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2023.06.15
猫を撫でるための完全ガイド|撫で方のコツとうれしい場所を知ろう[#猫研究所]
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猫とのコミュニケーションといえば、皆さまはどんなものを想像しますか?
美味しいごはん、楽しい遊び、嬉しいサプライズにもなるオヤツなど、猫との心の距離を縮める方法はいろいろ。
上級者にもなると、タイミングや猫の性格によって使い分けているという方もいると思います。
そんな猫との大切なコミュニケーションの中から、今回は「撫で方」をピックアップ。
スタッフ猫のなかにも、この撫で方を変えたらぐっと距離が縮まった、という子もいるくらい大切なことなのです。
今回はそんな「猫の撫で方」についてスタッフ猫たちの当事者(?)の意見も聞きながら、一緒に調査していきましょう。

猫とコミュニケーションをとることのメリット
猫とのコミュニケーションは、猫と私たちはたくさんのよろこびを感じることができます。
■猫にとってうれしいこと
猫はナデナデされることによって、下記のような気持ちや状態になってくれるでしょう。
・リラックス
猫は撫でられることで、オキシトシンやセロトニンといった、幸福感を高められるホルモンを分泌します。
これらのホルモンが分泌されることによって、猫は気持ちを落ち着かせ、リラックス効果を得られるのです。日々の生活で猫を撫でるという行為は、私たちだけではなく猫も精神を安定させられる、重要な行為といえます。
・愛情表現
「撫でる」という行為は日常的にできる愛情表現のひとつです。先述の通り、猫はやさしく撫でられることによって家族からの愛情や安心感を得ることができます。特に、背中や肩、首、顔周り、前足・後ろ足などをやさしく撫でられると、多くの猫が喜びます。
・健康促進
人も猫も心の調子が崩れてしまうと、体調も崩してしまうことがあります。先述の通り、猫は撫でられることによって幸福感を高められるホルモンを分泌できるため、心の健康を維持できます。心が健康であれば体調を崩してしまう可能性を抑えられるため、結果的に健康促進につながるのです。
■私たちにとってうれしいこと
実は、猫を撫でることによって私たちには下記のようなうれしいメリットがあるのです。
・ストレス解消
近年では「猫吸い」という言葉が現れるように、猫とのコミュニケーションが積極的になっています。猫を撫でることで私たちも同様に、オキシトシンやセロトニンといった幸福感を得られるホルモンが分泌されます。つまり、「猫を撫でる」という行為は、猫と私たちの両方に幸せをもたらす行為といえます。
・体の異変に気付ける
毎日猫を撫でていると、乗り気じゃなかったり、元気がなかったりといった体の異変に気付きやすくなります。「今日は足を触られたくないらしい」「撫でられるのを拒否された」といった行動は、なにか異変が起きているサインかも 。これらが長期間続いたときは動物病院に連れて行くなど、最適な判断がしやすくなる点がメリットです。
・お手入れに役立つ
毎日猫を撫でていると私たちに心を許してくれるため、ブラッシングや顔周りのお手入れがしやすくなります。お互いに信頼関係ができていない場合、そもそも触らせてくれないことが考えられるため先述した異変にも気付きにくいものです。気持ちいいこと、楽しいことをしてくれる人を猫は好むため、積極的に撫でてコミュニケーションを図りましょう。
猫とコミュニケーションをとるための準備

まずは、猫とのコミュニケーションの前の準備を整えておきましょう。
猫には猫なりの事情があります。「今はそれどころじゃないのっ」と怒られてしまわないように、落ち着いて家族とコミュニケーションが取れるのかチェックしておくべきポイントをまとめました。
■猫がリラックスしているか
猫が安心しきってリラックスしているときはコミュニケーションの大チャンス。ゴロンと横になってまどろんでいるときや、家族のそばで眠っているときなどに優しく触れてあげましょう。急に動いたり、音を立てたりするのはNGです。
■猫がご機嫌斜めではないか
猫だって気分が乗らないときがあります。同居している猫とのケンカ後や、苦手な音がした直後などは気が立っているかもしれません。当然、怒っているときに触れたりしたらもっとご機嫌斜めになってしまいますから、やめておくべきでしょう。
■周囲が静かで騒がしくないか
周囲が静かで落ち着きやすい環境なら、猫も気持ちがゆったりとしてコミュニケーションを受けてくれやすくなります。工事の音や、雷の音、同居猫や家族が騒いでいるなかでは猫も気持ちが落ち着きません。
■食前、食後すぐなどではないか
食前は空腹から気が立っている子も多いので、集中力が続かないことが多いようです。また、食後すぐは猫はちょっとした興奮で吐き戻してしまう可能性もあるので、食後すぐは避けた方がよさそうです。
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ムー
分かるわ~!周囲がうるさいと途中でイライラしてきちゃうのよね~。
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ゴロー
ボクちんはまったく気にならないでありますよ。
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ランラン先生
まぁ、このように個体差はあると思いますが、リラックスできている状態が理想的ではありますね。これらの条件をクリアしていたら、いざナデナデです。
猫が撫でてほしいサイン
猫にも気分があるので、撫でてほしいときと撫でてほしくないときがあり、それらによって行動が異なります。
■撫でてほしいサイン
下記は、多くの猫が撫でてほしいときに出すサインです。
・体を近づけてくる
猫が体を近づけてくるのは甘えているサインであり、心を許していることを現しています。体を近づけてきたときにやさしく撫でてあげると、猫が喜んでくれるでしょう。
・頭や背中をすり寄せる
猫のなかには頭や背中をすり寄せてくることがありますが、これは愛情表現になります。先述の「体を近づけてくる」とあわせて、猫が体を寄せるという行為を見せたとき、やさしく撫でてあげましょう。
・喉を鳴らす
猫が「ゴロゴロ」と喉を鳴らす行為にはさまざまな意味が込められていますが、ひとつは幸せを感じている状態が挙げられます。
リラックス状態で喉を鳴らしているときは幸せを感じているときであり、そのときにやさしく撫でてあげると一層の幸福を感じます。
Step1触れられ慣れない子は手の甲で撫でる
猫の中には人に触れられることに抵抗がある子も少なからずいます。そんな子たちには、まずは安心してもらうことも大切です。
人間の手に対して「ガシッと掴まれたりするかもしれない…」という恐怖を抱かせないために、ナデナデタイムに慣れるまでは優しく手の甲でゆっくりと体を撫でてあげるのも効果的です。
このとき、大切なのはナデナデのスピードです。ゆ~っくりと時間をかけて背中を撫でてあげてください。「怖くないよ、大丈夫だよ。」と声をかけてあげるのも良いと思います。
途中、猫が嫌がったり逃たりしようとしたら、無理強いをしないことも重要です。時間も最初はなるべく短くしてあげてくださいね。
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ムー
ムーも最初はいきなり触られてびっくりしちゃったわ。「なにすんのよっ」て言っちゃったかも。
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ランラン先生
性格的に神経質な傾向がある猫は、撫でられるのに慣れるのにも時間がかかる傾向があります。
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ナナ
あたちは抱っこもナデナデも大好き~。もっとして~って思ってるの~。
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ランラン先生
このように、最初からウェルカムな猫もいます。性格的なものや育った環境の違いもあると思いますが、やっぱり猫それぞれ。気長に付き合ってもらえると嬉しいです。
Step2猫と仲良くなるために撫でていきたいポイント

■顔周り
実は猫の顔の周辺にはたくさんの小さな筋肉が付いています。耳やひげなどを小刻みに動かして周囲の情報を集めている猫は、意外と顔の筋肉が疲れているのかも?
それに、猫のコミュニケーションツールであるフェロモンが出る腺が豊富にあるのも顔の周囲です。
猫は自分の体は自分でグルーミングする清潔好きな動物ですが、顔周りや耳の周囲には自分の舌は届きません。そのため、親しい猫同士のアローグルーミング(ほかの猫をグルーミングすること)では顔や頭を舐め合うことが多いのです。
猫の顔をナデナデすることは「私はあなたを大事に思ってるのよ」というメッセージ。
耳やひげの根元を優しく撫でてマッサージしてあげると喜びます。
このとき、いきなり触れるのではなく周囲を撫でてご機嫌になってから、顔周りを触ってあげてくださいね。
■顎下、首元、肩
基本的には頭から胴体の方向に向かって、両手を使い撫でてあげましょう。指で挟んでほぐすのも心地良いようです。
首や肩は猫が自分でグルーミングしにくいエリアのため、丁寧にナデナデしてあげるととっても喜んでくれます。
肩甲骨の周りを指の腹で優しくもんであげるのも効果的。
とくに、顎の下は猫のフェロモンが出る臭腺がある場所のひとつであるだけではなく、かゆみやできものが出やすい場所。健康チェックも兼ねて指の腹で優しく撫でてあげれば、猫との距離がぐっと縮まります。
■背中、腰
猫の丸まった背中はとってもキュートですが、猫によって「アリ」「なし」が結構はっきりしているような気がします。
背中を撫でるときは毛並みに沿ってゆっくりと撫でてあげてください。毛並みに逆らって撫でるのはNGナデナデです。このとき、手のひらの温かさを伝えるようなイメージで撫でると猫も気持ちよさそうな顔をする気がします。
「猫は尻尾の付け根をトントンされるのが好き」という説がまことしやかにささやかれていますが、こちらも猫によって反応はさまざま。腰トントンが苦手な子もいます。
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ゴロー
猫によって好きな場所と苦手な場所があるでありますね~。まずは優しく撫でてみて反応をチェックしてほしいであります。
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ランラン先生
心地良いと思うと「ゴロゴロゴロ…」と喉を鳴らす以外にも、うっとりした表情になったり、体の力が抜けたり…寝てしまうこともありますね。
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王子
僕は首をカリカリされるのが好きなのだ。ちょうど毛が長くてうまく掻けないところを、カリカリっと掻いてもらったらとってもいい気持ちになったのだ。あー、思い出したら眠たくなってきたのだ…。
ここを触るのは要注意!
猫とコミュニケーションを図る際は、下記の部位には注意しましょう。
■お腹
モフモフのお腹に触ることは、猫にとっての「宣戦布告」ととられかねない行為。特に外で暮らしてきた経験を持つ猫にとって、お腹はいわば「急所」です。骨で守られている背中側に対し、お腹の部分の内側には内臓が無防備に詰まっています。
この弱点を攻撃され傷つけられたら、命の危険にもかかわります。
そのため、猫のお腹を触ろうとすると「何するんだよ!」と怒ってしまう猫が多いのです。それが撫でようとしただけであっても、嫌がる子が多いのは本能的な反応でもあります。
だから、お腹をナデナデしようとして猫が急に怒り出したり、そそくさと逃げ出したりするのも当然の反応なのです。
■足先、肉球
猫と一緒に暮らしていると、触れたくなる「肉球」がある足先も猫が嫌がることが多い部分です。猫の前足、後ろ足問わず触ろうとするとヒュッとひっこめる子がほとんどではないでしょうか。
これも猫の本能的な防御反応。足先には猫の強力な武器である鋭い爪があります。それが掴まれてしまうと、大切な武器が封じられることになり、上手く身を守ることができないと感じるようです。
また、過去に爪切りで痛い思いをしたことがある猫は、足先や肉球を触られることで激しく怒り出すことも。
■尻尾
猫の感情表現のためになくてはならない尻尾。
細くてしなやかな尻尾、豊かな飾り毛がついた尻尾、短い尻尾などなど色々ですよね。
骨にはたくさんの神経が通っていて、骨盤や下腹部とも近いことから実はとっても繊細です。また、尻尾は体のバランスを保ったり運動をするときの弾みをつけたりするなど、筋肉も豊富なことから猫にとって重要な部分。
そのため、尻尾に触れようとすると、猫は身の危険を感じてとっさに身を守ろうとするようです。
ナデナデするなら、別の部分にしてあげてくださいね。
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ナナ
さすがに、いやな部分ナデナデされたらあたちでも怒るかも~。
あと、痛いところがあったりとかすると、そこを触られるのも嫌だな~って思う~。
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ランラン先生
体をナデナデしているうちに普段とは違う場所で嫌がる素振りを見せたら、何かトラブルが原因しているかもしれません。
気になるようであれば、動物病院で相談してみてくださいね。
Step3もっと濃密に。猫を撫でるときのテクニック
猫とのコミュニケーションであるナデナデで使えるテクニックをいくつかご紹介します。猫の様子や体の部位に合わせて使いこなすことができれば、もっと猫との距離が縮まる…かも?
■指の腹で撫でる
猫の体を撫でるときに、手のひらを使って撫でる方が多いと思います。でも、猫同士のグルーミングでは人間の手のひらのような大きな面積で触れられることはまずありませんよね。
猫と猫とのコミュニケーションを再現するために使うのは、指の腹。力を入れずに優しく触れてあげましょう。とくに猫の顔周りやあごの下、耳の根元、眉間などをナデナデするときに指の腹を使うと効果的。猫同士のグルーミングのように、ゆっくりとしたペースでナデナデするのがポイントです。
■くすぐり撫で、カリカリ撫で

次にご紹介するのが、指の先を使う撫で方。これは猫の首元や肩回り、頭頂部や顔周りをナデナデする時に使います。
軽く指を立てて、くすぐるように小刻みにナデナデ、ナデナデ。猫が後ろ足で痒い所を掻いているテンポをイメージすると、どれくらいのスピード感でナデナデするか分かりやすいのではないでしょうか。
ゆっくりとしたナデナデと組み合わせて緩急をつけるのもオススメです。
■両手でマッサージ撫で
猫をナデナデするときに、両手を使うテクニックも。特に効果的なのが、両手で円を作り、猫の顔から首元を包み込むように撫でていく方法。
猫の顔を手で作った円に通すようなイメージです。
これまでのナデナデで猫が気持ちよさそうにしていたら、軽く猫の顔を両の手のひらで挟んでみると変顔も楽しめて一石二鳥?もちろん、嫌がったらやめてあげてくださいね。
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ゴロー
ほあああ。何だか聞いているだけで気持ちよくなってくるでありますねえ~。
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ランラン先生
猫の撫でられ方の好みもそれぞれですので、「うちの子スペシャルメニュー」のようなものができれば、さらに距離が縮まるはずです。
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ムー
ムーはやっぱり、気持ちが良くて美容にも良いナデナデを期待しちゃうわね♪
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ランラン先生
ナデナデにはコミュニケーションだけではなく、血行を良くする働きがあるという説もありますからね。
まとめ:大切なのは”猫ファースト”であること
ここまで猫を撫でるときのポイントについてご紹介してきましたが、突き詰めていくと"猫ファースト"であることが大切なのだと気付かされます。
どんなに知識を付けても、テクニックを学んでも、猫の気持ちになって接することができなければ、きっと心が通うコミュニケーションにはならないはずです。
猫の様子を観察し、ナデナデさせてもらえそうなときに学んだテクニックを使って、上手く心を通わせることができれば理想的ですね。