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2019.10.31

日本人と猫の歴史。日本に猫がやってきたのはいつ?

日本人と猫の歴史。日本に猫がやってきたのはいつ?

こんにちは、スタッフのミライです。私はもちろん猫が大好きなのですが、日本と東洋の歴史も大好き。ということで、猫たちと人間の歴史について調べてみることにしました。とってもかわいい猫たちですが、実はその歴史って謎に包まれている部分も多く、そこがまたミステリアスな魅力でもあります。

本日調査してみたのは、「猫っていつから歴史の中に登場するんだろう?」という疑問です。

猫と人間の暮らしはいつから始まったの?

猫たちのご先祖の故郷はアフリカ!

猫たちのご先祖の故郷はアフリカ!

猫たちの祖先は、アフリカの砂漠に暮らしているリビアヤマネコという種類のヤマネコだということが通説ですよね。ヤマネコは野生動物のため、日本では飼育をする際には届出が必要な動物とされています。

そんなヤマネコの一種であるリビアヤマネコの中でも特に人間にフレンドリーで、のんびりとした性格の猫たちを子猫の頃から育てたり、同じように人間と共同生活をするのに適した性質を持っている猫の子孫を増やしたり、といった形で徐々に私たち人間の生活と猫たちの生活が始まっていったと考えられています。猫にはマイペースな性格の子が多いのは、この時に秘密があるのかもしれません。
人々が集団生活を送り、文明が栄え、財産として農作物を所有したり貯蓄する必要が出てきたため、穀物を食べてしまうネズミを退治する必要ができたことが、猫たちと人間の共同生活が始められた理由だといわれています。
現存するものでは、ギリシャのキプロス島にあるシルロカンボス遺跡から、2004年に発掘された人間と一緒に埋葬されているネコ科動物の遺骨(約9500年前)が最古のものとされています。

その後、古代エジプトでは猫たちは非常に大切にされ、猫は神様の象徴として描かれるようになります。古代エジプトの猫の姿の神様はバステト神といい、可愛らしい見た目で今でも非常に人気のある神様です。

アフリカ大陸で始まった猫と人間の共同生活。それが日本にもやってくるのはいつごろの話になるのでしょうか?

猫が日本にやって来た!

日本に猫がやって来た時期は正確には不明、と言われています。しかし、中国では猫たちは「貴重な穀物や書物を守る大変貴重な動物」と考えられており、寺などに暮らしていた様子がうかがえます。また、現代でも船旅では貴重な積荷をネズミなどから守るために、猫たちを船に同乗させて航海の安全を願うという風習が残っています。
それらのことを踏まえ、現在では大陸などからやって来た渡来人や僧侶たちが猫たちを一緒に連れてきたことが、猫たちが日本にやってきた最初だと考えられています。

あ、そうそう。日本にも在来種としてのヤマネコはいますよね。イリオモテヤマネコやツシマヤマネコと呼ばれる猫たちが有名ですが、現代日本で生活している「和猫」と日本在来種のヤマネコたちは遺伝子的には全く別ものなんです。
今、世界中で広く分布しているいわゆる「ネコ」はどの場所であっても、共通する祖先としてリビアヤマネコを持っているといわれていて、日本の在来種との交雑はみられないとされています。もちろん、近現代になってからさまざまな姿や特徴を持った猫たちの品種改良が行われる流れの中で、敢えて「ヤマネコ」の血筋を取り入れた猫たちもいますが、それは特例です。

日本では猫=タヌキ?

確かに首から下は似ている…?かもしれない。

確かに首から下は似ている…?かもしれない。

日本にやって来た猫たちは、主に平安時代の貴族たちにそれはそれは可愛がられて、一大ムーブメントを巻き起こすに至ります。平安時代に猫ブームがあった、ということを裏付ける史料もあるのですが、それはまたの機会にご紹介させてください。

さて、そんな日本にやってきて早々日本人の心をガッチリ掴んだ猫たちですが、「猫」という漢字が定着するまではなんと「狸(たぬき)」という漢字で猫を表していたことがあったようです。

平安時代に編纂された漢和辞書『新撰字鏡』(しんせんじきょう)によると、狸という漢字に対して祢古(ねこ)という読み仮名を振っているので、狸という漢字の読みがネコだった、というのが正しい解釈なのかもしれません。また、同時に『猫』という漢字も紹介されています。
言われてみれば、なんとなく『狸』と『猫』の漢字って似ていませんか?現代のように一文字一文字を丁寧に書く楷書体ではなく、当時の文章は筆書きで記されていたことを考えると……混同してしまうのも無理もないような気がしますよね。

ちなみに、少し時代が進むと『狸』=野良猫、『猫』=家の中で飼われている猫というように意味が分かれていきます。
実は、タヌキという動物は日本にしか存在していない動物で、非常に貴重な存在なのだそうです。そのため、もともと『狸』という漢字そのものが猫やその仲間を指す漢字で、日本で猫に背格好が似ている(?)あのタヌキに結び付けられたのかな、なんて考えています。

DOG's TALK

ミライ

ミライ

ちなみに、我が家の王子は背中から見ると色といい毛並みといいタヌキにそっくりです。

王子

王子

平安時代の日本でも僕はやんごとなき「狸」って呼ばれていたかもしれないのだ。普遍的なのだ。