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2021.01.28

猫が牛乳を飲むと下痢をするのはなぜ?ちょっと気になるミルクのあれこれ

猫が牛乳を飲むと下痢をするのはなぜ?ちょっと気になるミルクのあれこれ

子どもの頃は、街で偶然出会った猫に牛乳を飲ませてあげた、という体験をした方もいらっしゃるのでは。でも、最近では「猫に牛乳を与えると下痢になる」という情報もネット上でよく見るようになってきました。

この「猫に牛乳を飲ませると下痢になる」という話は本当なのでしょうか?ちょっと気になる猫の健康と牛乳について、そして猫に牛乳に限らずミルクを与える時に知っておきたい情報について、今回はスタッフ猫たちがご紹介します。

猫は牛乳を飲むと下痢になる?

さて、猫に牛乳を与えると下痢になるという話は本当なのでしょうか?
皆さまの家にも、もしかすると子猫の頃に牛乳を飲ませていたという猫や、今も牛乳が好きで飲んでいるという猫がいるかもしれませんね。
実は、牛乳を飲んでも問題ない猫もいますし、下痢になってしまう猫もいるというのが現実です。

牛乳を飲んでも問題ない猫と、牛乳を飲んで下痢をしてしまう猫では何が違うのでしょうか?その疑問には、牛乳に含まれている乳糖(ラクトース)という成分が関係しています。
ラクトースは腸内で分解されてブドウ糖となり、初めてエネルギー源として活用することができます。ラクトースが分解されないままでは腸から吸収されないばかりか、消化できなかった異物と腸が勘違いをして「少しでも早く排出しよう」と下痢を起こしてしまいます。
牛乳を飲んで下痢を起こしてしまう、という現象はこのラクトースが分解できていない状態が関係しているのです。
ですから、ラクトースを分解することができれば、本来は下痢にはならないはずなのです。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

以前は、猫用ミルクの選択肢が少なかったこともあり、水分補給のためやオヤツとして牛乳を飲んでいる猫も多かったそうです。

ゴロー

ゴロー

ボクちんたちは牛乳じゃなくて、猫用ミルクを飲んでいるでありますが、下痢にはならないでありますよ?

ランラン先生

ランラン先生

そう、牛乳と猫用ミルクの違いにも乳糖が関係しているんですよ。それについては後で説明しますね。

牛乳に含まれる乳糖について知ろう

乳糖とは、牛乳だけではなくすべての動物の母乳に含まれている成分です。その名の通り、エネルギー源として活用されているブドウ糖やでんぷんなどと同じ、糖類の仲間なのですが少し形が異なっています。
乳糖は二糖類と呼ばれる構造をしていて、二つの糖の分子が結合している状態です。この状態のままでは動物は腸から吸収することも、エネルギーとして活用することができません。
この乳糖をエネルギー源として活用するためには、分解して吸収できるブドウ糖の形に変換する酵素・ラクターゼが必要になります。

食べ物を食べることが出来ない、人間の赤ちゃんや生まれたばかりの子猫は乳糖を分解するラクターゼの活性が高くなっています。これは母乳が唯一エネルギー源となるため、しっかりと栄養として取り入れることが出来るように生まれつき備わっている能力です。

DOG's TALK

ムー

ムー

猫の赤ちゃんも人間の赤ちゃんも同じようにラクターゼを持っているのね。

ランラン先生

ランラン先生

生まれたばかりの哺乳類の子供はほとんどがこのラクターゼを豊富に持っているんですよ。だからミルクできちんと成長することが出来るんです。

ムー

ムー

でも、生まれてすぐは乳糖を分解することができるはずなのに、下痢になってしまう猫がいるのはどうして?

ランラン先生

ランラン先生

それは、私たちの成長が関係しているんです。

牛乳で下痢になってしまう猫がいる理由

猫の母乳にも牛乳と同じようにラクトースが含まれていて、子猫の頃は上手くラクトースを分解できていたのに、牛乳などを飲んで下痢になってしまう猫がいるのはなぜなのでしょうか?

それは成長するにつれてミルク以外の食べ物を食べるようになり、エネルギー源をラクトースに頼る必要がなくなり、徐々にラクターゼの活性が低下するためだと考えられています。
ミルクで育つ離乳前をピークとして、成猫になるころには酵素の活性性がピーク時の約10%前後まで失われていきます。
そのため、成猫では子猫の頃よりもラクトースを上手く分解することができずに下痢になってしまうのです。

また、牛乳は猫の母乳と比べて乳糖の量が約1.2倍多く含まれています。そのため、ラクターゼを生まれつき少なく持って生まれた猫の場合は、たとえ子猫の内であってもラクトースの量が多すぎてしまい、分解しきれずに下痢になってしまうことがあるようです。
このように生まれつきラクターゼが少ない体質を乳糖不耐症と呼びます。

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

なるほど、乳糖の分解に必要な酵素の働きが大人になると弱くなっていくでありますね~!

ランラン先生

ランラン先生

そうなんです。でも、猫の中には継続してミルクを飲み続けていることで、ラクターゼの活性が失われずに残り、大人になっても乳糖を分解することができる猫もいるんですよ。

ゴロー

ゴロー

そういった猫さんは慣れているから大丈夫なのでありますか?

ランラン先生

ランラン先生

体調を崩している時や、大量に乳糖を摂取してしまった時には下痢になることがあります。牛乳が悪いというわけではありませんが、リスクがある牛乳よりも、猫用ミルクの方が「より安心」とはいえるかもしれませんね。

■ 豆知識:猫用ミルクではなぜ下痢にならないの?

水分補給や栄養補給を目的として市販されている猫用ミルクの中には牛乳を使用したものもありますが、これらのミルクは成猫でも飲んでも問題ないように、ラクトースをあらかじめブドウ糖の形に分解しておく加工が施されているものがほとんどです。

おわりに

今回は、猫が下痢になってしまうことがあると言われている牛乳と、母乳に含まれる乳糖という成分についてご紹介しました。乳糖は猫の母乳にも含まれている成分ですが、成猫になるころには徐々に分解する能力が低下していくため、成猫になると乳糖の分解が苦手になる猫が多いといわれています。
水分補給や栄養補給のために猫にミルクを与えたいのであれば、猫用に加工されたミルクがオススメです。
正しく与えれば、ミルクは猫の体調管理の心強い味方になってくれます。

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