猫は大きな目を持っていて、ハンターとして活躍するための必要な機能を兼ね備えています。猫の大きな目は、獲物や障害物との距離を測ったり、僅かな光でも暗闇の中のものを察知するなど、とても素晴らしい能力を持っています。そして、なにより私たち人間の心を掴んで離さない可愛らしさを持っていますよね。

しかし、そんな猫の目の周囲に赤黒い「クマ」のような汚れがついてしまう…というお悩みを持っている方もいます。いわゆる、涙やけです。
厄介な涙やけとは、一体どんなものなのか、キャットフードが原因といわれる理由はなぜなのか、そしてどんな対策ができるのかについて本日はご紹介します。

猫の涙やけってどんなもの？

猫の涙が増えてしまう原因

猫の涙の量が多くなってしまう理由としては、いくつかあります。

・目の中に被毛が入ってしまっている
長毛の猫などの場合は、伸びた毛が目の中に入ってしまい涙が出ている可能性があります。

・目が大きく飛び出しているので瞬きが上手くできない
短頭種の猫は大きな目が飛び出しているので、瞬きが上手くできずに涙が多くなりやすいといわれています。短頭種の猫は被毛が目に入りやすいとも言われているので、目元の状態をチェックしてみることがお勧めです。

・結膜炎、猫風邪など
猫風邪などの病気によっても涙の量が多くなりやすくなります。猫風邪などの場合は、くしゃみや鼻水などのほかにも目元が腫れるなどの症状が出ることがあります。

涙が多く出てしまう猫の場合、体質的なものが原因となっている場合が多く、涙の量を減らすことはなかなか難しい面があります。ハウスダストや花粉などが原因で涙の量が増えている場合は、掃除をこまめに行い、衛生環境を整えることで軽くなることがあります。

猫はキャットフードが原因で涙やけになるの？

涙やけがキャットフードと結びつけられて考えられることがある背景には、食物アレルギーを疑う人が多いことが関係しているようです。
しかし、猫の食物アレルギーは下痢や皮膚のかゆみなどの形で出ることが多く、直接的な原因として食物アレルギーによって涙の量が増えるということはあまりないようです。

ただ、涙やけが起こる原因は、涙が鼻涙管の限界を超えて溢れてしまうことですので、キャットフードを変えて涙やけが改善されたとするのであれば、それはフードを変えたことで皮膚などのバリア機能が整い、雑菌の繁殖が抑えられたり、涙のpHが変化したことが関係しているのかもしれません。アレルギーだから涙やけになる、のではなく、涙のpHが食事によって変化してしまい、涙やけになりやすくなります。

涙のpHがアルカリ性に寄っていると、雑菌が繁殖しやすくなるといわれているので、アルカリ性に寄っている涙のpHを改善することで涙やけが落ち着くこともあります。

おわりに猫の涙やけが起きる原因を知って対策を

猫の涙やけは、涙の量が増えてあふれてしまい、涙の成分を栄養として菌が増えてしまうことで起こります。対策としては、菌が繁殖してしまう前に涙を拭き取り、菌が繁殖しにくい環境を維持すること。
猫は本来きれい好きな動物ですので、涙があふれて濡れてしまっても自分の前足で拭き取ることもできます。菌が増えてしまわないように免疫力を維持しつつ、涙のpHを適正に維持していくことを心がけてみてはいかがでしょうか。

猫に多いストルバイト結晶を予防するため、尿pHを適正に維持するためのサプリメントがありますが、そういったものを継続して与えていくと涙のpH値も健康的になり、涙やけが軽くなったということもあるようです。