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- 猫研究所
2022.10.13
猫の困った行動、どうしてる?しつけはできるの?スタッフ猫の場合は〇〇でした。【#でも大丈夫!】
魅力的な生き物、猫。見た目や仕草のかわいらしさはもちろんのこと、時に私たち人間の想像をはるかに超越した行動を見せることもあります。
そんなミステリアスなところも、猫の魅力。
でも、そんな猫の行動が、時に家族や猫自身の安全や快適さを脅かすことも…。できれば危険なことはして欲しくない…、やめてほしい…というのが、正直なところですよね。
猫というのは自由気ままな生き物。
私たち人間の「ダメ」を理解してくれる子もいれば、そうでない子もいます。
スタッフ猫たちの場合は、どうだったのでしょうか?スタッフの体験談をご紹介しつつ、「猫のしつけ」について一緒に考えていきましょう。
子猫のうちから続く「噛み癖」
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ゴロー
うんんんんんん!ガブリガブリであります、マエダの腕をガブガブするでありまぁす!
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マエダ
あだだだ!も~。ゴローちゃんったら、私の手はオモチャじゃないんだよ。(手ヒラヒラ)
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ゴロー
な、なんと魅力的な動きでありますか!?ボクちんの中の野生が吠えるであります!キックキック、ガブガブであります!
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マエダ
あーーーー!
■猫が人に噛みつく理由
・狩猟本能が刺激されたor遊びのつもり
・「ちょっとやめてよ」の意思表示
・ストレス発散のため
・発情期
・おいしい生肉だと思っている
猫が人に噛みつく理由は猫それぞれ。
ほとんどの場合は、猫が遊びのつもりでじゃれているうちに狩猟本能が刺激されて噛みついてしまったり、子猫の頃から手や足をオモチャ代わりにして遊んでいたために、人の手や足を「噛みついてイイもの」と思い込んでいるといったケースだと思います。
力の弱い子猫のうちならいいのですが、大きく成長するとかなりの破壊力になりますので、可能なら子猫のうちから「遊びはオモチャで」を徹底することが対策のひとつになります。
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ゴロー
ボクちんはマエダと遊んでいるつもりだったであります!遊びも常に全力!それがボクちんでありますからね!
それ以外の理由では、猫が触れられるのを嫌がっているパターン。猫が嫌がっている時は、噛みつく前に「やめて」のサインを出しているはずです。そのサインを無視してしまうと、意思表示として噛みつくこともあります。
それから、高ストレス状態が続いていても、噛みつくことで発散させようとするパターンもあるようです。この場合は、ストレスによる他の行動や体調の変化もみられる可能性が高いので、注意深く観察してください。
また、去勢・避妊手術をしていない猫では、発情期を迎えて興奮状態になった猫が家族に噛みつくなどの行動を見せることがあります。
■猫の噛み癖の対策
まずは、猫が遊びの延長線上で噛みついてきた時には、すぐにオモチャを取り出して猫の関心をオモチャにずらすこと。そうすれば、猫も家族も痛みを感じることもありません。
インターネット上には"「痛い!」と短く叱って他の部屋に行く"などのしつけ方法が紹介されていますが、これは猫によっては逆効果の場合もあります。追いかけてさらに激しくじゃれついてくることも少なくありません。
猫は遊びたい気持ちがあるのですから、ちゃんと遊んであげた方が猫も家族もハッピーになると思います。
猫が嫌がっている気持ちを表現するために噛みついたようであれば、その気持ちを尊重してあげてください。ストレスが溜まっていたり、発情期の興奮に家族が困っているようであれば、動物病院で相談をするのが良いと思います。
自分を永遠の子猫だと思い込んで…。「網戸はがし」
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王子
むむっ!なんと登りやすそうな網戸なのだ。かつてはスパイダー●ン2世と呼ばれた僕の腕の見せ所なのだ。
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ミライ
ギャッ!そんなところに登らないでぇ!
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王子
ふふ~ん。子猫のころからこんなの余裕だったのだ。大人になった僕ならもっと高いところ…に……!?(バリバリバリバリ~)ぎええ、網戸がてっぺんから剥がれたのだ!?
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ミライ
ま、まさか登るとは……。体重何倍になったと思ってるんですかもう~。
■行ってほしくない場所、やってほしくない行動をするのも猫という生き物
私たちの都合は猫には関係ありません。
ですから、猫に行ってほしくない場所や、やって欲しくない行動がある場合は、できるだけ家族が対策をしておく必要があります。
猫と一緒に暮らしていると、イタズラの傾向や性格なども見えてきます。
・棚の上などに壊れやすいものを置かない
・網戸やカーテン登りをする猫には、対策アイテムを
・テレビなど倒されたくないものには、転倒防止器具をつける
・植木鉢やストーブにはカバーやガードをつける
・入ってほしくない場所のドアは鍵もしっかり閉める
・窓のロックはしっかりして、安全ロックもつける
悪いことをしたら、すぐに「ダメ!」「こら!」と短い言葉で叱ることをすすめる人もいますが、効果はそれぞれ違います。
中には叱ってもその時はビクビクするものの、すぐに同じようなイタズラをする子もいます。どうやら、好奇心や本能には勝てないようです。
ちなみに、水を入れた霧吹きを吹きかけたり、犬のしつけで使用されるイタズラ防止スプレーなどを使うことを推奨する記事などもありますが、場合によっては猫に強いストレスを感じさせる可能性もありますし、家族との関係性に亀裂が入ってしまう可能性もあります。使用する際は、猫の性格やタイプを慎重に見極めましょう。
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王子
網戸登りに失敗したし、背中から落ちてびっくりしたしで踏んだり蹴ったりだったのだ。あんな怖い思い、もう二度と御免なのだ。
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ランラン先生
このように、嫌な思いをしたら自然とイタズラをしなくなることも多いですよ。
お腹が減ってつい…。「拾い食い」
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ムー
……あら?なんだかとってもいい香りがするわ~!
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マエダ
ムーちゃん、ゴミ箱の周りで独り言いって何してるの?
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ムー
素敵なオヤツがムーを呼んでいるのよー!でも見当たらないの!悲劇よ!
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マエダ
あっ!もしかして……蓋つきじゃないゴミ箱にオヤツの袋捨てちゃった!?危ない危ない!
■侮るな、食いしん坊猫の嗅覚!
猫は、自然の中では素晴らしいハンターです。五感を研ぎ澄まし、いつでも獲物を狙えるように常に神経を張り巡らせています。
そしてそれは、家の中でも同じ…。
食いしん坊の猫は、美味しそうなもののニオイや気配にとっても敏感です。
だから、猫が誤って食べてしまう可能性があるものや、猫が好む香りがするものなどを扱う時は注意が必要です。
・ゴミ箱は蓋つきのものを採用する
・人間の食べ物で、猫が興味を持ちそうなものはなるべく目を離さない
・生ゴミなどニオイの出るものは、新聞紙に包むなどしてニオイを防ぐ
過去に野良猫だった経験がある子の中には、食べ物に非常に強い執着を持っていて、ごみ袋を破って中身を荒そうとする子もいるかもしれません。
でも、それも過酷な環境を生き抜くために身に着けた処世術。今は安心して過ごせる家と、おいしいごはん、そして優しい家族がいるのだということを理解した猫は、徐々に穏やかになり食べ物に強い執着を見せることも減っていくそうです。
とはいえ、猫の中にはやっぱり食いしん坊もいて、おいしそうなものを見つけたらあの手この手で食べようとする子もいます。
そんな猫と暮らすときは、家族が環境を整えたり、食べ物を扱う時やごみ捨てに注意を払うことで困った行動を予防することは可能です。
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ランラン先生
最近は、ニオイが漏れないゴミ袋なんてものもあるらしいので、場合によっては使ってみるのも良いかもしれません。
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ムー
おっかしいわね…。確かにいい匂いがしたんだけど…。
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ゴロー
ムーちゃん、まだ探してるでありますか?
どうしてこんなところに…?「トイレの失敗」
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ナナ
あ~、猛烈にオシッコしたいかも~。でもあっちのトイレはヤダから……うーん。
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マエダ
って、ああ~!ナナちゃん、こんなところでしちゃったの?
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ナナ
しちゃった。だってあたちのお気に入りトイレ、オジちゃんに使われちゃったんだもん!
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ゴロー
ふぃ~。ナナちゃん、おトイレ貸してくれてありがとうであります。
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マエダ
………。
■トイレ問題はしっかり対策を
基本的に、猫はトイレをスムーズに覚える賢い動物だといわれています。そして猫はとてもキレイ好きなので、本来であれば決められた場所以外でトイレをすることはあまりありません。
でも、ときどきトイレではない場所で排泄をしてしまうようであれば、それはトイレや家族に問題があるかもしれません。
・トイレが汚れている
・他の猫が使用中だった
・トイレで落ち着くことができない
・いつも過ごす場所から遠すぎる
・膀胱炎や下部尿路結石などの病気のサイン
・環境や周囲からのストレス
多頭飼いの場合、猫の頭数より多くのトイレを設置することが推奨されています。それは、他の猫がトイレを使用中だったり、使用後掃除がされていなかったりして、トイレに入ることができなることが少なからずあるからです。
可能であれば、一緒に暮らしている猫の数より多く、そして猫が普段過ごしている場所の近くにトイレを設置してあげるなどの対策を講じましょう。
また、トイレの失敗は猫の病気のサインでもあることがありますので、おかしいと感じたら動物病院で相談してみることも重要です。
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ナナ
リビングのラグ全体があたちのおトイレってことでいい?広いおトイレが落ち着くの~。
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マエダ
それは困るなぁ…。ちゃんとおトイレでしようね?
おわりに
今回は、スタッフ猫の困った行動をご紹介いたしました。
インターネット上などでは、「猫のしつけ」の方法を紹介している記事などもありますが、その方法を実践したからと言って、必ずしも猫の困った行動が解消されるとは限りません。そういった事態を事前に防ぐ環境づくりにトライするのもひとつ。
猫の行動には概ね意味や理由があるはずです。行動だけに注目するのではなく、その行動の背景にじっくりと着目して、根本の解決をしていくことを繰り返していけば、私たち家族も猫も、幸せで快適な暮らしができると、そう思います。
猫が猫らしく、ありのままに暮らせること、そしてそんな猫を優しく見守る家族がそばにいてくれることを、猫たちも願っているはずです。