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2021.09.16

猫の健康維持に役立つ!?乳酸菌について調べてみました [#調査隊レポート]

猫の健康維持に役立つ!?乳酸菌について調べてみました [#調査隊レポート]

猫の健康維持に役立つ成分や食材として、サプリメントなどとしてさまざまなものが登場しています。その中には人間の食品などで身近に感じるものもありますよね。代表的なものに乳酸菌があります。
でも、実際に猫の健康管理を考えた時にどのように役立つのでしょうか、猫に与える時の注意点はないのでしょうか?私たちにとっても身近な嬉しい微生物、乳酸菌を「猫の健康維持」という視点で調査してみました。
実際に猫に与える前に知っておくと役立つ、乳酸菌が秘めたチカラに関する調査結果を少しだけ深堀りしてご紹介します。

乳酸菌ってどんなもの?

乳酸菌と言えば、どんなものを思い浮かべますか?「ヨーグルト」「納豆」「ぬか漬け」などの発酵食品に豊富に含まれているもの、というのは多くの方がご存知だと思います。
乳酸菌というのは特定の菌の名前ではなく、「糖を分解して乳酸を作ることができる菌」の総称です。乳酸菌の中には代表的なものとしてラクトコッカス菌やラクトバチルス菌などがあります。これらはキャットフードや猫のオヤツで使用されることも多いものです。
これらのほかにも、糖を分解して乳酸を作ることができる菌であれば乳酸菌に該当します。

乳酸菌は腸内で糖を分解して、酸性の物質である乳酸を作りますが、乳酸菌が作った乳酸が増え、腸内環境が酸性に傾くと悪さをする菌(いわゆる悪玉菌)が増えにくくなります。
このことが、腸内環境をより良い状態で維持することに繋がります。
腸内には猫の健康維持に役立つ善玉菌と悪さをする悪玉菌、どちらでもない日和見菌がバランスよくある状態が理想的だといわれています。そのうち悪玉菌が増えてしまい、腸内細菌のバランスが崩れてしまうと様々なトラブルの元になるため、悪玉菌が増えにくい環境を意識するのはとても大切です。
ヨーグルトなどを継続して食べるとお腹の調子が良いといわれますが、これも乳酸菌が腸内環境を良い状態で維持するサポートをしてくれているからなんですね。

乳酸菌は広く自然界に存在している菌で、猫や人間の消化器系にも存在し、健康的な消化器系の維持に役立っています。

■ ちょこっとメモ:乳糖とヨーグルトのお話

牛乳には乳糖と呼ばれる糖が含まれています。猫は子猫の内は乳糖分解酵素を持っていて、消化吸収できるのですが、成長にともない分解酵素が減っていくことがわかっています。そのため、成猫が牛乳を飲むと乳糖を消化・吸収できずに下痢を起こしやすいことが知られています。
しかし、ヨーグルトでは乳酸菌が乳糖を分解し、乳酸に変えてしまうので、成猫でも下痢や軟便になりにくく、安心して食べることができるのです。

猫の健康維持と乳酸菌の関係

乳酸菌の代表的な働きには以下のものがあります。猫の健康維持という視点で改めてご紹介いたします。

■健康的な免疫機能を維持する

健康的な腸内環境を維持することで、免疫系にも嬉しい影響が出ます。体調に影響する異物、雑菌やウイルスなどと戦う役割を持っている免疫細胞ですが、この免疫細胞が最も多く存在しているのが腸の中。食べ物などと一緒に入り込んでしまった異物やウイルスなどと戦うために存在しているこれらの免疫細胞は「腸管免疫」と呼ばれています。
免疫系は適切に働くことが何より大切です。免疫系の働きが低下しても、過剰に反応してもさまざまなトラブルにつながる可能性があります。
腸内細菌の中には、免疫細胞の健康的な働きをサポートする成分を作る菌があります。これらの腸内細菌が一定数腸内にいることで、腸内だけではなく全身の免疫系が適切に働く助けになります。
腸内で悪玉菌が増えてしまうと、結果的に免疫系のトラブルにつながることも。少々遠回りではありますが、腸内環境を整えることは免疫系の健康維持の第一歩ともいえるのです。

乳酸菌を摂取して腸内環境を整えることは、お腹の中の健康維持だけにとどまらず、さまざまな嬉しい影響をもたらしてくれることになるようです。身近な食材に含まれていることも多く、猫の健康維持に比較的取り入れやすい成分でもありますので、積極的に取り入れていきたいですよね。

■ こんな猫は免疫系を意識しよう

免疫系の機能が低下した猫は、ウイルスや病気などと戦う力が低下することにつながります。免疫系が低下すると雑菌やウイルスがもとになる感染症や皮膚トラブルなどが起こりやすくなるといわれています。猫風邪や結膜炎などが猫の代表的な感染症として知られていますが、子猫や外からお迎えしたばかりの猫、その先住猫はとくに意識して免疫系を上げることが大切です。
また、免疫系は適切に働くことが大切なのですが、過剰に免疫細胞が働いてしまうと、食物アレルギーやアトピーなどに繋がるケースもあります。
皮膚をかゆがるような様子が見られたり、耳や目の周りの皮膚が赤みがかっている、食物アレルギーの影響が心配、などと言った猫は免疫系の働きを意識してみると良いかもしれません。

乳酸菌をこんな風に取り入れてみよう

猫の健康維持のために嬉しい働きをしてくれる乳酸菌。実際に猫の食事に取り入れる時にはどのような点に注意して取り入れるのが良いのでしょうか?実際に猫に乳酸菌を与えたい、と考えた時に知っておきたいポイントをご紹介します。

 

■乳酸菌は継続して取り入れる必要がある


色々役立つ働きをしてくれる乳酸菌を取り入れる時のポイントの一つ目は、乳酸菌は継続的摂取し続ける必要があることです。
乳酸菌は腸内で活躍してくれる細菌ですが、そもそも体内にずっと存在しているような、いわゆる「自前」ではない菌は、腸内で留まることはできない特長があります。そのため、日々少しずつ乳酸菌を取り入れて腸内である程度の乳酸菌がいる状態を維持することが大切。
サプリメントにしても同じで、毎日少しずつ取り入れることが大切です。お腹の調子が悪い期間だけ与えてもお腹の健康維持にはつながりませんので注意してくださいね。

 

■食物繊維、糖類を合わせて取り入れる

乳酸菌は糖を分解して乳酸を作ることができる細菌です。乳酸を作るためには糖が必要です。総合栄養食タイプのキャットフードであれば、糖類がある程度含まれていますので問題ありませんが、オヤツばかりを食べていたり、手作り食などで栄養の偏りがある場合には乳酸菌を取り入れても十分な糖がないために乳酸を作れず、本来の役割を果たせないことがあります。
また、腸内環境の維持に役立つ成分として代表的なものにオリゴ糖などがありますが、これらの糖と一緒に乳酸菌を摂取すると働きが活性化されやすく、オススメです。
サプリメントなどを選ぶときには、オリゴ糖と乳酸菌両方を含んでいるものを選ぶのが良いかもしれませんね。

おわりに

本日は猫の健康維持に役立つ乳酸菌についてご紹介しました。私たち家族にも身近な乳酸菌ですが、猫のオヤツやサプリメントに含まれることも多い成分でもあります。
普段何気なく与えているキャットフードやオヤツなどにも乳酸菌が含まれているものが多いですが、その秘めたる力はかなりのもの。お腹の健康維持だけではなく、全身の健康維持に役立ってくれます。
乳酸菌を猫の健康維持に役立てるために知っておきたいポイントを踏まえて、その実力を発揮させれば長い目で見ても心強い味方になってくれるはず。ぜひ普段から少しだけ意識して、乳酸菌を取り入れてみてくださいね。

 

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