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- 猫研究所
2022.11.17
キャットフードの嗜好性が落ちたら。〇〇が原因かも...。スタッフ猫たちのリアルな意見ご紹介
それまで気に入って食べていたキャットフードでも、ある日突然「これ食べたくない」とそっぽを向いてしまう猫たち。猫の気分は変わりやすい、とは言いますが、本当にそれだけなのでしょうか?
tamaは、きっと単なる気分だけが理由ではないはず、猫には猫なりの考えや理由があるはずだと考えています。
そこで今回は、実際にある日突然「もうこれイヤ」というリアクションを取ったスタッフ猫たちの様子から、もしかしたらコレが理由かも…?と思われるものを厳選してご紹介します。
スタッフ猫たちの言い分も聞いてみると、フード選びの際の参考にもなるかもしれません。(なりますように…)
フードの香りが弱くなったから
開封してしばらく経ったあとのフードを与えてみたら、猫の食いつきが悪くなったという体験をした方もいるかもしれません。この時、フードの香りが弱くなっていることが影響している場合があるようです。
基本的には、キャットフードは猫の興味をそそる香りに作られています。ですが、開封してから徐々にその香りが弱くなるだけではなく、フードに含まれる脂質が酸化することにより、酸化臭も発生します。(古いポテトチップスのにおい)
この変化を人間よりも優れた嗅覚を持っている猫たちは敏感に感じ取り、避けるようになったり食いつきが悪くなることがあります。
かつて、自分で狩りをして獲物を食べていた肉食獣である猫は、フレッシュな食事を好みます。そんな猫たちにとって、開封して時間が経ったフードは魅力的には感じないようです。
★猫がおいしいと感じるのは開けたてフレッシュなキャットフード!
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ランラン先生
クンクン…。おや、このフードは…。今日はやめておきましょうか。
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ゴロー
え!先生は食べないでありますか?(モグモグ)
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ランラン先生
え、ええ…。私は今回はちょっとやめておきます…。
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ゴロー
それならボクちんが残さずいただくでありますね!ありがとうであります!
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ランラン先生
ちょ、ちょっと待ってください!酸化が進んでいるごはんには注意が必要なんですから!
■ 酸化が進んだキャットフードに注意!
酸化した脂質は、過酸化脂質と呼ばれる状態になり、毒性を持つようになります。消化のプロセスの中でなるべく毒性を中和するように分解されていきますが、分解が間に合わない場合や過酸化脂質の量が多いと消化器系に影響し、嘔吐や下痢などの原因になるケースもあります。
猫の健康維持のためにも、酸化が進んだキャットフードは与えないようにしてください。
湿気でドライフードの食感や味が変わったから
開封してから時間が経っている以外にも、猫の食いつきに影響する要素として挙げられるのが、湿度。保管状況が悪いだけではなく、保存している場所の湿度が高かったり、結露してしまうような温度差がある場所では、ドライフードが水分を吸ってしまうこともあります。
ドライフード自体の水分量は約10%以下であることがほとんどですが、それ以上に湿度が高い環境で保存すると食感が悪くなったりするだけではなく、酸化も進み、カビなどの原因になることも。
また、水分が多い状態が続くこともキャットフードの酸化が進みやすくなる原因になります。
猫たちは食感の変化にも敏感で、ちょっとした変化にも気が付きます。キャットフードの粒の噛み心地や噛んだ後の口の中での崩れ具合、のど越しなどが違うと美味しく感じなくなってしまうようです。
★開封して時間が経ったフードは、食感も変わる!
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ナナ
(もぐ、もぐ…)んん?このゴハン、カリカリしてない…。
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ランラン先生
おや、どうしたんですか?
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ナナ
いつもはカリッと噛んだあともちょこっと固さが残るのに、今日はすぐにほろほろ崩れてヘンな感じ~。あたち、今日のごはんいーらないっ。
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ランラン先生
人間でも、湿気を帯びたおせんべいだと食感が悪く、おいしく感じないのと近いかもしれませんね。やっぱりいつも美味しく食べたいものです。
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ゴロー
ややっ!こんなところにも誰かが残したごはんがあるでありますよ!?
もっとおいしいものが欲しいから
猫がある時キャットフードを食べなくなってしまうようなら、キャットフード以上に美味しいものを食べたことが忘れられずにいる可能性があります。フードの食いつきが悪くなる前後に、何か猫が目の色を変えてほしがるようなものを与えたりはしていないでしょうか?もしかすると、その「おいしいもの」が出てくるのを期待しているのかもしれません。
それほど美味しいものと記憶に残っているのであれば、トッピングやふりかけとして使うことができれば効果もてきめんのはず。上手く取り入れて主食をしっかり食べてもらうための心強い味方として頼ってみるのもいいと思います。
★猫は美味しいものが好き!美味しいものを見つけて楽しいコミュニケーションに♪
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ムー
ねえ!マエダ、この前ムーにくれたスペシャルオヤツはどこなのー!?あれじゃなきゃ食べたくないわっ。
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ランラン先生
あー…。よっぽど美味しかったんですね。
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ムー
そうよ、ムーのこの可愛いフワッフワのほっぺたが落ちそうになっちゃったくらいなんだから。マエダー、この前のスペシャル オーヤーツー!
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ゴロー
ムーちゃん、あんまりワガママいっちゃダメでありますよ?ごはんがかわいそうであります。
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ランラン先生
しばらくしてお腹が減ったらフードをちゃんと食べてくださいね。
飽きてしまったから…。
猫にはそれぞれ好みの味があります。しかし、いくら好きなものでも毎日同じ食事をしていれば、人間と同じく飽きてしまうもの…。
野生の本能が残っている猫たちは、毎日日替わりで色々な獲物を捕まえて食べていたころの記憶が残っているのか、同じメニューを続けていると「飽き」を感じることがあるようです。
この場合は、ふりかけをトッピングするなど味変メニューに挑戦したり、新しいキャットフードに切り替えるなどの工夫が必要となる場合も…。
★「飽き」は、フードの食いつきが悪くなる原因のひとつ!他の可能性も探ってみる。
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ゴロー
ふう…。なんだか最近食欲がわかないであります。
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ランラン先生
ええ!?大丈夫ですか?まさか体調が優れないんですか?
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ムー
違うわよ。お兄ちゃん、私たちの残したごはん少しずつ盗み食いしてたの。
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ナナ
あたちたちの分も食べてるんだから、そりゃもうお腹いっぱいだよね~。
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ゴロー
……はぁあ、たまには新しいお味を楽しみたいであります…。
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ランラン先生
……。
おわりに
今回はキャットフードの嗜好性が落ちてしまった時、考えられる原因をスタッフ猫たちの体験談を通してご紹介いたしました。
お気に入りだったフードを食べなくなってしまった時に考えられる理由の代表格となっている「飽き」ですが、それは理由の一つにすぎません。
フードの開封のタイミングや保存環境、オヤツとのバランスなども改めて見直してみると、以前と同じように食べるようになってくれるかもしれません。