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- 猫研究所
2022.08.04
花火、雷雨などで猫がパニックになってしまったら。落ち着かせる方法は?
夏に開催される花火大会や豪雨に伴う雷など、猫にとってはこの時期特有の音は、やはり耳慣れない音。驚いたり、異変かと思って神経を尖らせてしまうことも。
猫の感覚器はとても優れており、特に聴覚は非常に敏感で、猫が聞き取ることができる音の周波数は人間の約3倍。私たち人間が聞くことができない音まで聞こえているのかも。
大きく響く花火や雷の音は、猫にはもっと大きく恐ろしい音に聞こえている可能性もありますよね。
しかも(猫にとって)予測不能なタイミングで鳴り響く花火や雷の音は、身構えることもできず「怖いもの」として認識されやすいようです。
今回は、猫が花火や雷に驚き、パニックになってしまった時にどんな対策ができるのか、スタッフ猫たちが調査してきたようです。
パニック状態になった猫が見せるサイン
花火や雷など、大きな音や強い光に落ち着きをなくしてしまった猫は、どのような行動をとることが多いのかをチェックしましょう。
【パニック状態の猫にみられる行動】
・狭い場所に逃げ込み、隠れる
・落ち着きなく鳴き続ける
・ドアを引っかいたりして外へ出たがる
・窓などが開いていると外へ飛び出してしまう(脱走)
・急に攻撃的になり、威嚇や攻撃をする
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ゴロー
ややっ。今年もゴロゴロ聞こえるようになったでありますね~。
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ナナ
はっ。あたちのキライな音が聞こえてくる~!やだやだ~、どこかに隠れなくちゃ…!
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ランラン先生
このように、花火や雷の音がすると自分が安全だと思う場所に隠れてしまう猫も結構多いんですよ。
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ナナ
(押し入れの中から)鳴らなくなったら教えて~!
花火や雷の時のこんな行動には要注意!
■戸締りを最優先に行いましょう!
とくに注意が必要なのは、外へ飛び出してしまうケース。
パニック状態の猫が、とにかくこの状態から逃げだそうとして外へ出てしまうことがあります。
外に飛び出してしまうと家族でも探し出すのが難しくなるので、花火や雷などの大きな音や強い光が苦手な猫がいる家では、とくに戸締りに注意するようにしましょう。
雷の音が聞こえたら、花火が始まったら、まずはしっかりと窓や網戸を閉め切ることを徹底してください。
■猫が落ち着くまではそっとしておきましょう
また、パニックのために普段は穏やかな性格の猫でも非常に攻撃的になってしまうケースもあります。
家族や同居猫に急に攻撃を仕掛けたり、興奮して威嚇をしてくるようであれば要注意。
この状態の猫を落ち着かせようとして、抱き上げようとしたりすると、さらに猫を混乱させてしまい、猫も家族も大けがをする可能性があります。
興奮状態が落ち着くまでしばらく様子を見て、猫が落ち着いてから(落ち着くまで半日かかることもあります)触れ合うようにしましょう。同居猫がいる場合、ケンカになってしまうこともあるので隔離が必要になる場合もあります。
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ランラン先生
パニック状態になってしまった猫が脱走した、というのはよく聞くトラブルです。器用な猫なら自分で網戸を開けてしまったりしますので、必ずロックをかけるようにしてくださいね。
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ゴロー
戸締りは絶対にお願いするであります!迷子になった時、ボクちんおうちに帰れる自信がないであります!
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ナナ
はっ、花火や雷のビカビカって光が苦手な猫もいるから、カーテンも閉めておいてほしいの~!
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ゴロー
ナナちゃん、そんなにビクビクしなくても大丈夫でありますよ。ボクちんもムーちゃんもついているであります。
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ナナ
う~~~!おじちゃんうるさいの!あっちいってよ~!(猫パンチ)
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ゴロー
アイタタタであります…。ナナちゃん、パニック状態でありますか?
花火や雷が苦手な猫にはこんな対策を。
もともと大きな音が苦手な猫や、過去に花火や雷でパニック状態になったことがある猫にはどんな対策ができるのでしょうか?
代表的な対策を以下にまとめてみました。
■動物病院で気持ちを落ち着かせる薬を出してもらう
過去に酷いパニックになったことがある猫の場合は、動物病院で相談してみてください。
動物病院で、猫のために心を落ち着かせる薬を処方してもらえることがあります。薬を使うことに抵抗がある方もいらっしゃるとは思いますが、猫の気持ちを落ち着かせる薬は猫がもともと持っているフェロモンや母猫の母乳などに含まれるホルモンを使ったものもありますので、そういった薬を選んでもらえるよう、頼んでみるのも良いかもしれません。
■事前にわかっている時は、家で見守る
花火大会がある、天気予報で雷雨の予報が出ているなど、事前に猫が苦手とするものがやって来ることが分かっているのであれば、なるべく家で穏やかに過ごして見守ってあげてください。
「家の中にいれば安心だ、家族がいれば安全だ」と思えるように寄り添ってあげることで徐々に苦手を克服していく猫もいます。
■無理に落ち着かせようとはせず、猫のペースに合わせて様子をみる
対策をしても、やはりパニックになってしまった、という時も家族は落ち着いて過ごすことが大切です。
基本的に、猫のパニックは家族が何かをすれば落ち着く、というものではありません。猫自身の興奮が収まるのを待つしかありません。猫だけではなく、家族までパニックにならないように落ち着いて対処していきたいですね。
人間が落ち着いて穏やかに過ごしていれば、徐々に猫も冷静さを取り戻していきますので、時間をかけて見守ってあげて下さい。
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ランラン先生
猫が「ここは安心できる場所だ」と理解できれば、花火や雷の音が聞こえても落ち着いて過ごせるようになります。それまではゆっくりと見守ってあげてくださいね。
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ゴロー
あっ。雷が止んだでありますね。ナナちゃん、もう大丈夫でありますよ~。
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ナナ
あーあ、ちょっとだけ驚いちゃった。おばちゃ~ん!だっこ~!
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ゴロー
ナナちゃんもいつも通りに戻って一安心でありますね。……あ、ムーちゃんは怖くなかったでありますか?
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ムー
このムーがそんなものくらいでビクビクするわけないじゃない。
それよりマエダ、おやつの時間だけど忘れちゃってるのかしら?ムーが教えてあげないといけないわね♪さっそくスリスリ攻撃でアピールしなくっちゃ。
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ランラン先生
雷や花火に対する反応も本当に猫それぞれですね。
おわりに
猫が花火や雷に驚いてしまった時は、まず戸締りを優先的に行うようにしてください。その後、猫が落ち着くのを穏やかに過ごしながら待ってあげてください。
おびえた様子を気の毒に思って「何かできることはないか」と考えてしまいがちですが、パニック状態の猫にできることは多くありません。
何度もパニックになってしまうようであれば、動物病院で相談して、猫の心を落ち着かせる薬に頼ることも検討してみてください。