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2019.10.10
シニア猫が固形食を食べなくなった?キャットフードを食べない高齢猫の食事対策
猫は、突然何らかの理由で今までのキャットフードを食べなくなることがあります。特にシニア猫にとって「食欲不振」は体力の衰えだけでなく、必要な栄養素が摂取できず、さまざまな病気を引き起こす原因につながる恐れがあり、注意が必要です。猫の健康維持のためにも、食欲不振の対策と工夫をしっかりと行うようにしましょう。
今回は、シニア猫がキャットフードを食べなくなる理由と、主な対処法についてご紹介します。
高齢の猫がキャットフードを食べなくなる理由とは?
シニア猫が突然キャットフードを食べなくなる理由として考えられるのは以下の3つです。
まずは猫をよく観察し、フードを食べない理由をしっかりと把握するようにしましょう。
■フードの硬さ
猫は顎の力も年齢とともに衰えていくため、高齢猫の場合、硬いドライフードを食べにくく感じているかもしれません。
また、口内環境の悪化により、固形物を食べると歯や歯ぐきなどが痛いため、食べられなくなっているという可能性もあります。
■食欲減退
シニア猫は運動量が少ないため、成猫の頃と比べると食欲が落ちる傾向があります。また、鼻づまりや口の飽きなどの症状も起きやすくなるため、それにより固形物が食べにくくなっていることも考えられます。猫の体調不良と食欲の減退には相関関係があるので、特に病気の療養中の猫たちの食事には注意が必要です。
■体調不良
食欲が無くなるだけでなく、じっとしたまま動かなかったり、ぐったりとだるそうにしていたりする場合は、もしかすると体調が悪いのかもしれません。
まずは、体を触ってどこかに腫れやしこり、傷などがないか、痛そうにしている部位はないかをチェックするようにしましょう。
また、下痢や嘔吐など食欲減退以外の症状がある場合は、念のため動物病院を受診することをおすすめします。
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ランラン先生
シニア猫に限らず、食欲と体調は相関関係があるものです。また、体調が悪いのに無理に食べさせようとすると、猫に嫌なイメージを植えつけてしまうだけではなく、更に体調を崩してしまう可能性もあるので注意してあげてくださいね。
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クリ
わかるよ~。クリも具合悪い時は食欲がなくて心配かけちゃった。おいしい物だって分かってても、食べたくなくなるんだ~。でも、体調が良くなってからはお腹も空くようになったよ~。
高齢猫に必要な栄養素とは?
シニア猫に必要な1日のエネルギー量は、成猫よりも20%ほど低下します。
高齢の猫に必要な栄養素を把握し、適切なフードを選ぶことが大切です。
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ムー
歳をとるとエネルギー代謝が変化するから、そんな猫たちのためにシニア猫用フードはカロリーや脂質を抑えたり、必要な栄養バランスを整えているのね。
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ナナ
シニアだけじゃなくて、あたちみたいにもともと運動量が少ない猫とか、ダイエットをしたい猫とかにもオススメらしいよ~。
■タンパク質
猫の基本的なエネルギー源となるほか、内臓や筋肉、被毛などの健康を維持したりする働きがあるタンパク質は、栄養素の吸収能力が衰えたシニア猫にとっても必要不可欠です。シニア猫はタンパク質要求量は増加するので、良質なタンパク質をシニア猫に適した量食べさせるのが良いですね。
■脂質
脂質は脳や筋肉のエネルギー源であり、猫が満腹感を得るためにも必要です。また、キャットフードにおいては嗜好性という面でも脂質のバランスは重要です。適度な量を食べさせる分には健康に影響ありませんので、シニアだからといって食事から完全に脂質をなくす必要もありません。
■カルシウム
栄養素の吸収効率が悪くなる老猫は、カルシウム不足が起きやすくなるため、骨折防止のためにも欠かせません。ただし、シニア期の猫たちの場合は腎臓への負担を考えて、リンとカルシウムのバランスを適切にした食事を与えるのがオススメです。
■ビタミン
筋肉量低下を抑制するほか、被毛や皮膚の健康を維持するために欠かせない栄養素です。基本的には総合栄養食タイプのキャットフードを与えていれば大幅に不足することはありません。
■食物繊維
シニア猫は、胃腸など内臓器官の衰えや運動不足によって便秘を起こしやすくなるため、腸内環境改善・便秘防止のために必要です。適度な量の食物繊維は腸内環境を整えるのに必要です。猫たちの腸内環境を整えることで、免疫系や腎臓などにも良い影響がある、といわれていますのできちんと摂取したい栄養素のひとつです。
■水分
シニア猫は水分量が不足しがちです。泌尿器疾患を防止するため、水分はできる限り多く摂取させましょう。猫たちは運動量が減ることで、飲水量も低下しやすく、オシッコトラブルや腎臓への負担が大きくなりやすいとも言われています。食事から自然な形で水分を摂取できるウェットフードやオヤツを上手に活用し、猫たちに水分を取らせる工夫を取り入れてみてください。
キャットフードを食べないときの食事対策
老猫がキャットフードを食べなくなってしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか?ここからは、私たちができるいくつかの食事対策法を見ていきましょう。
シニア猫用のキャットフードに切り替える
老猫用フードは、老猫でも食べやすいように、小粒で粒の厚みも薄く作られているものもあります。また、運動量が低下した猫たちのためにカロリーや脂質を控えめに成分調整されていることが多く、以前よりも太りやすくなった猫にも安心です。
また、ジュレタイプ・ピューレタイプのおやつや、かつおぶしなどをトッピングすることで食欲を誘ってみるのもおすすめです。
ウェットタイプのフードに切り替える
噛む力が弱くなってくる老猫には、ウェットフードも適しています。ウェットフードは水分を多く含むため、シニア猫に限らず、水分摂取が苦手な猫にとって最適なフードといえます。また、タンパク質も多く含まれているため、シニア猫にもウェットフードはおすすめです。
ただし、ウェットタイプのフードだけを与える場合は「栄養補完食」や「副食」と書かれたものではなく「総合栄養食」を選ぶようにしましょう。ウェットフードのみを与え、猫たちに必要な栄養バランスをとる場合は、ドライフードと比較してよりたくさんの量を食べさせる必要があります。
いつものフードをふやかして与える
スープタイプのトッピングやささみのゆで汁などで、普段与えているキャットフードをふやかして与えてみるのもひとつ。やわらかくすることで、口内炎ができたり歯周病などに悩んでいる老猫でもフードが食べやすくなります。
また、フードを温めることによって香りが立つため、猫の食欲増進にもつながります。
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王子
僕はいつもトッピングをしたドライフードを食べているけど、全部の猫がトッピングを好きな訳ではないようなのだ。もしかすると別皿にウェットフードなどを分けた2ディッシュのほうがお好みかもしれないのだ。
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ランラン先生
基本的なドライフードとは別に、食欲低下している分を補うような形で嗜好性の高いウェットフードなどをオヤツ感覚で与えるのも良いと思います。
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ゴロー
好みの食事スタイルも、好きな食材も違うのが猫という生き物であります。食欲が低下してきたときには、色々試してみてほしいであります!
おわりに
今回は、シニア猫がキャットフードを食べなくなる理由と、主な対処法についてご紹介しました。
高齢期に入った猫の食事量は、成猫期後半から徐々に減っていくため「高齢だから食欲がないのは仕方ない」と思ってしまいがちですが、噛む力や口内環境の悪化が原因で食べたくても食べられない状況になっているかもしれません。そのため、急にフードを食べなくなってしまったら、まずは猫の状態をよく観察することが大切です。その上で、体調不良以外の理由だろうと思われる場合は、フードを老猫用のものやウェットフードに切り替えてみるなど、食事内容を見直したり、工夫したりしてくださいね。