• コラム
  • スタッフコラム

2020.09.17

どうして?何ができる?猫の食欲不振にできるひと工夫

どうして?何ができる?猫の食欲不振にできるひと工夫

昨日まで綺麗に食べていたキャットフードを、残すようになったり、明らかに食いつきが悪くなる、まったく口をつけなくなってしまう…。そんな猫の様子に悩む方も多いようです。

猫が食べなくなってしまったら、どうにかして食べさせたいと思うもの。食欲不振を解消するためには私たち家族はどんなことが出来るのでしょうか。

今回は、猫の食欲がなくなってしまった時に考えられる理由と、始められる取り組みについてご紹介します。

猫が食べなくなる理由


猫が急に食欲がなくなったり、食事を食べなくなってしまう理由にはどんなものがあるのでしょうか?

■キャットフードに飽きてしまった

猫はとても賢い動物です。いつもの食事とは違うものが食べたい、と思った時に気に入ったものが出てくるまで、フードに口をつけなくなるという頭脳プレーをすることがあります。
猫は以前食べた美味しいものを覚えていて、それを食べたいと主張している訳ですね。言葉を発することはできない猫ですが、こうやって意思表示することがあります。
 

■気温など環境の変化


気温の変化も猫の食欲に影響することがわかっています。猫だけではなく哺乳類は体温を維持するために常にエネルギーを消費していますが、気温が低い時ほど体温維持に必要になるエネルギーは大きくなり、逆に気温が高い時には必要なエネルギーが少なくなります。
そのため、暑い時期には体温維持に必要なエネルギーが小さくなるので、食欲が落ちることがあります。
 

■以前よりエネルギーや栄養が必要なくなった

食欲が落ちてしまった、と感じたとしても実は猫にとっては十分なエネルギーや栄養が摂取できている場合もあります。
猫のライフステージによって必要となる栄養やエネルギーの量は異なります。
成長期には健康的に育つためにより多くの栄養やエネルギーを必要とする一方、成長が止まると成長に必要なぶんの栄養やエネルギーはいらなくなるので、食欲が低下します。また、シニア期になると筋力や運動量も低下するので、このタイミングでも食欲が落ちることがあります。
それぞれのライフステージに合わせて、猫が自ら摂取量を調整している可能性があります。
 

■実は十分に食べられている

猫がエネルギーや栄養を摂取するのは、キャットフードからだけではありません。猫とのコミュニケーションの手段としてオヤツを与える方も多いと思いますが、オヤツを食べると当然栄養やエネルギー、満足感も得られます。
オヤツに限らず、食事以外に何かを食べているようであれば、十分に栄養がとれていて、お腹が減らないのでキャットフードを食べなくなってしまうということも起こります。猫との仲を深めてくれるオヤツですが、与えすぎると栄養の偏りにもつながります。

 

■ストレスを感じている

ストレスを感じると、食欲が落ちるのは猫も人間も同じです。引っ越しをしたり、家具の配置が変わったり、家族が増えたりなど、猫にとってさまざまなことがストレスになります。
台風や雷などが苦手な猫の場合、これらを見たり感じたときにも強いストレスを感じて食事が出来なくなることがあるようです。
新しく家族に迎え入れた猫も、環境に慣れるまで何も食べることが出来ないということもあるようです。

 

■病気かも?

猫も体調が悪かったりすると、食欲が低下します。食べなくなってしまうだけではなく、ぐったりしていたりどんどん痩せてしまう時には、体調の変化のサインとして食欲が落ちていることも考えられます。また、食欲があるようなのに食べられない、ドライフードを噛み砕いたり飲み込むことに苦労しているようであれば、口内炎や歯周病などの口内トラブルが起きていることも考えられます。
おかしいと思ったときはかかりつけの動物病院で相談してみてください。

猫の食欲不振解消にできる工夫

色々な原因がある猫の食欲不振。病気の場合は動物病院での治療が第一になりますが、それ以外の場合に家庭でできる工夫もあります。
猫の食事への興味を呼び覚まし、再び美味しく食事を楽しめるようにするためのきっかけづくりの参考にしてみてください。

■ウェットフードを取り入れる

総合栄養食タイプのウェットフードの種類も豊富です。

総合栄養食タイプのウェットフードの種類も豊富です。

猫の食欲不振には、嗜好性が高いウェットフードを取り入れるのもオススメです。猫の食欲を誘う香りや食感、そして適度な水分を持つウェットフードは、獲物を狩って生肉を食べていた猫本来の食事スタイルに近いともいわれています。
総合栄養食の基準を満たしたウェットフードもあるので、ドライフードに興味を示さなくなったら、主食をウェットフードに切り替えるのもオススメです。

 

対象商品を見る

■元気があるなら、遊びや運動を取り入れてみる

宝探しゲームもできる、猫のためのおもちゃのようなフードボウルもございます。

宝探しゲームもできる、猫のためのおもちゃのようなフードボウルもございます。

猫の元気があるようであれば、運動不足によって消費エネルギーも少なくなり、食欲がわかなくなっているかもしれません。
野生下では猫たちは優秀なハンターでした。猫が食事を手に入れるためには、獲物を捕まえる必要があったのです。そのプロセスを再現するように、おもちゃを使って猫が狩りを体験できるような遊びをしてみたり、食事のスタイルそのものに宝探しのような遊びを取り入れてみると、気分転換にもつながりますし、適度な運動に繋がります。

 

■オヤツを含めて食事の量を見直す

主な食事となるキャットフード以外に、オヤツなどを食べさせてはいないでしょうか。オヤツであっても猫にとっては食事と同じ。量や与える頻度が多すぎると、キャットフードを食べなくなってしまうことも多いです。
オヤツの量を減らしたり、なしにすることでしっかりキャットフードを食べるようになることもあります。猫が喜ぶのが嬉しくて、つい食べさせすぎてしまうと栄養バランスが崩れる可能性があります。

 

■キャットフードをローテーションする

複数のキャットフードをローテーションして、飽きさせない工夫も。

複数のキャットフードをローテーションして、飽きさせない工夫も。


定期的にフードを食べなくなったり、気に入ったものが出てくるまで食事を拒否する猫には、過去に気に入って食べていたキャットフードをいくつかストックしておく方法がオススメです。
そろそろ食いつきが悪くなってきたと感じたら、用意しておいた別のキャットフードに切り替えてみましょう。3種類ほど気に入ったものがあれば、それらをローテーションして与えることで飽きてしまった時の対策ができます。

■どうしても食べさせたいなら大好物を

だって、猫もおいしいものが大好きですから。

だって、猫もおいしいものが大好きですから。

病気などで食欲が落ちている猫や、長く食べないことが続き、痩せてしまっているなどで「どうしても食べさせたい…」という時には、やはり猫の一番の大好物が効果的です。おいしい好物を食べることで食に対する関心が復活して、体力作りに必要な栄養を少しでも摂取することができるかもしれません。
体にいいもの、健康なものでなくとも猫が興味を示すかどうかを優先に、食のサポートをしてみるのでもいいと思います。

おわりに


今回は、猫の食欲が落ちてしまった時、私たち家族が出来る工夫についてご紹介しました。今回ご紹介した工夫は一例で、すぐに効果が出ることも、猫によっては全く出ないということもあるかもしれません。

やはり猫には美味しそうにごはんを食べて、満足そうな表情を見せてもらいたいもの。食事を用意する家族の工夫が足りないから、などと自分を責めてしまう方もいるかもしれませんが、猫は私たちが猫のためにしていることはきっと分かっています。
今回ご紹介したアイデアなども参考にしつつ、猫の食欲を刺激するきっかけを探してみてください。