人間にとっては嗜好品でもある、ビール。冷た～く冷やしたビールをおつまみと一緒にいただく、そんなひと時が至福のとき、という方もいらっしゃると思います。そんなビールを製造するときに欠かせないのが、ビール酵母。
このビール酵母は猫たちの体調管理にも役立ってくれる心強い味方になってくれます。tamaで取り扱っているサプリメントの中にはビール酵母が使用されているものも。

本日は、サプリメントとしてビール酵母がもたらしてくれる猫たちに嬉しいポイントについてご紹介します。

ビール酵母サプリメントって、一体なに？

私たち人間のサプリメントだけではなく、猫たちのサプリメントにも使用されることがある、ビール酵母。これらのビール酵母は本来、その名の通りビールを醸造するために使用された酵母菌を乾燥させたものです。酵母菌は、分かりやすく言えば、人間に有益なものを作り出してくれる微生物です。

ビールを醸造する際に、酵母は麦汁をアルコールと炭酸ガスに分解する働きを持っています。
サプリメントとして使われるビール酵母は、麦汁を分解し、役目を終えた酵母をろ過して取り出します。
取りだした酵母は死菌の状態で、体の中で働くことはありません。また、酵母そのものにもアルコール成分などは含まれていませんので安心してくださいね。

猫にビール酵母が嬉しい理由

■猫にとっての必須アミノ酸を網羅している

必須アミノ酸とは、体の中で作ることができないアミノ酸で、食事から補う必要があるもののことを指します。動物によって体の中で作ることができるアミノ酸の数は異なるため、人間では9種、猫では11種のアミノ酸が必須アミノ酸と指定されています。

これらのアミノ酸をバランスよく摂取することが、健康のためには大切です。というのも、必須アミノ酸を体の中で使用するときには、最も量が少ないアミノ酸にあわせた量しか使用されない「桶の法則」が存在するからです。
こちらについては、以前Dr.マイのコラムでもご紹介していますので、ぜひご覧ください。(Dr.マイのコラムはこちら→良質なタンパク質って？アミノ酸スコアからタンパク質を考える)

ビール酵母には猫の必須アミノ酸の10種類全てが含まれており、非常にアミノ酸を摂取する上で効率が良いということが言えるのです。

　

　

■腸内細菌の発育を育てる栄養も含んでいて、整腸作用が期待できる

■第7の必須栄養素ともいわれる「核酸」を含んでいる

「核酸」とは、遺伝子情報を含み、細胞の設計図といわれる「DNA」と、設計図を読み取る大工さんと言われる「RNA」によって構成される成分。
新しい細胞を作り出すために必要な成分である「核酸」は、肝臓や腎臓で作られますが、人間では20歳あたりをピークに加齢とともに減少するといわれています。
ビール酵母には、核酸のひとつであるRNAが豊富に含まれています。
体内にRNAがあるときには、肝臓がDNAを作り出すといわれています。

■猫の食欲を促進する

一部の猫たちの中には、ビール酵母が放つ独特のにおいが大好き！という子もいるようです。もちろん、これは猫たちの好みなどにも関わる部分ですので、全ての猫たちにいえることではないのですが、ビール酵母のにおいが食欲を促進し、以前よりも食いつきがよくなる、というケースもよくあるようです。

おわりに

猫たちにとって嬉しい効果があるビール酵母ですが、猫の食事に取り入れる際はパウダータイプや錠剤タイプなど、猫の性格やごはんの与え方に合わせて形状を選んでみるのも良いかもしれません。
特にシニアや病気・怪我などの療養中で食欲が落ちてきている猫の場合には、豊富な栄養素を補うことができるビール酵母は心強い味方になってくれるはずです。猫たちの体調管理をしていくための、選択肢の一つとして覚えておくと良いかもしれませんね。