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2020.07.30

猫にとっての夏の適温ってどれくらい?猫の快適な暮らし。

猫にとっての夏の適温ってどれくらい?猫の快適な暮らし。

暑い夏がいよいよやってきます。高温多湿の日本の夏を猫に快適に過ごしてもらうためには、やはり室温管理が大切です。
そこで「猫にとっての適温ってどれくらい?」「温度管理のほかにどんな工夫ができるの?」「注意したいポイントは?」など、夏の快適な暮らしのために知っておきたい情報を、スタッフ猫たちと一緒に学んでいきましょう。

猫にとっての適温ってどれくらい?

猫にとって適温と感じる温度はどれくらいなのでしょうか?室温管理においては、夏の間は25℃前後が目安とする方が多いようです。日差しが入る場所と日陰では体感温度も大きく変わりますので、ひとつの指標として考えてください。
猫はもともと砂漠地帯で暮らしてきた動物ですので、人間が肌寒く感じるほどの気温にする必要はないといわれています。人間が過ごしやすい、と感じるくらいの気温でも猫は十分快適に暮らすことができます。

ただし、長毛の猫、大型の猫、短頭種の猫の場合は、目安よりもやや低い温度のほうが適している場合もあります。これらの猫の場合でも、丸くなっているなど寒そうに見えた場合は、エアコンの設定温度を少し上げてみる、エアコンを切るなど、家の環境や猫に合わせた温度を探してみてください。

DOG's TALK

ランラン先生

ランラン先生

部屋の広さやエアコンの風の向きなどによってもかなり体感温度は変わります。また、注意したいのは湿度です。湿度が高くなると、気温以上に暑く感じてしまうのは猫も同じです。

ゴロー

ゴロー

それから、日中は室内だけじゃなくて、家の外側に日光が当たって家全体に熱がこもることもあるであります。こうなるといつもより暑く感じやすいそうでありますから、特に日差しが強い日は室内でも少し温度を低めにすると良いかもしれないであります。

ランラン先生

ランラン先生

他にも、家が一軒家なのか、マンションなのか、窓の向きなどによってもかなり室温は変化します。猫のいる場所によって多少の差はありますが、基本的には、人間と同じくらいの体感温度と考えていいと思います。

室温管理のほかに猫のためにどんな工夫ができるの?

エアコンが効いている部屋でも、猫は「寒いな」と感じたら別の部屋に移動したがったり、ひなたに移動して日光にあたって体を温めようとします。
一度体を温めたら、また涼しい場所に移動してくるということも良くありますし、猫はその時その時にもっとも快適そうな場所を見つける能力をもっています。

家の中の全ての部屋の温度を同じに維持するのではなく、少し温度に幅を持たせたり、日差しが入る窓辺などでゆっくりできるスペースを作るなどの工夫をしてみてください。

また、定期的な換気も必要です。菌などが繁殖するのを防ぐだけではなく、猫にとって外の空気を感じるのはとても楽しく、幸せなことのようです。猫自身が楽しむためにも、晴れた日は定期的に窓を網戸にして、外の風を感じる時間を作りましょう。この時、涼しい風を感じたりするようであれば、エアコンを消しても問題ありません。

DOG's TALK

ナナ

ナナ

あたちも外の空気好きだよ~。そのままお昼寝とかできたら最高だよね~。

ランラン先生

ランラン先生

あ、猫の脱走対策として、網戸にもしっかりとロックをしておいてくださいね。

ムー

ムー

ちなみに、ムーは美しい被毛を毛づくろいして、日向ぼっこして乾かすのも好きなの。体がポカポカして気持ちいいし、日向ぼっこをするとなんだかいいニオイがする気がするのよねー。ま、ムーはいつでも香り立つような美貌なんだけど。

ランラン先生

ランラン先生

…それはさておき、猫が日光浴をするのは被毛を乾かすだけではなく、紫外線の殺菌効果によって雑菌などのニオイなどを消す効果もあるためだともいわれているそうです。皮膚の健康のためにも日向ぼっこはとても大切なんです。

ムー

ムー

そうなの。だから、暑くて日差しが強すぎるからって完全に部屋のカーテンを閉め切ったりせずに、少しでも日向ぼっこができるスペースを作ってほしいわ。ムーからのお願いよ。

その他、猫のために注意したいポイントについて。

運動量が減り、室内の移動もあまり行わなくなったシニア期の場合は、その時その時の快適な場所探しが上手くできなかったり、場所を変えることが出来ないこともあるので、注意が必要です。シニア猫が過ごす部屋は体が冷えてしまうことを防ぐためにも、室温も少し高めにしておくといいかもしれません。

また、暑さに弱い長毛猫の場合はしっかりとブラッシングを行い、アンダーコートの密集した毛をある程度取り除いておくことも大切です。猫のアンダーコートは保温性に優れているのですが、そのために猫の体温がこもってしまい、とても暑く感じてしまうことがあるので注意したいポイントです。

エアコンではなく扇風機を使用することもありますが、強い風を苦手とする猫も多いので、扇風機に慣れていない猫にストレスを与えないよう、風の向きなどに注意して使うようにしてくださいね。
扇風機を上に向けて風を送り、空気の循環を作るだけでも涼しく感じられる場合があります。

DOG's TALK

王子

王子

僕は少しでも涼しい場所で過ごせるように、ひんやりした石でできたマットをもらったのだ。……1年経ったら使い方忘れちゃったけど。

ランラン先生

ランラン先生

最近では、石のマットだけではなく、アルミプレートや金属製の猫が入るためのお鍋、保冷効果のある素材で作られたマットなども登場していますから、それぞれの好みに合いそうなものを試してみるのもいいですね。

おわりに

猫も室温が非常に高い状態が続くと、熱中症になってしまうことがあります。予防のためにも、猫の様子を観察しつつ快適に過ごせるような環境づくりを行っていきたいですね。
猫はとても賢く、自分が快適に過ごすために最適な場所を見つけ出す天才です。ですから、ある程度は猫自身の判断や行動に任せつつも、暑そうにしているようであればエアコンの温度の調節を行うなどの工夫を取り入れてみてください。