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2022.03.24
美味しさキープ!小分けタイプのキャットフードのメリットとは?保存方法のポイント
猫の毎日の主食であるキャットフード。ある程度の量をまとめて買う方が多いと思いますが、一度開封してしまった後はどのように保存していますか?
キャットフードを正しく保存しないと、酸化がおこり品質が落ち、猫の体調に影響してしまう可能性も。
これらの事態を避けるため、自分で小分けをする人もいますし、あらかじめキャットフードを小分けにしているブランドもあります。そこで今回はキャットフードを小分けにするメリットと、オススメの小分けキャットフードについてスタッフ猫たちが調査を行った結果をご紹介いたします。
キャットフードの保存のリスクについて
多くのキャットフードは、ジッパーのついた袋にまとまった量が入った状態で販売されています。各メーカーもそれぞれ工夫を凝らして品質が劣化しないガスバリア袋(気体を通さない機能を持つ袋のこと)を採用したり、酸化防止に役立つ成分をプラスするなどして対策を行っています。
しかし、それでも一度開封してしまうと空気や湿気に触れ、徐々に品質が劣化していくことになります。具体的にはどのような変化がキャットフードに起こり、猫に影響するのでしょうか?
■キャットフードの酸化が進む
キャットフードに含まれる脂質が酸素と結びついたり、紫外線などの影響を受けて変質することを「酸化」と言います。
脂質が変質すると、イヤなニオイ(酸化臭)の元になったり、体調を崩す原因になることがあります。
キャットフードの酸化が進む背景には、酸素と触れること、光による影響、高温や湿度などがあります。
開封した後のキャットフードは酸素に触れる機会が多くなるだけではなく、開けるたびに光による影響を受けたり、湿気が入りこむリスクがどうしても高くなります。
ミックストコフェロールやローズマリー抽出物などの酸化防止剤を加えているフードであれば、ある程度の期間は酸化を防ぐことができますが、それでも早く使い切るに越したことはありません。
■猫の食いつきが悪くなる
開封してしばらく経ったあとのフードを与えてみたら、猫の食いつきが悪くなったという体験をした方もいるかもしれません。これもフードの酸化が影響している場合があるようです。
キャットフードに含まれる脂質が酸化することにより、酸化臭が発生します。(開封後、しばらく経ったポテトチップスのにおいを思い出してください)人間でも酸化した食材のニオイは食欲を減退させる原因となりますが、嗅覚が優れた猫は人間よりも敏感に酸化臭を嗅ぎ取り、食べなくなってしまうこともあります。
かつて、自分で狩りをして獲物を食べていた肉食獣である猫は、フレッシュな食事を好みます。そんな猫たちにとって、開封して時間が経ったフードは魅力的には感じないようです。
■栄養への影響
酸化することで成分自体が変質してしまうので、本来は役立つはずの成分がきちんと吸収できなくなる可能性もあります。
脂質の中でもとくに酸化が早いといわれているのが、オメガ3脂肪酸です。オメガ3脂肪酸といえば、関節や皮膚の炎症を抑えたり、腎臓の健康維持に役立つ働きがあることからキャットフードでも良く使用されている機能性成分です。
せっかく猫の健康維持に役立つ成分としてオメガ3脂肪酸が含まれていても、酸化が進んでしまっているとその働きを実感できません。
■猫が体調を崩してしまうことも。
酸化した脂質は、過酸化脂質と呼ばれる状態になり、毒性を持つようになります。消化のプロセスの中でなるべく毒性を中和するように分解されていきますが、分解が間に合わない場合や過酸化脂質の量が多いと消化器系に影響し、嘔吐や下痢などの原因になるケースもあります。
猫の健康維持のためにも、酸化が進んだキャットフードは与えないようにしてください。
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ゴロー
むむう。なるべく酸化していないキャットフードを食べたいものでありますねぇ。
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ランラン先生
体調に影響する可能性を考えると、やっぱり怖いと感じる方も多いと思います。開封から1カ月以内に使い切ることを目安として、使い切れる容量のフードを選ぶようにしてくださいね。たくさんの量が入っている方がグラムあたりの価格が安くなっていることも多く、お得なんですが……。
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ムー
ムーくらいになると、フードやオヤツは開けてから時間が経っているかどうかも分かるのよ。いつまでも若々しいムーにお似合いのフレッシュな食事を用意してくれないと、すねちゃうんだから。
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ランラン先生
このように、急に食べなくなってしまうこともありますので、ご注意ください。
小分けタイプのキャットフードのメリットとは?
■使い切りサイズなら使わない分の酸化のリスクを抑えられる
一般的に、一度開封してしまった後のキャットフードはどれだけきちんと封を閉めていたとしても、酸素に触れ、光の影響を受けるなどして一気に酸化が進んでいくといわれています。
しかし使い切りサイズの小分けパックなら、使う分だけを開封するので、酸化が進む速度を遅くすることができます。品質を維持して保存できる期間が長くなるので、猫が美味しく食べられる期間も長くなります。
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ムー
なるほどね、やっぱりいつでも「できたて」「フレッシュ」なごはんが一番だもの。ムーみたいに食事の変化に敏感な子には小分けタイプはとても助かるわ。
■猫がフードに飽きてしまったら、手軽に保存
気まぐれな猫たちは、それまでお気に入りだったキャットフードでもある時急に食べなくなってしまうことがあります。そんな時、開封してしまったキャットフードをどうするか悩む方は多いと思います。
もったいないし、そのまま保存しておくのか、でも一度開封してしまったし酸化が進んでしまう……と悶々とされる方も多いですよね。
でも、あらかじめ小分けにしてあるキャットフードなら、酸化のリスクを最低限に抑えることができますので、そのまま保存することもできます。そして猫がまた食べてくれそうなタイミングで与える、といったように臨機応変な使い方ができるのも大きなメリットの一つになります。
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ランラン先生
キャットフードを小分けにすることにはさまざまなメリットがあるんです。このほかにも、持ち運びがしやすい、災害時に便利などのポイントも注目されています。
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ゴロー
たしかにいざ!という時に使いやすいのはとってもありがたいでありますね。使う分をしっかり緊急時用のバッグなどに入れておいてくれると安心であります。
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ランラン先生
ついつい忘れがちですが、災害時用のものであっても賞味期限が来る前に使い切るようにしてくださいね。
自宅でキャットフードを小分けにするときの注意点
■小分けにする際にどうしても空気に触れてしまう
キャットフードを家庭で小分けにすると、小分けにする際にどうしても酸素に触れたり湿気を吸ってしまったりするので、品質の保持という意味では工場で小分けにされているフードと比較すると劣る部分があります。酸化を防ぐ目的で小分けにするのに、空気に触れて酸化が進みやすくなってしまっては本末転倒ですよね。
というのも、工場で小分けにされる場合は衛生面に注意した専用の機械を使い、品質の劣化を防ぐガス充填なども行いながら袋詰めされるものもあります。キャットフードを小分けにするためにもそれ専用の設備が必要なのです。
しかしながら家庭ではそういった設備は当然ありませんので、市販されている小分けのフードと比較するとどうしても品質の劣化のリスクは高くなってしまいます。
■ガスバリアではない袋で保管することはリスクです。
工場などで小分けにされているキャットフードは、「ガスバリア袋」と呼ばれる袋に入っています。ガスバリア袋はキャットフードのような酸化のリスクがあるものを保存する際に使われる袋です。
ガスバリア袋とは、空気(酸素や窒素)などの気体を通さない「ガスバリア性能」を持つ袋のことで、完全に封をすると袋の内外の気体の出入りを遮断することができます。
ガスバリア性能がない普通の袋(レジ袋やゴミ袋)は、口を完全に閉めても袋そのものが微量の気体を透過させてしまいます。無酸素保存や真空パック保存を行う際には、気体の出入りを完全に遮断する「ガスバリア袋」であることが必須です。
「普通の袋」である場合、真空状態にして完全に口が閉じられていたとしても、少しずつ外から空気が入り込んで、最終的に真空パック状態は破られてしまいます。
これは、ガスバリア性能・気体遮断性能がないことが原因です。
食品保存によく利用されるジッパー付きの保存用袋がありますが、これは材質がポリエチレンであり、ガスバリア袋ではありません。
そのため例え完全に口を閉じたとしても、真空パックや無酸素保存に用いることはできませんので注意が必要です。
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ランラン先生
家庭でキャットフードを小分けにするときには注意が必要ですし、手間もかかりますので、あらかじめ小分けになっているキャットフードを選ぶというのもオススメですよ。
オススメ小分けキャットフードご紹介
保存に便利、いつでもおいしい小分けタイプ!
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おわりに
今回はキャトフードの「小分け」に注目してメリットやデメリットをご紹介してきました。キャットフードを保存するにあたり、小分けになっているとさまざまな便利さを実感できると思います。
猫にいつも美味しく、安全なご飯を楽しんでもらうための工夫として、あえて小分けタイプのキャットフードを選ぶという選択をしてみてはいかがでしょうか。
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