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2023.07.27
8月8日は『世界猫の日』!世界の猫に関するお祭りを探してみました。
8月8日は、『世界猫の日』。
全世界の猫を愛する人々が、猫に思いを馳せ、その愛らしさを共有し、末永く続く猫と人間の良好な関係を願う日です。日本では、2月22日の「猫の日」の認知度が圧倒的ですが、世界には「猫の日」や「猫のお祭り」ってあるのでしょうか?
気になったので、世界の猫のお祭りについて調べてみました。
『世界猫の日』について知ろう
まずは、世界的に定められている猫の記念日、世界猫の日について。
「世界猫の日」は8月8日に定められています。
動物愛護団体である国際動物福祉基金(International Fund for Animal Welfare:IFAW)が2002年に「International Cat Day」として制定したことが始まりとなっています。
もともとは、人間と猫の変わらぬ絆を深めあい、そして大切な猫たちに安全で幸せな生活を提供するために、努力することを誓う日です。
猫と一緒に暮らしている人はもちろん、「いつか猫と一緒に暮らしたい人」や「過去に猫と暮らしたことがある人」「触ったことがないけれど、猫が大好き」という人まで、すべての猫を愛する人が猫について語り合い、猫が末永く元気で過ごしてもらうための建設的な議論を重ねる日でもあります。
近年では、この日にボランティア活動のサポートなどを呼びかけることもあるそうです。
ところが、International Catday(世界猫の日)公式ホームページを参照してみると、また違った「猫への貢献」が紹介されていました。
■猫とたくさん遊ぼう"Purrfect Play Every Day"
世界猫の日の公式ホームページには、2023年こんな標語が書かれていました。"Purrfect Play Every Day"(完璧ニャ遊びを毎日)
猫たちにとって、遊びはとても大切なもの。
純粋な肉食動物である猫には、ハンティングをしておいしい獲物をゲットしたい、という狩猟の欲求が備わっています。
家で暮らすようになった猫たちにもその遺伝子は脈々と受け継がれています。猫たちにとって、遊びは狩りと同じことなのです。
野生では、食料を得るために猫は、エネルギーの最大50%を狩猟に費やし、1日のカロリー要件を満たすために10~20匹の獲物を食べるといわれています。
猫の食事とハンティングは強く結びついていて、ハンティングを行わないと食欲がわかない、という猫もいます。
適度な運動を伴う遊びは、食欲だけではなく、様々なストレスの解消に繋がり、体重管理、精神的な安定性の維持などにも役立ちます。
そして何より、家族と猫との絆を深めることにもつながります。
猫との遊びは、猫のためでもあり、私たち人間にとっても嬉しいメリットが盛りだくさん。
世界猫の日はうちの子が大好きなオモチャや遊びで、とことん遊び倒してあげてくださいね。
※「世界猫の日」では、多頭飼育の場合はそれぞれの猫と個別に遊ぶ時間を設けることを推奨しています。大変かもしれませんが、それも猫との充実した時間のため。可能であればご検討ください。
他にもある、猫の日ベルギー・イーペルの「Kattenstoet」5月第2日曜日
フランスとの国境近く、ベルギーのフランドル地方の小さな町、イーペル。
人口4万人ほどですが、3年に1度、5月の第2日曜日になると、世界中から猫好きが大挙して押し寄せる「猫祭り」の会場となり大盛り上がりするそうです。
かつて、毛織物の一大生産地として有名だったイーペル。貴重な毛織物をネズミや害虫がダメにしてしまうのを防ぐため、人々は猫たちをとても大切にしたそうです。
ところが、14世紀に入るとペストの流行に伴って魔女狩りが行われるようになり、猫を愛するイーペルにもその余波が押し寄せました。当時、ヨーロッパでは猫は「魔女の使い」と決めつけられ、そんな猫をかわいがるイーペルの人々は"魔女""異教徒"のレッテルを貼られてしまいました。
その疑いを晴らすため、イーペルの街の猫は犠牲になったのでした。
この時のことをイーペルの人々は忘れることはありませんでした。自分たちをずっと助けてくれていた猫を救えなかった、という後悔もあったのかもしれません。その後、この暗い歴史を忘れないように、「Kattenstoet」は猫のぬいぐるみを使って悲劇を真似る形でお祭りとして成立していきました。
現在では、「Kattenstoet」はすっかり楽しいお祭りに姿を変え、顔に猫のペイントをした人、猫の仮面をつけた人、猫の着ぐるみを着た人などが街に繰り出し、猫に町中が占拠されます。
イーペルの旧市街では、15,000匹(人)とも言われる猫が登場する猫祭りパレードが行われます。パレードの最後には、猫の王様シープルと猫の王妃ミネケ・プスの全長50mを超える超巨大な山車が登場し、パレードの盛り上がりは最高潮に。
イーペルの猫祭りのクライマックスは、道化師が街の鐘楼から黒猫のぬいぐるみを投げ落とす儀式。
このぬいぐるみをキャッチできた人には幸福が訪れるそうで、子供から屈強なマッチョまでみんなが猫をゲットしようと必死になる一大イベント。(ケガに注意)
ちなみに、ぬいぐるみをゲットできなくても、まったく同じぬいぐるみがお祭りの屋台でも売られていますので、ご安心ください。
猫たちに対して「今度は幸せになるんだよ」というイーペルの人々の願いが込められているお祭りです。
他にもある、猫の日マレーシア・クチン市の「Kucing Festival」8月1日~30日
世界にはまだまだ猫に関するお祭りがあります。
次にご紹介するのは、東南アジアの国・マレーシアに実在するお祭り「Kucing Festival(猫祭り)」。
このお祭りがおこなわれる街の名前は「クチン」と言い、現地の言葉で「猫」の意味です。日本語で言うと、猫市で猫祭りを行う、という感じでしょうか。街中には猫美術館や猫博物館など、猫に関する施設も充実していて、猫好きの隠れた人気スポットになっているとか…。
市内では無数の猫のオブジェと同じくらい、自由に闊歩する猫もたくさん見かけます。赤道直下のマレーシアでは寒さに震えることもありませんので、猫は1年を通して気ままに涼しい場所を探すような形です。
中には、人の家に堂々と入り込んで涼んでいくツワモノもいるのですが、現地の人々は「え?家の中に猫?アハハ、オッケーオッケー」「猫だもの、仕方ないわ」と大らかな気持ちで猫と共存しているようです。(マレーシアの方は大らかな人が本当に多いです)
クチンの街の紋章にもかわいい猫が描きこまれています。紋章というとライオンやドラゴン、ワシなどの強そうな生き物のイメージがありますが、クチンの場合はかわいい猫。猫愛があふれた街なのです。
このクチンの街で開催されるのが、ズバリ猫祭りなのですが、期間はなんと1カ月。8月いっぱい、市内のいたるところで猫の集会のように、小さなイベントがたくさん開催されるそうです。
屋台で現地の料理を楽しみながら、猫にちなんだイベントにふらりと参加するような日々が約一か月間続きます。まるで猫の食事スタイルのように、美味しいものや楽しイベントをちょこちょことつまめるのが「Kucing Festival」の特色と言えそうです。
一番のハイライトは、第一土曜日に開催されるネコパレード。
猫を愛する人々が自慢の猫コスチュームに身を包んで市内を2時間程練り歩くとか…。主役である猫たちは驚いて隠れてしまいそうな気がしますが、マレーシアでは猫も大らかで、奇妙な格好をしている人がいても許してくれるのかもしれません。
他にもある、猫の日日本・静岡県「かんなみ猫おどり」
以前、tamaでもご紹介した「猫おどり」の昔話(▽猫も盆踊りを楽しんでいた!?「猫おどり」の昔話)をもとにしたお祭りが現在も行われています。
その中の一つが、静岡県の田方郡函南町(たがたぐんかんなみちょう)で行われている、「かんなみ猫おどり」です。
30年ほど前には、木彫りの「猫菩薩」を乗せたお神輿を子どもたちが担いで街を練り歩いたりするパフォーマンスもあったそうなのですが、近年では猫の動きを取り入れた踊りのパフォーマンスがメインになっているようです。
今はまだ小さな町のイベントではありますが、このお祭りが数十年、数百年続けば…将来的には日本を代表するお祭りになっているかも、しれませんよね。
ちなみに、猫菩薩は猫おどりの期間中は会場で、普段なら現在函南町にある曹洞宗 渓月山長光寺に行けば拝観できるそうですよ。
いつもはお寺のご本尊、釈迦牟尼如来(しゃかむににょらい)の隣に寄り添っているそうです。
お寺の中にも猫たちの姿。副住職の役職を持っている猫から、修行中の猫まで、さまざまな姿を見せてくれるそうです。
近年では、大河ドラマで一躍大人気となった、鎌倉幕府三代将軍・北条実朝に縁がある伊豆山神社に連なるお寺としても、注目されています。
おわりに:猫を称えるイベントを楽しもう
今回は、世界と日本国内で行われる「猫のお祭り」についてご紹介いたしました。改めて色々な猫のお祭りを調べてみると、いくつか共通点が見えてきます。
それは、いずれのお祭りにも「猫に仮装する」という点があります。
もしかすると、人間には潜在的に「猫になりたい」という気持ちが世界共通で存在しているのかもしれません。猫の可愛い姿に魅せられ、憧れの気持ちを抱くのは世界共通の真理と言えそうです。
猫の美しさ、そして自由で愛され上手な生きざまに憧れと尊敬の気持ちを抱きながら、世界猫の日にはぜひたっぷりの時間をかけて、猫と遊んでみてくださいね。