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2021.05.20

適切な猫の食事回数は?何回かに分ける必要はあるの?

適切な猫の食事回数は?何回かに分ける必要はあるの?

猫の体を作る食事。健康的でいつまでも元気で過ごしてもらうために、使用されている原材料や成分などに注意して選んでいる方は多いですよね。
キャットフードのパッケージなどでは、成分分析表や原材料と一緒に「給与量の目安」が表示されていることが多いです。

でも、給与量の目安はあっても「一日に何回」という食事の回数まで指定されているものは見かけません。
このことから、「猫の食事回数」について悩む方もいるようです。猫にとって、食事はこまめに出てくる方が良いのでしょうか?適切な回数はあるのでしょうか?

そこで、今回は適切な猫の食事回数はあるのかについてスタッフ猫が調査してみたようです。

食いしん坊なスタッフ猫の調査結果をぜひご覧ください。

猫の食性をチェックしてみよう

そもそも、猫の1日あたりの食事の回数に明確なものは決まっていません。
野生の猫は毎日狩りをして食事となる獲物をとっていたので、狩りが上手くいった日には食事を食べられますが、狩りに失敗したり獲物が見つからない時には食事にありつけない、ということもあったでしょう。

また、猫は食べ物を保存しておく、という行動をとりません。ですから、いざとなった時のための非常食のようなものもなく、お腹が減ったらその都度狩りをするというスタイルでした。野生の猫の仲間は、1日で10~20回もの狩りを行うといわれています。

そのころから考えると、私たち人間と一緒に暮らすようになった猫は野生の頃からかなりライフスタイルが変わったと言えます。
家族が食事を用意してくれるため、自分で狩りを行う必要はなくなったのですが、食性(食事に関する習性)には野生時代の名残が見られる部分もあります。
一概には言えませんが、猫には以下の傾向があるといわれています。

 


◆猫の食性
・一度に大量に食べるのではなく、何度かに分けて食べる
・新鮮でフレッシュなものを好む(風味が落ちると食べなくなる)
・食事を得るための手段として狩り(遊び)がとても大切

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

猫は家族から与えられる食事で満足していますので、空腹から獲物を捕まえにいくことはないと考えられています。でも、遊びの中には狩りの要素が含まれているものが多いんです。

ゴロー

ゴロー

追いかけっことか、猫じゃらしでボクちんたちの野生の血が騒ぐであります!

ムー

ムー

遊んでいる内にお腹が減ることも結構あるわよね。

ランラン先生

ランラン先生

そう。猫は遊びの中の狩りで食欲が刺激されることもあるんです。猫の食欲と狩りには深い関係があるんですね。

適切な猫の食事回数はあるの?

猫本来の食事のスタイルに合わせるため、1日で何回かに猫の食事を分けて与えるという方は多いと思います。朝、晩、そしてオヤツという3回に分けている方や、より細かく1日に4回、5回と与えている方もいると思います。
このように、何度かに分けて猫にキャットフードを与える必要はあるのでしょうか?また、猫にとって適切な食事の回数というものはあるのでしょうか?

■適切な猫の食事回数は、猫が決める!?

猫は1日に何度も食事をする動物ですので、家族がそれに合わせる形で1日に何度か食事を出してあげるべきか悩む方は多いようです。
ですが、きちんと猫が必要な栄養を摂取できているという前提であれば、その猫と家族によって異なると思いますし、本当の意味で猫の食性に合わせた食事回数を意識するのであれば、1日に10~20回も少量の食事を与えなくてはいけなくなってしまい、現実的ではありません。

猫は犬などと異なり、一度に大量の食べ物を食べるということをしません。その時その時に必要な量を食べる生き物です。
猫はよく「ダラダラ食い」をするといわれます。これは、ちょっと食べてからしばらく間を空けて、また少し食べて…といった行動を見せるためですが、猫が一日に何度も狩りを行ってその都度食事を食べていたころの名残です。

基本的には猫は自分で食べたいペースで食べますので、それが適した食事回数ということになります。

 

DOG's TALK

ゴロー

ゴロー

そういえばボクちんもちょっと食べて、遊んで、寝て、また食べて…ってやるであります。これも本能だったのでありますね~。

ランラン先生

ランラン先生

犬などは出されたら出されただけ食べてしまうようですが、猫は満足したら食べるのをやめる傾向にあります。家族が食事回数を分けるまでもなく、自分たちでちょこちょこ食べをしているんです。ですから、猫の食性に合わせて必ず何回かに分けてキャットフードを出してあげるべきかというと、必ずしもそうではありません。
家族が仕事をしていて毎日こまめに食事を与えることができない、という家庭も多いと思いますが、食事回数が大まか(1~2回/日)になっているせいで猫の健康を害するということはありません。
猫だって、ある程度は家族のライフスタイルに合わせることもできますので、こうしなければいけない、ということはありません。

食事回数を分けるメリット


■猫目線で見る、回数を分けるメリット

猫にとって1日に何度も新しい食事が出てくることは、やはり鮮度が高い食事が食べられるので大きなメリットになります。
長時間キャットフードを置いたままにしておくと、ドライフードなどでもやはり風味が落ちてしまい、猫の興味が薄れる傾向にあります。
夏場などでは傷んだキャットフードを食べて猫が体調を崩してしまう可能性もあります。

また、鮮度以外にも多頭飼いの猫の場合、食事回数を減らし、1度に与える量を増やすことで猫によって食事の量に差が出ることがあります。
食いしん坊の猫は、他の猫の分まで食べてしまい、肥満傾向になることがありますし、小食な猫は十分な食事をとれない可能性もあります。
これらの問題を解決する方法として、こまめに食事を少量与えることはオススメです。大食いの猫は少量でも食事回数を増やすことで満足感を得られますし、小食の猫も食べるチャンスが増えるのです。

 

■家族(人間)目線で見る、回数を分けるメリット

ちなみに、人間目線でみても食事の回数を何回かに分けるメリットがあります。
まずは、衛生的なこと。猫が食べ切れずに残したキャットフードをそのままにしておくとやはりニオイが出ますし、衛生面が気になるという方もいるかもしれません。
家族が仕事をしていたりして、何度も食事を与えることが現実的ではない、という方も多いと思います。そんな時に役立つのが自動給餌器と呼ばれるもの。決まった時間になると決められた量が自動で出てきて猫が食事をとることができます。自動給餌器で与える量を設定することもできますので、猫が無理なく食べ切れる量を与えれば衛生面でも安心ですね。

 

■大切なのは、猫がきちんと必要な栄養を摂取できているか

猫の食事回数を増やすことにはメリットがありますが、猫の適切な食事回数というものは猫によってまちまちです。それぞれの家庭によってライフスタイル、猫の食事スタイルも異なります。
猫も家族と暮らす内に徐々にその生活スタイルを合わせるようになってきますし、必ずしも猫本来の食事スタイルが「うちの子」に適しているとも限りません。

猫に適した食事の回数や与え方も猫によってさまざまです。猫も家族も無理なく続けられる形がベストといえるのかもしれませんね。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

ちなみに、オヤツも立派な食事です。キャットフードを1日2回与えて、食事と食事の間にオヤツを2回与えるという場合では、4回食事を与えていることになります。

ムー

ムー

えー!?オヤツは別腹でしょ!?

ゴロー

ゴロー

ムーちゃんはいつもオヤツを欲しがっているであります。でも、ほどほどにしておかないと太ってしまうでありますよ?

ムー

ムー

う、うるさいわね!ムーはとっても美しいから、多少太ってもかわいいって言ってもらえるはずよ!

■子猫や病気の治療中の猫は、食事回数を決めることが大切な場合も。


消化器系が未発達な子猫や、病気治療中の猫の場合は家族が食事の回数をコントロールする必要があります。
子猫は空腹状態が続くと、血糖値が急激に下がり低血糖症になってしまうケースもあります。低血糖症は重篤なものでは死に至る場合もあるので注意が必要です。低血糖症を予防する目的で、子猫の食事は意識的にこまめに少量を数時間おきに与える必要があります。

また、病気の治療中の猫でも同様で、糖尿病の猫では血糖値のコントロールのために食事の回数を指導されることもあります。

おわりに

今回は、適切な猫の食事回数についてご紹介しました。猫はもともと、少しずつ食事をする動物で、自分である程度食事の回数をコントロールしています。ですから、厳密には猫の適切な食事回数というものはないのです。

ただし、猫に食事を出す回数を増やすことで新鮮なものを与えることができたり、多頭飼いの家庭で食事の量の不平等を減らすというメリットもありますし、置き餌をして一日分を出されると一気にそれを食べ切ってしまうという大食いの猫もいます。体重管理が必要な猫であれば、何度かに分けて与えることが体重管理に繋がることもあります。
私たち人間と暮らすようになった猫は、野生の習性を残しつつも上手な「おねだり」のワザも習得するようになりました。現代の猫にとっては、美味しいものをもらえるおねだりも狩りのひとつなのかもしれません。食いしん坊な猫の過剰なおねだりに負けないよう、ある程度のコントロールが必要になるケースもあります。

それぞれの猫の性格や環境ごとにマッチした食事のスタイルがあると思います。自由に猫に食べるペースを任せることにも、ある程度食事の回数を管理することにもメリットがあります。それぞれの家族に合わせた食事スタイルを探してみましょう。

必ず〇回与えなくてはいけない、ということはありません。猫の様子や食事への興味を見ながら調整してみてくださいね。

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