立つ機能性成分豊富な各種素材を厳選し、配合したサプリメント。
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とくにガンや悪性腫瘍の治療においては、脂質を多めに含む食事が推奨されることがあります。それはガン細胞の栄養源となるのが炭水化物であり、脂質をエネルギー源として活用するのが苦手なためです。
ガン細胞には栄養を与えず、なおかつしっかりとエネルギーを摂取するのに適しているのが脂質を多めに含む食事というわけです。
ガンや腫瘍の治療中には食欲が低下してしまう猫も多くいます。そういった時には中鎖脂肪酸を含むサプリメントなどが役立ちます。
■ 疑問:短鎖脂肪酸のほうが吸収されやすい?
長鎖脂肪酸と比較して、中鎖脂肪酸のほうがエネルギー源として素早く活用されるといわれていますが、それならもっと短い短鎖脂肪酸の方がエネルギー源として優れているのでは?と思いませんか?
しかし、残念ながら短鎖脂肪酸はエネルギー源として中鎖脂肪酸ほど活用されていません。短鎖脂肪酸の大半は、腸内細菌の活動によって作られるものも多く、大腸で吸収されて腸内環境を維持するのに使われるほか、水分や栄養を吸収する際のエネルギー源として使われています。中鎖脂肪酸のように全身のエネルギー源としてはあまり重視されていないようです。
同じ脂肪酸でも、中鎖脂肪酸と短鎖脂肪酸では使われ方が違うのです。
ちなみに長鎖脂肪酸は、一般的に皮下脂肪などに蓄えられ、体温を維持するのにも使われています。必要に応じてゆっくりと消費されていくので、速やかなエネルギー補給には向きませんが、体力を維持することを考えるととても大切なエネルギー源のひとつです。
おわりに
脂肪酸と一言で言っても、働きやエネルギー源として活用されるまでの時間なども異なり、さまざまな種類があります。
中でも中鎖脂肪酸は、摂取後速やかにエネルギー源に変わる特長を持っているので、食欲が低下している猫のエネルギー源や病気療養中の猫の健康サポートに役立つ栄養のひとつです。
最近では中鎖脂肪酸は、速やかに脳で使われるエネルギーになるという研究結果も出てきています。
高齢の哺乳類の認知機能を維持するのに効果的なのではないか、と期待されている成分でもあります。猫も高齢になると認知機能が衰えていきますので、健康的に年齢を重ねていくためにも注目していきたい栄養素です。
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