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2019.06.06
猫の歯磨きは必要!その理由とは?オススメオヤツもご紹介
結石、腎炎、歯周病……。実はこれらは猫がかかりやすい病気といわれています。
中でも歯周病は、3歳以上の猫の約8割がすでにかかっているといわれるほど。大したことではないと思ってしまいがちな口腔内のトラブルですが、進行すれば命に関わることもあります。
今回は、猫の歯磨きの重要性とその理由、また正しいオーラルケアの方法についてご紹介します。
猫も歯磨きが必要なの?
猫の健康を維持し、長生きをしてもらうためにはハミガキは必要です。
人間と同様、猫の歯にも歯垢(しこう)が付着します。歯垢は放っておくと徐々に硬くなり、唾液中のミネラルやカルシウムなどと結合して歯石へと変化していきます。
歯石を放置してしまうと、口臭がきつくなったり食欲が低下したりするほか、歯肉炎をはじめとする歯周病や副鼻腔炎など、さまざまな病気を引き起こしてしまう可能性があります。
歯石はとても頑固なため、1度付着してしまうと自宅でのケアだけではなかなか落としづらくなってしまいます。
歯石付着度合いによっては、動物病院で全身麻酔をしての処置が必要になることが多く、重症の場合には抜歯が必要になることもあります。
そうならないためにも、気が付いたときにさっとできる猫たちの歯磨きはとても重要です。
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ランラン先生
普段はあまり意識しないかもしれませんが、猫の歯にも良く見ると歯垢が溜まっていることがあります。特にウェットフードを中心に食べている猫には多いような気がしますね。
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ゴロー
ボクちんたち猫も虫歯になるでありますか?
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ランラン先生
私たち猫の場合は、人間とは歯の構造も違いますし、虫歯になってしまうことは、まず、ありません。でも歯周病が進行することで歯や骨が溶けてしまったり、毒素が全身に回ってしまうこともあるので注意してくださいね。
猫の歯磨きを成功させるコツ&ポイント
■【ステップ1】口周りを触られることに慣らす
感覚器であるヒゲが密集している口周りは、猫にとってできるだけ触ってほしくない場所です。そのため、まずは顔や口周りを触られることに慣らすことから始めましょう。
寝起きやひなたぼっこ中など、猫がリラックスしている時に、頬をマッサージするように優しくなで、少しずつ口元に手を近づけていきます。
■【ステップ2】口の中に指を入れる
口周りをなでることに慣れてきたら、口の横側からそっと指を入れ、奥歯や歯茎に触れてみましょう。
もし少しでも嫌がるそぶりがあれば、ペースト状のおやつなどを指に塗って口の中を触るのも効果的です。
■【ステップ3】歯磨きペーストを指で塗る
口の中を触られることに慣れてきたら、猫用の歯磨きペーストを指に取り、猫の歯に塗ってみます。猫用の歯磨きペーストは、猫が好きな風味のものが多いためそれほど抵抗しないはずです。
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ムー
この前やたら口元を触ってくるから「おいしいのもらえるのかしら♪」と思って期待してたんだけど、こういうことだったのね…。
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クリ
なにかもらえたの~?
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ムー
おいしいのどころか、お口の中にスプレー式のハミガキをされちゃったわ!でも私たちの健康のためだものね、ちょっとだけ我慢してあげることにしたわ。
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ランラン先生
慣れている猫であればそんなに激しく抵抗はしないでしょうが、やはり最初はかなりイヤがることが多いと思ってください。少しずつ、猫によってペースは違いますが慣れていきますので気長にお願いしますね…。
■【ステップ4】歯ブラシに慣れさせる
まずは歯ブラシに対する警戒心を解いてもらうことが大切です。
ペースト状のおやつや缶詰の汁などを歯ブラシにつけて、そっと猫に近づけてみましょう。抵抗がないようなら、何日かかけて徐々に歯ブラシを猫の口の中へ入れていきます。
口をなかなか開けてくれない場合は、口の横側の隙間から歯ブラシを差し込むと良いでしょう。奥歯を磨いているうちに歯ブラシに慣れ、そのうち口を開けてくれるようになります。
■歯磨きする際の注意点
猫の歯磨きをするうえで最も重要なのは「歯磨きは怖くない」と覚えさせることです。
嫌がったり口を開けなかったりするからといって叱ったり、無理に頭や体を抑えたりすると、歯磨きに悪いイメージがついて、警戒するようになってしまいます。
ステップを踏みながら、少しずつ慣らしていくようにしましょう。
歯磨きが嫌いな猫におすすめのグッズ
いくら顔を触られることに慣れても、歯ブラシへの抵抗がなかなか無くならない猫もいます。
そんな時は決して無理をせず、おやつを使ったオーラルケアに切り替えましょう。
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ゴロー
なんとなんと!おいしいおやつでデンタルケアができるでありますか!?夢のようでありますね!
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ムー
んもう、そんな「おいしいの」があるならもっと早く教えてほしかったわ!早くちょうだい!
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クリ
クリもそれがいいな~。お腹すかせておいたよ~。
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ランラン先生
……前も言った気がしますが、食べすぎはダメですからね?
■スナックタイプ(大きめ粒のオヤツ)
猫の歯に付着した歯垢をこそぎ落とす効果があり、適度な硬さを持つのが特徴です。
しっかりと噛むことによって唾液の分泌を活性化することができるため、口臭予防にも役立ちます。
■はみがきジェル
歯垢を分解・除去する酵素配合で、歯全体をコーティングする効果があるデンタルジェル。
歯と歯茎に軽く塗り付けるだけで、新たに歯垢が付着するのを防止することができます。
ほんのり甘い味付けで猫の嗜好性がとても高いため、歯磨きの前段階としてはもちろん、おやつとしても十分使えます。
■その他
最近では、ハミガキが苦手な猫たちにも使いやすい食事に加えることで口内環境を整えるサプリメントや、シュシュッとお口の中にスプレーするタイプのケアアイテムなど、さまざまな選択肢が広がっています。
猫たちの性格や食事のスタイルと照らし合わせて、猫にあったアイテムを選んであげることが一番大切なのかもしれません。
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王子
ちなみに僕の場合は、普段から大粒タイプのドライフードを食べているので、歯垢も歯石もほとんどついていないのだ。とってもキレイな歯をしてるっていつも褒められているのだ。
芸能人は歯が命!猫も歯が命なのだ。ふふん。
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ランラン先生
たしかに、大きめの粒や固めの粒のドライフードを食べている猫には歯石も歯垢もほとんどついていない子もいるようですね。ただ、粒サイズは猫によってこだわりが強い部分でもあるので、デンタルケア用に大粒を試しても、食べてくれないこともありますので、猫たちの好みなどに合わせて選択肢をいくつか用意しておくと良いかもしれませんね。
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王子
僕のような大粒が好きな猫さんでも、定期的に健康診断でチェックしてもらうことは大事なのだ。褒められたら嬉しいし、とっても気分が良くなるのだ。
おわりに
今回は、猫の歯磨きの重要性とその理由、また正しいオーラルケアの方法についてご紹介しました。
猫の平均寿命は、獣医療の発達により現在は16歳にまで延びているといわれています。
猫に少しでも長く、おいしくご飯を食べて健康に過ごしてもらうためにも、今日から少しずつオーラルケアに取り組んでみてくださいね!