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2022.12.08
猫の基礎代謝にも深く関係。筋肉を育てる「BCAAアミノ酸」と体重管理
寒さも深まり始め、いよいよ冬がやってきたなぁと感じますね。
どうやら、寒くなると動きたくなくなってしまうのは、猫も私たちと同じようです。暖かい場所でごろごろスヤスヤ。幸せそうにしている猫の寝顔を眺めているとついつい時間を忘れてしまいますが、注意が必要なのがこの時期の猫の体重の変化です。
そこで今回は、猫の肥満対策としてオススメの栄養素「BCAAアミノ酸」を意識した体重管理についてご紹介いたします。
猫の体形が気になってきた…という時に、少しでも参考にしていただけると嬉しいです。
冬の間の猫の体重の変化
寒くなってきて、猫が動かなくなった…。そう感じる方は多いようです。
猫は快適な場所を好みますから、寒い場所への移動をしたがらなくなり、活発さを失い運動不足になる子もいます。
また、寒い時期は体温や被毛を維持するために多くの栄養を必要とするので、食欲が増進されることも指摘されていて、要求されるままに食事やオヤツを与えていたら、気付いたころにはムチムチになっていた…なんてことも。
この時期は冬毛の影響もあって、「これって冬毛?それとも太った?」と変化の境目が見えにくい時期でもあります。
ですから、寒い時期はこまめに猫の体重をチェックするのがオススメ。
「最近運動不足のような気がする…」とか「遊ばずに寝ていることが多い…」といった行動の変化や、「最近やたらとよく食べたがる」といった食欲の変化などが気になったら、まずは体重をチェックしてみてください。以前よりも増えているようであれば体重管理を意識し始めてみるのが良いかもしれません。
BCAAアミノ酸と猫の体重管理の関係
猫の体重管理は難しいといわれ、一筋縄ではいきません。気分が変わりやすい猫の場合「運動をさせよう!」「遊びの時間を増やそう!」と家族が思っても猫の気分次第では続かない、なんてことも多いでしょう。
そんな猫の様子に体重管理をあきらめたり、ダイエット用のフードに切り替えるという選択肢を取る方もいらっしゃると思います。
そこで、もっと気楽に猫の体重管理をすることはできないか……そう思ったtamaスタッフが調べたところ、興味深い栄養素を発見!それこそが、普段の食事の中に含まれる「BCAAアミノ酸」を意識して体重管理をしてみるという取り組みです。
■BCAAアミノ酸とは?
アミノ酸と言えば、タンパク質を構成する成分で、筋肉や皮膚、被毛などのさまざまな細胞を構成しています。猫の場合は、アミノ酸からエネルギーを作ることも得意で、重要なエネルギー源のひとつになっています。
そんなアミノ酸の中には、BCAAアミノ酸と呼ばれるグループがあります。
BCAAとは、「branched chain amino acid(分岐鎖アミノ酸)」のことで、枝わかれするような分子構造をしていることからこう呼ばれています。
アミノ酸の中でも、猫が食事から摂取する必要がある必須アミノ酸は全部で10種類ありますが、その中で、バリン、ロイシン、イソロイシンがBCAAアミノ酸と呼ばれています。
BCAAアミノ酸は筋力の維持に関係することから、アスリートやトレーニングを行う人には以前から注目されている成分でした。
その働きとしては、筋肉を構成する重要なアミノ酸であること、そして筋肉が分解されることを防ぎ、BCAAがエネルギー源として使用されるというものがあります。運動時に筋肉を分解してエネルギーを作ってしまうことを防ぎ、しっかりと筋肉を維持するために役立てられています。
■体重管理とBCAAアミノ酸
猫の体重管理には、BCAAアミノ酸がどのように関係しているのでしょうか?ヒントとなるのは、基礎代謝です。
ご存じの方も多いかもしれませんが、基礎代謝は筋肉量に比例して大きくなっていきます。
当然、基礎代謝が大きくなれば食事量は変わらなくても体重が減りやすくなっていきますので、筋肉をしっかり作って運動することが体重管理のひとつのカギとなっています。
運動不足になって筋肉が落ちてしまうと基礎代謝が落ち、太りやすく、痩せにくくなるといわれているのもそのためです。
もともと、猫は非常に筋肉質な体を持っているアスリートたちです。この筋肉を使ってエネルギーを燃焼させれば、太りにくい体作りも可能なはず。
冬の体重管理の第一段階として筋肉量をしっかり維持して、これ以上太りにくくするために基礎代謝を保つことを意識してみるのも体重管理へのアプローチになるはずです。
■ こんな時にも「BCAAアミノ酸」がオススメ。
高齢になった猫は、徐々に全身の筋力が低下していきます。これは加齢に伴う現象で仕方がない部分でもあります。
実は、減少していく筋肉を補うため、シニア期の猫はそれ以前よりも多くのアミノ酸を摂取することが推奨されています。
それから、病気の療養中の猫たちにとっても、BCAAアミノ酸で筋力を維持することは非常に重要といわれているそうです。
腫瘍や心臓病などの病気が進行すると、徐々に全身がやせ細っていってしまいますが、これは筋肉が分解されてエネルギーとして消費されていってしまうことが関係しているのだとか。
BCAAアミノ酸は筋肉を構成したり、筋力が分解されるのを防ぐだけではなく、筋力よりも先にエネルギーとして消費されるといわれていて、病気の進行による体重減少を防ぐとされています。
病気と闘っていく猫たちの体力をサポートするために、動物病院の治療でもBCAAアミノ酸を豊富に含むサプリメントが処方されることもあるそうです。
BCAAアミノ酸を豊富に含むサプリメント
アミノコンプレックス アクティブライフ (猫用)
バリン、ロイシン、イソロイシン、といったBCAAアミノ酸を含むサプリメント。そのほかにもエネルギー代謝に役立つ成分を効果的に組み合わせた独自ブレンドが健康的な体重管理のサポートを行います。
食事のベースとなる総合栄養食と一緒にどうぞ。
主原料:ミルクペプチド フィッシュペプチド 鶏レバー加水分解物 L‐アルギニン L‐ロイシン L‐イソロイシン L‐バリン
BCAAアミノ酸を取り入れた体重管理の考え方
筋肉を維持し、基礎代謝を保つBCAAアミノ酸についてご紹介してきましたが、BCAAアミノ酸を摂取したら自然に体重が減っていく…なんてことはありません。
猫の体を健康的に維持するためには、やはり適度な遊びや運動を続けることが理想的。とはいえ、無理やりやっては意味がありませんから、猫が楽しんで参加してくれる時に思いっきり運動する…というのが良いかもしれませんね。
BCAAアミノ酸を豊富に含む食事とはどんなものなのでしょうか?
BCAAアミノ酸は、アミノ酸の一種ですからタンパク質が豊富な食材、中でも動物性のタンパク質に多く含まれているといわれています。つまり、肉や魚などです。
そう、実は猫たちはもとからBCAAアミノ酸がたっぷり含まれている食事を食べているはずなのです。
ですが、ここで振り返りたいのが「BCAAアミノ酸をきちんと吸収して、使えているのか?」ということです。
■BCAAアミノ酸を活かす食事
実は、必須アミノ酸には「アミノ酸の桶理論」というものがあります。これは、必須アミノ酸のうち、アミノ酸がどれだけ豊富にあっても、必須アミノ酸のうちどれか1種類でも少なければ、そのほかのアミノ酸も最も少ない1種類に合わせた量しか利用できないというものです。
BCAAアミノ酸を豊富に含む食事を食べていたとしても、他の成分が不足していたら…体内では上手く活用できず、無駄になってしまうというわけです。
ですから、必須アミノ酸はバランスよく取り入れる必要があるそうです。
アミノ酸のバランスが整った食事を取る方法として、さまざまな栄養を持っている食品を組み合わせるという考え方があります。
必須アミノ酸の凹凸を食品同士で補うことで全体の必須アミノ酸を底上げすることが出来るのです。
それから、代謝にはアミノ酸だけではなく、ビタミン類やミネラルも深く関係しています。BCAAアミノ酸と一緒にこれらの栄養もきちんと摂取していくのがオススメ。
体重管理を意識したい時こそ、食事制限を考えてしまいがちですが、色々な栄養を少しずつ取り入れることも同じくらい重要なのだそうです。そう考えると、猫の必須栄養素をすべて含んでいる総合栄養食を健康のベースとして、そのうえで、BCAAアミノ酸や代謝にかかわる栄養素をプラスするサプリメントを取り入れてみるというのがよさそうです。
猫の体重管理においては「オヤツは絶対ダメ」「低脂質」「低カロリー」などがイメージされやすいですが、さまざまな栄養を少しずつバランスよくという考え方なら、なんだかチャレンジしやすい気がしますね。
おわりに
今回は、猫の体重管理の考え方として、代謝の維持に役立つBCAAアミノ酸や、体重管理の考え方についてご紹介いたしました。
一般的に、総合栄養食の基準を満たすキャットフードを与えていればBCAAアミノ酸を始めとした猫の必須アミノ酸はまんべんなく摂取できるといわれています。ちょっと安心ですね。
なかなかうまく行かず悩む方も多い猫の体重管理ですが、真剣に取り組むことと同じく「無理なく」始められることも大事なのではないでしょうか。食事の量を極端に減らしたり、フードを切り替えなくても、猫の体重管理のためにできることがあります。猫の気が向いた時に思い切り遊んで、少しずつ運動を取り入れること、オヤツを与えるなら量をコントロールしやすいドライフードにすること、それからBCAAアミノ酸を豊富に含むサプリメントを取り入れてみること。BCAAアミノ酸が豊富に含まれる食材の中には猫が好んで食べるものも多くありますので、特別な日のオヤツとして少し与えると気分転換にもなりそうですね。