猫の体の謎　かわいいだけじゃない！猫の肉球の大事な役割《cat academy第2回》

私たちと一緒に暮らす猫たち。毎日見ていても飽きないくらい、全身の至るところが可愛らしく、魅力的ですよね。まるで私たちを魅了するために生まれてきたような生き物、猫。ですが、そんな猫たちの体のパーツひとつひとつを見てみると「あれ？」と気になることはありませんか？
「なんでこんな形なんだろう？」「これはなんのためについてるの？」など、猫の身体にまつわるちょっとした謎(にゃぞ)について調査してみました。

今回取り上げる謎(にゃぞ)は「猫の肉球」についてです。

第1の謎(にゃぞ)猫の肉球の正しい名前って？

見た目もかわいい、ぷにぷにとした触感もかわいい。とにかく可愛さの塊である猫の肉球ですが、ヒゲと同様に肉球も部位によってそれぞれ名前がついています。猫たちの肉球を愛でる際に「今日もかわいい足底球（そくていきゅう）だね～」なんて言ったら、ちょっと通っぽくないですか？

ということで、まずは猫の肉球の正しい呼び名をご紹介します。
前足と後ろ足にわけてご紹介しますね。

＜前足＞
前足の指の部分：指球(しきゅう)
前足の中央の一番大きな肉球：掌球(しょうきゅう)

＜後ろ足＞
後ろ足の指の部分：趾球（しきゅう）
後ろ足の中央の一番大きな肉球：足底球（そくていきゅう）

前足、後ろ足で同じような部位でも名前が異なるので、肉球マニアとしてはきちんと呼び分けたいところです。

第2の謎(にゃぞ)猫の肉球は猫たちのバスケットシューズ！？

犬と比べて、とっても滑らかでぷにぷにとした猫の肉球は、私たちの心を魅了するだけではなく、立派な役目を持っています。

例えば、猫たちの狩りの場面。しなやかな体を持っている猫たちは、獲物から姿を隠して忍び寄り、華麗な身のこなしで捕まえます。この時、足音を小さくするためにプニプニの肉球が役に立っているというわけ。
例えば、とっても脚が速い馬のようなひづめを猫が持っていたとしたら、獲物にパカパカという足音で気が付かれてしまいます。

また、猫の肉球には猫の体で唯一の汗腺が存在しています。猫と遊んでいるときなどに肉球を触ると、しっとりとしているのが分かります。これは、猫たちが激しい運動をした時に滑ってしまわないように滑り止めの役割を果たしているといわれています。

さらに、この肉球は猫たちが高いところから飛び降りたりした際の衝撃を吸収するのにも役立ちます。肉球がダメージを軽減すると分かっているからこそ、猫たちも思い切ったアクロバットができるというもの。バスケットボール選手のシューズに衝撃吸収のための構造(エア○ックス)が採用されているのと同じです。
猫たちのマイ○ル・ジョーダンのようなスーパープレーを支える大切な部位なんですね。

DOG's TALK

そんな肉球の表面は、角質細胞という細胞で構成されているのですが、その細胞の大きさはひとつひとつがとっても小さいです。さらに、その下にはコラーゲンの層が、その更に下には脂肪の層でできています。
滑らかできめ細やかな表面と、その下のぷるんとしたコラーゲン、脂肪の層の絶妙なハーモニーによってあのプニプニは作られています。表面から中身まで全部柔らかそうな組織でできているから、あんなに柔らかいのも納得ですね。

また、一定の湿り気を帯びることができる肉球は、猫たちの毛づくろいでも大活躍。全身をペロペロする猫たちですが、唯一ペロペロできない場所が、顔です。舐めることができない代わりに、肉球で顔を拭うことで汚れを取り除いているんです。

第3の謎(にゃぞ)肉球は猫の個性の塊

猫たちの肉球には様々な色や模様があります。ピンクや黒、小豆色、中にはぶち模様がある肉球を持つ猫も。個性を感じる肉球ですが、この肉球の色にはある程度の規則性があるといううわさも。

それは、猫たちの被毛の色によってある程度肉球のカラーも決まるというもの。たしかに、黒っぽい被毛の猫は黒っぽい肉球を持っていますし、体に白い部分が多い猫はピンク色の肉球を持っている確率が高いといわれています。ただ、猫の模様は10匹10色。必ずしもその法則が絶対だとは限らないようです。

また、猫たちの肉球からはフェロモンが出ているといわれていて、爪とぎをしたときなどに、肉球から出るフェロモンをその爪とぎあとには付けているのだそう。これによって、猫たちはお互いの情報を交換し合っている、ともいわれています。
もしかすると、「ここで爪とぎしたよ～」とSNSのような使い方をしているのかも。

私たちが猫の肉球に心惹かれる理由も、もしかするとこの猫のフェロモンが原因だったりするのかも。猫たちの肉球からは独特のニオイがする、という人もいますし、ぜひチェックしたいところです。