- コラム
- スタッフコラム
2023.06.08
キャットフードに保存容器は必要?フードの酸化と保存法について
猫たちの毎日の食事であるキャットフード。日本では、保存が容易なことから猫と暮らしている約90%以上の方が、ドライフードを主食として与えているようです。(日本ペットフード協会 2022年調査より)
でも、保存しやすいドライフードと言っても、開封後時間が経過するごとに品質は劣化していってしまいます。
そんなキャットフードの劣化を防ぐために大切になってくるのが、キャットフードの「酸化」について知り、適した「保存方法」を知ることです。
今回は、キャットフードの中でも「ドライフード」に注目して、酸化を防ぐために知っておきたい保存法などについてご紹介いたします。
酸化が進んだキャットフードに要注意。
■キャットフードの酸化とは?
キャットフードに含まれる「脂質」などの成分が酸素と結びついたり、紫外線などに反応して変性してしまう現象を「酸化」と言います。
■酸化が進んだフードは要注意
酸化が進んだキャットフードは、猫にとっても人間にとっても嫌な臭い(酸化臭)を放つようになるほか、変性した脂質が毒性を持ったりすることもあります。
猫自身も酸化したものが有害であることを本能で分かっているのか、酸化が進んだフードは嗜好性がガクッと下がります。
また、キャットフードには猫の健康維持に必要な栄養成分が色々含まれていますが、これらの成分も酸化によって変性してしまい、本来期待されていた役割を果たすことは難しくなります。
猫に食べさせるキャットフードを選ぶ時には、使用される原材料や栄養バランスなどを中心にさまざまなポイントをチェックしている方が多いと思います。栄養をしっかりと取り入れるためにも、酸化を抑えることは大切です。
キャットフードの酸化を進める要素とは?
キャットフードを保存していくうえで注意が必要な酸化。では、ここでどのような要素が酸化を進める要因になっているのかをご紹介いたします。
■なるべく空気に触れさせない
やはり酸素に触れることで脂質の変質はより進みやすくなります。そのため、真空パックを採用するほか、ガス充填などによって酸化を抑制しているメーカーもあります。酸素に触れることがキャットフードの酸化を進める代表的な理由として取り上げられる機会が多いのですが、酸素に触れるだけではなく、ほかにも酸化を進める要素は複数考えられますので、総合的に考えて対策をしていく必要があります。
■直射日光、高温を避ける
光もフードの酸化に影響しています。
光は波長を持っていて、その波長も酸化を進める作用を持っています。
特に紫外線は強いエネルギーを持っているため、酸化をより速く進めるといわれています。蛍光灯にも太陽光ほどではありませんが、紫外線が含まれていて、酸化に影響するといわれています。そのため、フードのパッケージには遮光性の高いものを使用しているメーカーが多いです。
■湿気を避けて保存する
脂質の酸化のスピードは、温度が高くなるほど速くなっていきます。ですから、キャットフードを保存する場所は高温にならない場所が推奨されています。温度の管理はフードの酸化を防ぐためには重要な要素のひとつになります。
これらの酸化を進める要素を避けることに加えて、意識したいのが"なるべく早く使い切ること"です。
なるべく早く使い切ることが酸化対策につながります。
基本的にはキャットフードは、開封すると徐々に酸化が進んでいきます。
フードがどれだけ酸素や光、湿気などにさらされたかは、酸化の進みやすさに影響するものです。どれだけ質の良いフードで、立派なパッケージに入っていたとしても、開封した瞬間から酸化が進むことには変わりはありません。
ですから、これらのリスクになるべく触れないようにすること、そして酸化が進む前にキャットフードを使い切ることが一番の対策です。
もちろん、酸化防止成分が含まれていたとしても、これらのリスクが高い状態が続くと当然ながら酸化が進みやすくなります。
キャットフードに保存容器は必要?
キャットフードの酸化や品質の劣化を防ぐ目的で、保存容器に移し替えをすることにはあまりメリットがないように思います。
先ほどもお伝えした通り、キャットフードは基本的には開封してから徐々に酸化が進んでいきます。
移し替えをしたところで、開封しているのですから酸化が進むことには変わりありません。
最近では、フードのパッケージに「ガスバリア袋」と呼ばれる袋を採用しているところがほとんどです。ガスバリア袋はキャットフードのような酸化のリスクがあるものを保存する際に使われる特殊なフィルムで作られた袋です。
ガスバリア袋とは、空気(酸素や窒素)などの気体を通さない「ガスバリア性能」を持つ袋のことで、ジッパー付きで遮光性もあるものもあり、フードストッカーなどとして販売されている、プラスチック製の容器よりも酸化を防ぐ目的では適しているといえます。
小分けパッケージのメリット
一般的に、一度開封してしまった後のキャットフードはどれだけきちんと封を閉めていたとしても、酸素に触れるなどして酸化が進んでいくといわれています。
でも、1日に使い切れる量だけを入れたパックなら、その日のうちに使い切り。翌日また開けたてフレッシュな状態のフードを食べさせられますよね。毎日酸化の影響を最小限に抑えながらキャットフードを与えることができるのです。
そんな便利な小分けパックを実現したプレミアムキャットフードがオススメです。
小分けパックがあるフード
- 詳細を見る tama ボナペティ ラム&フィッシュ(小分けパック50gX20) 1袋が50gと小分けパックなのでいつでも“開けたて新鮮”、低リンタイプ
- 詳細を見る tama ボナペティ チキン&シュリンプ 1袋が50gと小分けパックなのでいつでも“開けたて新鮮”、オールライフステージ対応
気まぐれで、美味しいものへの探求心が強い猫たち。
少しでも安全で安心できるものを食べてもらいたい、そして1日でも長く元気でいてほしい、というのは猫と暮らす私たち全員に共通する願いではないでしょうか。
開封してから時間が経ったキャットフードに気が付いて、食べなくなってしまう子も少なくありません。
あるとき急に食べなくなってしまうのを「飽きっぽい性格」「困った気まぐれ」だと思ってしまっていないでしょうか。この行動にも、猫なりの理由があるのかもしれません。
暑い時期は特に小分けがオススメです。
高温多湿になる日本の夏。
実はこの時期は最もキャットフードの酸化リスクが高くなる時期でもあります。
・高温になる
・湿度が高い環境
・強い紫外線が降り注ぐ
キャットフードを外に長時間放置する方は多くはないと思いますが、日本の夏はドライフードの保存に厳しい環境。
冷暗所に保存し、湿度に気を付けていたとしても、冬と比べるとどうしても酸化は進みやすくなります。
そこで、普段は小分けではないキャットフードを与えている、という方も、酸化が気になるようであれば、夏の間だけでも小分けパックのものを使うのがオススメです。
■ 家庭での真空パックについて
家庭で真空パックにすることができる機械も販売されています。
こういった機械を使って、1日分ごとにキャットフードを小分けにする方もいます。
でも、注意しておきたいポイントがいくつかあります。
キャットフードを家庭で小分けにすると、小分けにする際にどうしても酸素に触れたり湿気を吸ってしまったりするので、品質の保持という意味では工場で小分けにされているフードと比較すると劣るというのが正直なところ。
工場で小分けにされる場合は衛生面に注意した専用の機械を使い、品質の劣化を防ぐガス充填なども行いながら袋詰めされます。キャットフードを小分けにするためにもそれ専用の設備が必要なのです。
しかしながら家庭ではそういった設備はありませんので、市販されている小分けのフードと比較するとどうしても品質の劣化のリスクは高くなってしまうと思います。
おわりに
本日はキャットフードの酸化と、酸化を進める要因についてご紹介しました。
酸化は、キャットフードの嗜好性、栄養、安全性などのさまざまな品質に影響します。とくに夏はフードの酸化を進める要因が多くなる時期。普段より一層、酸化を意識してフード選び等を行ってみてください。
ある時から猫がいつものフードを食べなくなってしまったり、いつもと同じフードなのに下痢気味になってしまった、などの場合にはフードの酸化が関係している可能性があります。猫の健康維持のためにもキャットフードの保存状態や、使い切りの目安を意識して使っていきたいですね。