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2018.11.16
monさんの初恋の猫
“猫と日々過ごしている方でなければ捉えられない猫がそこにいます。”
初恋の子の前に。一緒に暮らしている猫のことを教えてください
いま共に暮らしている猫は、出勤時のある日の朝、突然私の前に現れ、初対面で脚に擦り寄り、人懐こい野良でした。
餌をあげた事もなく、遊んだ事も無いにも関わらず、余りにも懐こいので、暫くは何処かで飼われているのだと思い込み、休日は敷地内を探して、会えた時だけ、猫じゃらしで遊ぶ。を繰り返していました。一度遊んだ翌日夜には、私の靴か足音かだけで私が来たと分かったようで、短く『ニャ!』やぁ!みたいな感じで車の下から飛び出て来て可愛かったです。
ひと月程会えない時期や、寒くなり始めたにも関わらず、夜でも駐車場にいる事に違和感を覚え始め、何処で飼われているのか確かめようと休みの日に一日中側にいました。そうしたら、夕方誰かに向かって急に大きな声で鳴き始め、走って移動したので追いかけてみると、お迎えのおばあさんがいました。
お家がある、と、安心したのですが、更に寒さが厳しくなり、それでも外にいる猫を見ていて、寒さが苦手な筈なのにおかしい。と考え、猫と共におばあさんを待ちました。おばあさんは御飯をあげに来ているだけで、飼ってはいない事が分かり、野良だと言われました。
台風が来る前の日に、保護しようとビニール袋など広げただけで、猛ダッシュで逃げて行き、行方分からずの時期もあったと聞き、ひと月ほど会えなかった理由も分かりました。
それから、寒さが気になり、ダンボールで家を作り、中にフリースを敷いたり、毎日ホッカイロを入れたり、雨除けのビニール付きのダンボールに変えたり、、と、4代目くらいまで改良を加え、ダンボールハウスを作りました。
そんなこんなで最終的には、雪の降る頃に私が自宅まで抱きかかえて帰り、いま一緒に暮らしています。動物病院では、迷い猫の情報もなく、マイクロチップも入っておらず、生い立ちは不明なままですが、おばあさんとも交流が出来ました。
心がオープンマインドなのか、家族にも早い内に懐く様になり、可愛がられています。
困った事は、全てのドアを開ける術を突然身に付けたこと。不満があると突然噛んで来る事です。噛まれた後の内出血と腫れがとても痛い毎日です。
猫のことを大切に思うきっかけとなった、猫への初恋を教えてください
私の初恋の猫は、絵本『オレときいろ』の主役、『オレ』くんです。勿論、二次元ではなく、現実で触れ合う猫たちにもキュンキュンしながら毎日を過ごしていますが、私が瞬く間に心奪われた猫は、オレ。くんです。
私は小さい頃、猫、というより、人間以外の生き物と接する事が怖い気持ちがあり、母の実家や親戚のおうちに行くと必ず居た多頭飼いの猫たちから距離を置くように過ごしていました。距離を取りつつ、猫じゃらしを振っては逃げたり。そんな私でも、高校生になる頃には、友人宅に住み着いた野良ちゃんの子供を一匹引き取る事に。
母は猫と暮らしていた生活が長く、大好きだった為、即決でした。引き取ってから初めての猫との生活は、触れるようになるまで時間がかかったような記憶があり、猫の方も、慣れない家で隠れてばかりでした。その為、始まりは初恋とは少し違ったものでした。
その後はいつの間にか、一緒に遊び、共に寝転んだりする様になり、猫大好き!に変わっていました。その時の猫も、いま共に暮らしている猫も、どちらもオス猫。初恋の猫『オレ』くん。出会いは作者ミロコさんの展示にて。絵本ではなく、原画で出会いました。原画は紙芝居を見る様に、いつの間にか釘づけの自分がいました。
春の訪れ、季節の微妙な変化を敏感に感じ取る猫のいつまでも少年の心を持ち合わせた様な、オス猫の話です。
絵本の宣伝の様ですが、絵本の中では、猫がふと何かに夢中になる、爆発するエネルギーみたいなものを感じ、いつの間にか読んでいる自分もハイテンションに。猫と日々過ごしている方でなければ捉えられない猫がそこにいます。