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2019.05.16
猫の抜け毛が多いときは季節の変わり目?気になる猫の換毛期とは

猫の抜け毛が増える時期のことを「換毛期」といいます。普段よりも抜け毛が多い換毛期は、部屋中に毛が落ちるため私たちにとっては大変な時期ですよね。しかし、換毛期は猫にとってとても重要な“衣替え”シーズンであり、健康維持のためには欠かせないものです。そんな換毛期を少しでも快適に過ごせるよう、抜け毛対策をしっかりと行ってあげてください。
今回は、猫の換毛期の役割やおすすめの抜け毛対策法についてご紹介します。

猫の換毛期はいつ頃?
猫の「換毛期」は、季節の変わり目の時期といわれている、春(3月頃)と秋(11月頃)の年2回あるのが一般的です。
換毛期がある理由は、季節に合わせた温度調節と皮膚の健康維持のためです。そして3月の換毛期には夏の暑さに備えるために、冬の寒さから体を守っていたフワフワとした下毛が大量に抜け落ち、風通しの良い短い毛に生え変わります。
それとは反対に11月の換毛期は、冬の寒さに耐えられるよう夏に生えていた短い毛が抜け落ち、保温性の高い長い毛に生え変わります。
このような成長サイクルを繰り返して、猫は皮膚の健康を維持しているのです。
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ランラン先生
人間が季節ごとに合わせた服を着るように、私たち猫も被毛を換える必要があるんです。やっぱり暑かったり寒かったりしますからね。
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ムー
でも人間みたいに模様が全部変わったりはしないわ。人間は毎日違う服を着ていて選ぶのも大変よね。
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ゴロー
ボクちんはずっとタキシード模様でありますよ!年中無休でダンディであります!えっへん。
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ムー
……。(無視)
室内の猫にも換毛期はある?
外で暮らす猫に比べると、完全に室内で暮らすの猫ははっきりとした換毛期は無いといわれています。なぜなら室内で暮らす猫は、1年を通して大きな気温差を感じずに生活しているため、夏や冬の季節に合わせて毛質を変える必要が無いからです。
猫の毛は、気温や日光を浴びる時間の長さによって成長サイクルが変わります。そのため普段室内で過ごしている猫は、室内にある照明やエアコンなどによる温度調整の影響により、外で暮らす猫の毛周期のサイクルとは少し異なります。
室内猫は1年中まんべんなく毛が抜け落ちるため、換毛期に集中して大量に毛が抜けるということは少ないですが、それでも季節の変わり目は普段よりも毛が多く抜けるようです。
換毛期には特に注意したい病気「毛球症」とは?
猫は通常、毛づくろいのときに飲み込んでしまった毛を便とともに排泄したり、口からまとめて吐いたりして体外に排出します。
しかしそれがうまく排出されず、胃や腸などの消化器官内にたまってしまうことがあります。その状態、症状のことを「毛球症」というのです。
毛球症の初期症状として「食欲不振」「便秘」「下痢」などが見られるようになり、症状が進んでしまうと腸閉塞を引き起こし、手術が必要になることも……。
そのため、普段より抜け毛の量が多い換毛期は特に注意が必要です。
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ゴロー
ややっ。毛球症は怖いでありますね…。
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ランラン先生
猫にとってグルーミングは、心を落ち着かせたりするためにも必要な行為です。それだからこそ、ある程度は仕方がないことなのですが、毛球症にならないように、一緒に対策をしてほしいです。
猫の抜け毛対策法
猫は生後半年を迎えたあたりから、抜け毛が目立つようになります。毛球症を未然に防ぐためにも、1年を通じて抜け毛対策をしっかりと行ってあげてください。
■ブラッシング

猫の抜け毛対策として1番欠かせないのが、「ブラッシング」。
ブラッシングをすることで抜けてしまった毛を取り除けるほか、毛のほつれなどもケアしてあげることができます。
通常時期は短毛種で週に2~3回程度、長毛種は1日1回が理想的です。しかし、換毛期は普段以上に抜け毛が多いため、短毛種でも1日1回、長毛種は1日2回くらいを目安に行うことをおすすめします。
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クリ
クリはねえ、ブラッシングが大好きなんだ~。でも、しつこくされたせいで、ブラシを見ただけでうんざりしちゃう子もいるみたいだよ~。
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ランラン先生
中にはブラッシングがあまり好きではない猫もいます。健康のためだからと無理にブラッシングを繰り返していると、ストレスを与えたり信頼関係にヒビが入ってしまうこともありますので、他の方法もご紹介しますね。
■毛玉ケア専用フード・おやつ
多くの猫用の毛玉ケア専用フードには、食物繊維が豊富に含まれているため、体内の毛玉を絡み取り、便の排出をスムーズにするのに役立ちます。
抜け毛量が増える時期や、抜け毛量が多いのになかなか吐き出せずにいる場合は、一時的に毛玉ケア専用フードに変えてみたり、普段のフードに少し混ぜたりするのも効果的です。
また、毛玉ケア用のおやつもおすすめ。猫の嗜好性を考えた味付けや香りのものを選んであげると、ごほうび代わりにもできます。
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ムー
あら、オヤツで対策できるなんて素敵じゃない。ムーは毛球症対策に美味しいのたっぷりでお願いするわ。
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ランラン先生
当たり前ですが、食べすぎはダメです。
そうそう、お腹の中に溜まった毛玉を排出するのに役立つ成分を含んだペーストタイプのアイテムも売っていますから、それを活用するのも良いかもしれません。
■猫草

外で暮らす猫は、本能的に草を食べて胃腸の調子を整えます。草を食べることによって胃を刺激し、毛玉や異物の排出を促しているのです。
室内で暮らす猫にも、抜け毛対策・毛玉対策として「猫草」を与えてみましょう。
一般的な猫草は「燕麦(エンバク)」という別名カラスムギの若葉、または小麦や大麦の若葉のことで、イネ科の穀物になります。ペットショップやホームセンターなどで簡単に入手できますよ。
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ゴロー
これは!ボクちんの大好きな猫草であります!このツンツンした感じがたまらなくクセになるでありますよ~。
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ランラン先生
自宅でとっても楽に栽培もできますし、好きな猫も多いのでオススメです。
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ゴロー
そういえばそろそろ猫草のパトロールの時間でありますね。ボクちんが猫草の成長を見守ってくるであります。日々の成長を見ていると、なんだかボクちんも元気が出るような気がするでありますよ。
おわりに
今回は、猫の換毛期の役割や、おすすめの抜け毛対策法についてご紹介しました。
室内で暮らす猫は1年を通して毛が抜けるため、外で暮らす猫ほど換毛期の抜け毛量は多くありません。しかし換毛期は普段よりも毛が抜けやすい状態であるため、ブラッシングなどのケアをしっかり行ってあげることが大切です。
猫の健康維持・病気予防のためにも、換毛期など抜け毛の量が多い時期は、毛づくろいのときに飲み込んでしまった毛を便や嘔吐で排出できているか、こまめにチェックするようにしてくださいね。
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