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2021.10.14
そろそろ気になる?膀胱炎とストルバイト結石について調べてみました[#調査隊レポート]
これから季節が進み、寒くなっていきます。寒くなってくると多くなるのが猫の膀胱炎やストルバイト結石といったおしっこトラブルです。
ぶり返してしまうことも多く、なにか対策を始めたいと考える方も多いのではないでしょうか。
膀胱炎やストルバイト結石の対策として行えることにはどのようなものがあるのでしょうか?これらのトラブルが起こる仕組みと普段の食事から取り組める対策について調べてみました。
猫の膀胱炎とストルバイト結石の基礎情報
■猫の膀胱炎の基礎情報
猫の膀胱炎は膀胱が炎症を起こしてしまうトラブルです。炎症を起こした膀胱の粘膜から出血を起こし、血尿が出ることもあります。
人間では排尿時に痛みや違和感があるので、猫も同じように感じていると考えられています。
何度もトイレに行くけれど、尿が出なかったり、猫のおしっこをチェックして、尿の色が赤っぽかったりして血尿に気が付き、動物病院で受診して膀胱炎が分かることが多いようです。
原因としては、猫の膀胱の中で雑菌が繁殖してしまうことのほか、猫ではストレスが原因となり膀胱炎を引き起こすことが分かっています。最近では猫の膀胱炎とストレスの関係性に注目し、治療においてもストレスに対するアプローチを行うことも多くなってきているそうです。膀胱炎は多くの猫が起こしてしまう、そしてぶり返しやすいトラブルといわれています。
■猫のストルバイト結石の基礎情報
ストルバイト結石は膀胱の中でリン酸マグネシウムアンモニウムという成分が結合して、結晶や石になってしまう状態です。最初は目に見えないほど小さな結晶ですが徐々に大きくなっていき、ある程度の大きさになると結石と呼ばれるようになります。この結晶や結石のもとになってしまう成分はすべて健康的な猫の尿にも含まれているものです。
この結晶がたくさんできたり、大きくなってしまうと尿道をふさぎ、おしっこをすることができない状態になることもあります。
おしっこができないと体内に尿の成分が回ってしまい、命に係わる状態になるケースもあるそうです。
膀胱炎とストルバイト結石には深い関係があるといわれています。膀胱炎になった猫はおしっこの回数が減り、膀胱の中に尿が留まる時間が長くなり、尿に含まれる成分がストルバイト結石になりやすくなります。
これらのトラブルの関係を知ると、対策を考える時の助けになりそうです。
猫の膀胱炎とストルバイト結石対策の取り組み
膀胱炎、ストルバイト結石のできる経緯を踏まえて対策を考えてみましょう。膀胱炎がストルバイト結石ができやすい状況になることを踏まえると、膀胱炎にならないように飲水量を一定以上維持することがとても大切です。これらのトラブルは、おしっこの回数がキーポイント。
膀胱炎の原因のひとつに、膀胱の中で雑菌が繁殖してしまうことがあります。これを防ぐために、おしっこの回数をきちんと維持させることがとても大切です。健康的な尿の回数の猫であれば、膀胱の中で雑菌が繁殖して、膀胱炎に繋がってしまう前に尿で排出することができます。
猫のおしっこの回数を減らさないためには、飲水量を維持することが非常に重要になります。猫の先祖は乾燥した砂漠で暮らしてきた歴史を持っているため、犬や人間と比較すると飲水量が少ない動物ですが、これが寒い時期になるとさらに飲水量が減る傾向にあります。そこでオススメしたいのが、猫の飲水量をある程度維持するための工夫、そして猫が安心してトイレができているかをチェックすること、さらにストレス解消のための遊びを取り入れることです。
■食事やオヤツで飲水量を維持しよう
水を飲む以外でも、ウェットフードを食べさせる、スープをドライフードにトッピングするなどの方法で食事から自然な形で水分を摂取させる方法がオススメです。
嗜好性の高いゴートミルクやスープ、ピューレタイプのオヤツを与えて楽しみながら水分を摂取させる方法も良いですね。
■トイレの環境を見直そう
寒くなってくると、猫も暖かい場所にとどまろうとします。猫のトイレが暖房がきいていない場所にあったりすると、トイレに行かなくなることも。寒い時期、おしっこトラブルが心配な時期は猫のトイレを暖かい場所に移動させたり、新しく増やすなどの工夫も効果的です。
もちろん、こまめに掃除を行い衛生的な状態を維持するほか、猫が安心してトイレができるように人通りがあまり多くない場所に設置することもオススメだそうです。
■ストレスの管理も非常に重要
それから、もう一つ膀胱炎やストルバイト結石などの対策で意識したいことが猫のストレスです。
猫が強いストレスを感じると膀胱炎を起こす、という考え方もされるようになってきているそうです。
たとえば、引っ越しや新しい家族が増えた時などは猫が強いストレスを感じやすくなります。また、家に知らない人が来た時や、地震や台風などの災害もストレスになります。
そのほかにも、猫が安心して過ごせる場所がなかったり、ストレス解消になる遊びが十分でない場合などにも注意が必要です。
猫のおしっこトラブルを予防するためにも、ストレスを溜め込ませず、定期的なストレス解消につながる適度な運動(遊び)を取り入れるようにしたいですね。
サプリメントを取り入れるなら、早めがオススメ
猫の健康維持に役立つ成分を含むサプリメントを取り入れるのもオススメです。
おしっこトラブルを意識してサプリメントを取り入れるなら、本格的な寒さが感じられる前から始めてみてくださいね。
サプリメントはすでに膀胱炎などになってからではなく、健康的な状態を維持するために使用するものです。(サプリメントと薬の違いについてはこちら:猫のサプリメントと「薬」の違いとは?サプリメントを与えるタイミングを考えよう)
猫の尿のpHがアルカリ性に近い状態が続くと、膀胱の中で雑菌が繁殖しやすくなったり、ストルバイト結石ができやすくなります。そこで、サプリメントの中には、尿のpHをアルカリ性から酸性に傾け、健康的な猫の尿pHに近づける働きを持つ成分を含むものがあります。
使用する際のポイントとしては、尿のpHを変化させるサプリメントを使用する際は、必ず尿pHをチェックするのに役立つアイテム(ロールpHチェッカー)を使用し、尿のpH値がアルカリ性によっていることを確認してから使用するようにしてください。尿のpHが酸性に傾いた状態が続くと、今度はシュウ酸カルシウム結石という別の結石ができやすくなってしまいます。
おしっこトラブルに悩む猫に人気サプリメント
- 詳細を見る クラニマルズ オリジナル (猫用) 60g オーガニック認定を受けたクランベリーを使用。クランベリーは、尿路の健康維持に役立ちます。
- 詳細を見る POCHI クランベリーパウダーゴールド+DLメチオニン(pHコントロール)(猫用)100g アルカリ性に偏りがちな尿pHを正常値で維持するために作られたサプリメントです。含有成分のメチオニンは尿pHを健康な弱酸性に保ちます。
- 詳細を見る アミノコンプレックス pHコントロール 日常の食事と一緒に給与することにより尿pHを健康な弱酸性に保つことを目的に開発された猫用サプリメントです
膀胱炎やストルバイトになってしまったら、動物病院で療法食を進められることも多いです。
そのときには症状が落ち着くまでは指示に従い、療法食を与えるようにしてください。病院で一般食に戻す許可が出たら一般食に戻し、サプリメントをプラスするという形で再発に備えるという与え方は良いと思います。
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おわりに
本日は寒くなると猫に起こりやすい膀胱炎、ストルバイト結石などのおしっこトラブルを意識した食事の工夫についてご紹介しました。
膀胱炎とストルバイト結石にはおしっこの回数が減ると起こりやすいという共通点があるので、いずれも飲水量を増やし、きちんとトイレに行くことを心がけることが非常に大切です。
サプリメントなどを取り入れることもオススメですが、それは補助的な役割で早めに取り入れるのがオススメです。
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